スポーツ伝説

7月25日~29日の放送内容

【プロ野球 松本剛選手】

 2011年のドラフト2位で、帝京高校から北海道日本ハムファイターズに入団した、松本選手。プロ6年目の17年、115試合に出場して初の規定打席に到達。外野のレギュラーをつかみかけます。ところが後が続かず、ここ数年はまた控えや二軍生活が続きました。しかし西川遥輝選手・大田泰示選手ら、外野の主力選手が昨シーズン限りでチームを退団。チャンスが巡って来ました。28歳で開幕を迎えた11年目の今シーズン。新庄監督に抜擢され、開幕一軍の座をつかんだ松本選手は、スタメン起用されると見違えるようにヒットを重ね、交流戦を終えた6月12日の時点で、打率は3割5分8厘。パ・リーグ首位打者の座をキープしたのです。昨年までの10年間、一軍での通算打率が2割5分にも満たなかった松本選手。そんな松本選手が打撃に開眼できたのは、結果を求めて早いカウントから思い切って打っていくようにしたから。これは、積極的なバッティングを目指す新庄監督の方針とも一致していました。
 松本選手には、達成が大いに期待される記録があります。まずは「11年目で初の首位打者」。プロ10年目で初めて首位打者を獲得した選手は過去3人いますが、11年目以上ではいません。さらに、6月末現在で盗塁数17はパ・リーグ2位。盗塁王も、塁に出ることが多く俊足の松本選手には十分狙えるタイトルです。首位打者と盗塁王の二冠となれば、1995年のイチロー選手ほか、過去3人しか達成者がいない大記録です。
  
  
 
【プロ野球 滝澤夏央選手】

 昨年のドラフト会議で、育成2位で埼玉西武ライオンズに入団した滝澤選手。注目を集めたのが体のサイズです。164㎝は球界で最も低い身長で、体重も65kgと超軽量級です。高校時代に甲子園出場経験はなく、ほとんどのスカウトがノーマークでした。そんな中、西武のスカウト陣は何度も視察を重ね、検討を重ねた末に指名に至ったそうです。逆に言えば、それだけ滝澤選手の将来への期待値が大きかったとも言えます。その期待に応え、滝澤選手は開幕早々、2軍の試合でチームトップの盗塁数を重ねるなど、自慢のスピードを活かしてアピールすると、5月13日についに支配下登録を果たします。すると登録されたその日、ケガで戦線離脱した源田壮亮選手に代わって「2番・ショート」でスタメンに抜擢。プロ初ヒットを記録したのです。育成出身の高卒ルーキーが、一軍デビュー戦でヒットを放ったのは史上初の快挙でした。
 デビュー戦から活躍した滝澤選手は、その後も不在の源田選手に代わってスタメン出場を続け、チームにとって欠かせない存在となります。5月22日の北海道日本ハム戦ではプロ初の猛打賞もマークし、高卒新人の1試合3安打は、西武では23年ぶりのことでした。またバッティング以上に高い評価を集めたのが、高校時代から売りにしていた守備と走塁です。各評論家が「高卒新人とは思えない」と高評価する守備で、4年連続ゴールデングラブ賞の名手・源田選手の穴を見事にカバー。スピードあふれるプレーで“令和の牛若丸”と呼ばれるようになりました。

  
 
【プロ野球 中山礼都選手】

 守備の要・ショートを守り、巨人のキャプテンを務める坂本勇人選手がケガで登録抹消となった5月1日。入れ替わりで一軍に初昇格したのが、高卒2年目の中山選手です。守備力には定評のある中山選手。最初は内野の控え要員でしたが、セカンドの吉川尚輝選手が負傷したため、5日の広島戦から中山選手が「8番・セカンド」でスタメンデビューを果たします。そして翌日のヤクルト戦では、第一打席にプロ初ヒットを放つと、2アウトから二塁へ走りプロ初盗塁。その直後に丸佳浩選手のタイムリーヒットで生還し、プロ初得点も記録しました。8日のヤクルト戦からは、本職のショートを任されると“ポスト坂本”の呼び声通り、広い守備範囲と正確な送球を披露。抜群の守備力をアピールしました。
 中山選手には、入団当時から「いつか実現させたい」と願っていた夢がありました。それが、同じ中京大中京高校出身で中日に入団した、髙橋宏斗投手との「同級生対決」です。中山選手は巨人のドラフト3位、高橋投手は将来のエース候補として、中日に1位で入団。別々のチームとなった今も、お互いを意識し切磋琢磨する間柄です。そんな2人の対決は5月14日、東京ドームで初めて実現しました。第1打席のプロ初対決は、3球全て直球勝負。中山選手が152キロを捉えるも、ワンバウンドの打球を高橋投手がジャンピングキャッチしてピッチャーゴロ。第2打席、今度はスプリットをしっかり捉え、一・二塁間を破るライト前ヒットを放ち、この日の対決は1勝1敗の“引き分け”に終わりました。


