【プロ野球 平成最初の日本一】
昨年10月、「平成最後の日本シリーズ」が行われたプロ野球。パ・リーグ2位の福岡ソフトバンクホークスが、平成では最多となる7度目の日本一に輝きました。翻って「平成最初の日本シリーズ」は、平成元年(1989年)にセ・リーグ優勝の巨人と、パ・リーグを制した近鉄バファローズが対決。巨人が3連敗したあと4連勝し、奇跡の逆転日本一を達成しました。
対する近鉄は12年後の平成13年(2001年)にリーグ優勝を遂げますが、日本シリーズでヤクルトに敗退。04年の球界再編騒動で、日本一を一度も経験しないまま、球団そのものが消滅してしまいました。
【大相撲 霧島一博関】
平成3年(1991年)の相撲界は、千代の富士関・大乃国関と一時代を築いた横綱が相次いで引退。この年は6場所とも優勝力士が異なるという、“戦国時代”に突入しました。その1月の初場所で、14勝1敗と申し分のない成績を挙げて悲願の初優勝を飾ったのが、大関の霧島関でした。この時、31歳。
しかし綱取りが懸かった3月の春場所では、初優勝の記念パーティーなどに追われて満足に稽古ができなかったこともあり、5勝10敗と大きく負け越し。綱取りは夢と消えます。その後、ケガがたたり、大関を陥落してしまった霧島関。平幕に落ちてもしばらく相撲を取り続けていましたが、96年3月の春場所をもって引退。20年以上に及ぶ現役生活に別れを告げました。
【サッカー ナビスコカップ開幕】
平成4年(1992年)9月5日、日本のサッカー史を語る上で重要な大会がスタートしました。現在の「ルヴァンカップ」、スタート当時は「ヤマザキナビスコカップ」の第1回大会が開幕したのです。一般的に「Jリーグ元年」といえば、国立競技場で開幕戦が行われた93年と認識されていますが、実はその前年、92年に行われたナビスコカップこそが、Jリーグが主催する初めての公式戦だったのです。
11月23日、ナビスコカップ初代王者を決める決勝戦には、ヴェルディ川崎と清水エスパルスが進出。試合は、“カズ”こと三浦知良選手のゴールでヴェルディ川崎が優勝。第1回ナビスコカップは、大成功のうちに幕を閉じました。かつて閑古鳥が鳴いていた日本のサッカーは、これをきっかけに潮目が大きく変わり、翌年のJリーグ開幕戦に弾みをつけることになったのです。
【プロ野球 イチロー選手】
45歳になった今もなお、現役でプレーを続けるイチロー選手。プロ野球選手としてデビューしたのは92年ですが、華々しくブレイクしたのは、プロ3年目の平成6年(1994年)で、20歳の時でした。右足を振り子のように大きく動かす独特な打法で注目を浴びて1番打者に定着すると、驚異的なヒットの量産ぶりが話題に。60試合目となる6月25日には、シーズン100安打の最速記録を更新。9月14日には、阪神の藤村富美男選手が50年に達成した日本記録「191安打」を更新、シーズン安打数歴代トップに躍り出たのです。
日本球界初の「シーズン200安打」は、日本記録達成からわずか6日後。本拠地・グリーンスタジアム神戸で行われたロッテ戦で、122試合目にしてあっさりと200本安打を達成してしまいました。結局イチロー選手は、このシーズンを210本で終了。のちにこのシーズン安打記録は、2010年に阪神のマートン選手が214本、15年に西武の秋山翔吾選手が216本を放って更新されましたが、この時のシーズン試合数は共に140試合以上。130試合制でイチロー選手が打った210安打は、後世に語り継がれる偉業でした。
【ラグビー 神戸製鋼】
日本ラグビー史に燦然と輝く、神戸製鋼の日本選手権7連覇。その栄光は、まさに平成が幕を開けた1989年1月に始まりました。1月10日、神戸製鋼は全国社会人大会で初優勝を飾ると、その翌週に決勝戦が行われた88年度の日本選手権も制し、平成になってから初の日本一チームとなりました。平成7年1月、神戸製鋼は94年度の日本選手権を制して7連覇を達成。新日鉄釜石が昭和に達成した偉大な記録についに肩を並べます。
しかしその2日後の1月17日、神戸の街を阪神・淡路大震災が襲いました。グラウンドは液状化で使えなくなり、翌年は8連覇を逃してしまいました。それでも震災を言い訳にせず、逆境を受け止めた神戸製鋼は、99年度の日本選手権で優勝。翌2000年度も、サントリーと同時優勝で連覇を果たします。その後は優勝から遠ざかっていましたが、昨年12月、神戸製鋼は平成最後となった18年度の日本選手権で、18シーズンぶりの日本一に。どん底から這い上がったチームは、今も神戸の象徴であり続けているのです。
来週のスポーツ伝説は……
2月11日(月) テ ニ ス 松岡修造選手
2月12日(火) 柔 道 恵本裕子選手
2月13日(水) プロ野球 ナゴヤドーム開場
2月14日(木) 高校野球 沖縄尚学
2月15日(金) プロ野球 最初で最後のON対決
お楽しみに!!