スポーツ伝説

8月29日~9月2日の放送内容

【ラグビー 坂手淳史選手】

 今年から新たに始まったラグビーの新リーグ、リーグワンで初代王者に輝いた埼玉パナソニック・ワイルドナイツ。チームをキャプテンとして引っ張ったのが、坂手選手です。リーグが開幕した今年1月、チームに新型コロナの感染者が出た影響で、開幕戦から2試合続けて不戦敗という厳しい船出になりました。しかし、キャプテンの坂手選手が率先してチームを牽引。その後は無敗でレギュラーシーズン2位まで順位を上げ、プレーオフではシーズン1位のサントリーを退け、リーグワン初代王者の栄冠をつかんだのです。
 リーグワン決勝戦の翌日、坂手選手は、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチから、新たな大役を告げられました。帝京大学の1年先輩、流大選手と一緒に務める日本代表共同キャプテンです。ところが、コンディション不良で流選手が新チームの船出に間に合わず、一人でキャプテンの大役を担うことになった坂手選手。キャプテンとして臨んだ最初の試合、ウルグアイとのテストマッチでは、先制トライを決めるなど攻守で存在感を発揮し、チームの勝利に大きく貢献します。さらに7月、世界ランキング3位の強豪・フランスとの2連戦でも奮闘し、特に第2戦では、試合時間残り9分のところまでリードする大接戦を演じました。

  
 
【ラグビー 山沢拓也選手】

 埼玉パナソニック・ワイルドナイツ、山沢選手の実力は、高校時代から注目されてきました。埼玉・深谷高校ラグビー部では、競技歴わずか9ヵ月ながら1年生から花園に出場。3年生の時には、日本代表の合宿メンバーにも選ばれたのです。高校生の代表候補入りは40年ぶりとあって、大きな話題を集めました。その後、筑波大学でも1年生からレギュラーとして活躍しましたが、左膝前十字靱帯を断裂するなどケガが重なり、大学2年以降は試合に出られない苦しい時期を過ごします。それでも4年生の時に国内最高峰のトップリーグ、パナソニックに入団。史上初の大学生トップリーガーとなり、世間を驚かせました。
 山沢選手が改めて注目を集めたのは今年5月、新たに始まった国内最高峰リーグ・リーグワンの初代王者を決めるプレーオフです。普段、チームの司令塔であるスタンドオフは、日本代表でもある松田力也選手が務めていましたが、ケガのため不在となりプレーオフの準決勝・決勝は、山沢選手がスタンドオフを任されました。そしてこの大舞台で、山沢選手は攻守に渡って奮闘。司令塔としての役割はもちろん、守備でもビッグプレーを連発してチームをリーグワン初代王者に導きました。この活躍もあってか、山沢選手は5年ぶりに日本代表に復帰。代表の司令塔争いにも名乗りを挙げました。 

  
 
【ラグビー ディラン・ライリー選手】

 埼玉パナソニック・ワイルドナイツ、ライリー選手は身長187㎝、体重102kgの25歳。恵まれたサイズとスピードが武器の選手です。南アフリカで生まれ、家族で移住したオーストラリアで、11歳の時にラグビーを始めました。20歳以下のオーストラリア代表に選出された経験もありますが、プロクラブとの契約は叶わず、新たな可能性を求め日本へ。2018年、トップリーグの強豪、パナソニックに練習生を経て入団した苦労人です。座右の銘は「最高の復讐は、大きな成功を収めること」。その「大きな成功」を目指し、日々成長を遂げると、20年にはチームのセンターに定着。21年にはトップリーグのベストフィフティーンを受賞し、ついには日本代表入り。その年の10月、かつて自分がなれなかったオーストラリア代表とのテストマッチで、代表デビューを果たしたのです。
 更なる「大きな成功」を目指し、今年から始まったリーグワンでもライリー選手は躍動します。12連勝がかかった4月の横浜キャノン戦、前半で3対17と大きくリードを許す苦しい展開ながら、後半でライリー選手が持ち前のスピードを駆使して2つのトライを決め、見事な逆転勝利。結果的にシーズン11トライを決め、リーグワンの初代トライ王に輝きました。プレーオフ決勝では勝利を決定づけるトライも決め、リーグワン初優勝にも貢献したのです。その決定力は所属チームだけでなく、日本代表でも健在。今年6月、ウルグアイとのテストマッチでは代表初トライを決め、来年のワールドカップへ向けて、しっかりアピールしています。
  