 
【プロ野球 グレゴリー・ポランコ選手】

 今シーズン、巨人が新たに獲得した助っ人外国人・ポランコ選手。ドミニカ共和国出身で、身長196㎝、体重108kgの大型外野手です。2014年にメジャーデビューし、8年間、ピッツバーグ・パイレーツ一筋。17年からは、5年総額およそ40億円の大型契約を結んだスター選手でした。左の大砲として、メジャーでは通算96本のホームランを放ち、98盗塁を記録。鳴り物入りで、日本球界にやって来ました。開幕すると、さっそく決勝打をたびたび放ち、勝負強さを見せたポランコ選手。4月20日、広島との首位攻防戦では、8回に逆転のタイムリー二塁打を放ち、またしても勝利に貢献。これがシーズン3度目の決勝打でした。
 5月に入ると、さらに本領を発揮していきます。5月12日の横浜DeNA戦、ボランコ選手は3回にソロホームランを放ち、そこから3打席連続でヒットを打つと、続く13日の中日戦では4打席連続ヒットを記録。この時点で7打席連続ヒットとなりました。翌日の中日戦では、第1打席から2打席連続フォアボールとなり連続打席ヒットは止まりましたが、6回、ノーアウト一・二塁のチャンスで、ポランコ選手はライトへタイムリー二塁打。続く7回にもワンナウト一・二塁の場面で、今度はレフトへタイムリー二塁打を放ちます。これで「9打数連続安打」と「11打席連続出塁」を記録し、いずれも1988年にウォーレン・クロマティ選手が作った球団外国人記録に並びました。



【プロ野球 柳町達選手】

 慶應義塾大学時代は、東京六大学リーグで通算113本のヒットを記録した柳町選手。大先輩である高橋由伸選手以来となる、4年間全試合スタメンフル出場を果たして話題を集めました。大学日本代表でも活躍し、日米大学野球では打率5割で首位打者に輝いた“安打製造機”が福岡ソフトバンクホークス入団後、確かな手応えを掴んだのは2年目の昨シーズンでした。ウエスタンリーグで最多安打に輝き、打率2位の好成績を残します。また一軍の舞台でも、シーズン最後の千葉ロッテ戦でプロ初ホームランを放つなど、3安打の固め打ちでプロ初の猛打賞を記録しました。シーズン後の秋のキャンプでは、この年限りで現役を引退したばかりの“鷹の打撃職人”こと長谷川勇也打撃コーチの指導を受け、打撃職人の後継者に指名されるなど、柳町選手は大きな期待を集めました。
 迎えた3年目の今シーズン。柳町選手は開幕一軍とはなりませんでしたが、2軍戦の序盤7試合で打率5割ペースと打ちまくり、3月31日、故障離脱した栗原陵矢選手に代わって一軍に昇格。その日の千葉ロッテ戦にスタメンで起用されると、いきなり2安打を放ちました。4月23日には、北海道日本ハム戦での猛打賞を皮切りに、12試合連続ヒットを記録。こうした活躍ぶりに、藤本博史監督も「ヒットに限ったらナンバーワン」と語るなど、首脳陣も高く評価しています。
  
  

来週のスポーツ伝説は……

8/1(月) 競 泳  本多灯選手
8/2(火) 競 泳  花車優選手  
8/3(水) シンクロ飛込  金戸凛&三上紗也可選手
8/4(木) アーティスティックスイミング乾友紀子選手
8/5(金) アーティスティックスイミング佐藤友花&陽太郎選手

お楽しみに!!
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