  
【ラグビー 李承信選手】

 ラグビー一家の三男として神戸市で生まれた、コベルコ神戸スティーラーズの李選手。4歳の時にのラグビースクールで競技を始めると、地元の英雄・神戸製鋼ラグビー部のグラウンドで練習する機会もあった縁で、隣で練習していた神戸製鋼の選手たちを身近な憧れの存在として見ていたといいます。高校進学にあたっては、いくつものラグビー強豪校から誘いを受けた中、最終的に選んだのは大阪朝鮮高級学校でした。他校に比べて圧倒的に部員数が少なく、全国大会を目指すには厳しい環境でしたが、李選手は高校日本代表に選ばれるまで成長。3年生で花園出場を果たします。
 名門・帝京大学でも1年生からレギュラーとして活躍しましたが、キャプテンを務めた20歳以下の日本代表チームで海外遠征をした際、世界との差を痛感。2020年に大学を中退し、海外留学を決意します。しかしちょうど新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、海外挑戦は断念。実家の神戸で独りトレーニングしていたところ、声をかけてくれたのが、小さい頃からの憧れだった神戸製鋼の後継チーム・神戸スティーラーズでした。神戸では。司令塔であるスタンドオフに挑戦することになった李選手。このポジションには、チーム内に元オールブラックスの選手がいるなど層が厚く、レギュラー争いをする中で、さらにその才能を磨いていきます。すると今年始まった新リーグ、リーグワンの戦いでは、非凡なパスセンスだけでなく、5トライを含む97得点とリーグ4位の得点力を発揮し、ついに朝鮮高校出身では初となる日本代表入りを果たしました。



【ラグビー 高橋汰地選手】

 スピードとハードワークが武器の、トヨタヴェルブリッツ・高橋選手。父はかつて7連覇を達成した黄金期の神戸製鋼でウイングとして活躍した選手で、その才能を受け継いだかのように、高橋選手もウイングでプレー。明治大学4年生の時には大学選手権決勝でトライを奪うなど、22年ぶりの大学日本一に貢献して注目を浴びました。卒業後は強豪トヨタ自動車に入団し、2年目の2021年は9トライを決める活躍ぶりを見せます。このシーズン限りでの引退が決まっていた元日本代表、福岡堅樹選手と似たプレースタイルから、ポスト福岡と期待を集めました。ところが、代表合宿中に左足首じん帯を断裂。念願の代表デビューは叶わず、今年から始まった新リーグ、リーグワンの開幕にも間に合いませんでした。
 開幕から2か月遅れの今年3月、リーグワンの第10節でゲーム復帰を果たした高橋選手。続く第11節では初トライを決め、復調ぶりをアピールします。その後もトライを重ね、リーグ戦が終わると、改めて日本代表にも選出されました。代表デビューは、7月に行われたフランスとのテストマッチ。後半途中出場し、出場時間こそ短めでしたが、ライン際のわずかなスペースでボールを受けると一気に加速。相手ディフェンスを引きつけ、トライに結びつきそうなリターンパスを披露するなど、持ち味を存分に発揮しました。

  

来週のスポーツ伝説は……

9/5(月) プロ野球 小澤怜史投手
9/6(火) プロ野球 田中瑛斗投手  
9/7(水) プロ野球 椋木蓮投手
9/8(木) 大 相 撲 逸ノ城駿関
9/9(金) 大 相 撲 錦富士隆聖関

お楽しみに!!
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