【プロ野球 大瀬良大地投手】
長いプロ野球の歴史の中で、リーグ3連覇を達成したチームは、セ・リーグでは巨人だけです。今シーズン、その偉業に挑んでいるのが、緒方孝市監督率いる広島カープです。開幕から順調に勝利を積み重ねていたカープですが、交流戦に入るとパ・リーグを相手に苦戦し、7勝11敗と4年ぶりに負け越し。チームに重苦しいムードが漂う中、それを吹き飛ばしたのが、今年5年目の右腕ピッチャー・大瀬良投手です。
交流戦明けの6月22日、阪神戦に登板して両リーグ最速の10勝目を挙げ、チームに勢いを取り戻しました。6月での2ケタ勝利到達は、2013年に東北楽天時代に田中将大投手がマークして以来のことです。カープの日本人投手では、かつて黄金時代を支えたエース・北別府学投手以来、36年ぶりの快挙でした。
【プロ野球 上沢直之投手】
日本ハムで今シーズン大きな飛躍を遂げたのが、今年プロ7年目の上沢投手です。背番号を昨シーズンまでの「63」から「15」に変え、心機一転して挑んだ今シーズン。6月26日の福岡ソフトバンクホークス戦では、ホークス打線を相手に、6回まで一人のランナーも許さないパーフェクトピッチングを披露。今シーズン3度目の完封勝利で7勝目を挙げました。
実は、上沢投手が野球を始めたのは中学生になってから。甲子園への出場こそ叶いませんでしたが、身長187㎝の長身から繰り出す速球がスカウトの目に止まり、2011年にドラフト6位で日本ハムに入団。野球を始めて、わずか5年でのプロ入りでした。プロ3年目の14年に一軍デビューすると、デビュー戦でプロ初勝利を挙げ、以降3連勝。これは、球団の日本人投手では、52年ぶりの快挙でした。その後も順調に勝ち星を積み重ね、8勝をマーク。その後はケガに苦しみましたが、コーチと共に投球フォームの再生に取り組み、今シーズンはみごと復活を遂げたのです。
【プロ野球 岸孝之投手】
優勝を争った昨シーズンから一転、シーズン途中で監督休養劇が起きるなど、今年は前半戦からまさかの低迷が続く東北楽天ゴールデンイーグルス。そんな中、ひとり気を吐いているのがエースの岸投手です。岸投手といえば、西武ライオンズ時代に10年間で103勝を挙げた抜群の安定感が持ち味。2008年には、日本シリーズでMVPを獲得。14年にはロッテ戦でノーヒットノーランを達成するなど、パ・リーグを代表するピッチャーの一人として活躍してきました。16年オフに楽天へFA移籍。地元・仙台での再出発を誓いました。
今シーズンは、開幕から絶好調。特に5月は、5試合に先発して3勝0敗、防御率1.35という好成績で、楽天に移籍してから初となる月間MVPを受賞します。6月には、プロ野球史上54人目となる通算1500奪三振も達成。交流戦が終わった時点で23勝41敗、借金18というドン底のチームにあって、その時点で6勝をマーク。防御率も変わらず1点台で、毎試合6イニング以上を投げるなど、まさに孤軍奮闘の活躍を見せています。
【プロ野球 石川歩投手】
2013年、東京ガスからドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団。翌年にいきなり10勝を挙げてパ・リーグ新人王を獲得すると、それから3年連続で2ケタ勝利をマーク。石川選手はチームの新たなエースとなりました。
14勝を挙げた3年目は、防御率2.16で最優秀防御率のタイトルも獲得。その実績が評価され、昨年開催された第4回ワールド・ベースボール・クラシックで侍ジャパン入り。日本のエース格ばかりが集まった中でも石川投手の安定感は群を抜いており、大事な初戦・ギューバ戦の先発に抜擢。得意のタテに大きく落ちるカーブや、右打者のヒザ元に食い込むシンカーを武器に4回1失点の好投で、日本の決勝ラウンド進出に貢献しました。
【プロ野球 山井大介投手】
5月22日に横浜スタジアムで行われた、横浜DeNAベイスターズ 対 中日ドラゴンズ戦。中日の先発投手は、5月10日に40歳の誕生日を迎えたばかりの山井投手でした。山井投手は、この日が今シーズン初登板。先発のコマ不足を補うために二軍から急きょお呼びがかかり、いきなり筒香選手・宮﨑選手・ロペス選手らを擁するDeNAと対戦することになりました。
しかしそんな強力打線をものともせず、味方が取ってくれた大量点をバックに9回まで投げ抜き、散発4安打で完封してみせたのです。40代で完封勝利を挙げたのは、山井投手が史上9人目。中日では、4回記録している山本昌投手に次いで2人目の快挙でした。
来週のスポーツ伝説は……
8月 6日(月) 競 泳 幌村尚選手
8月 7日(火) 競 泳 大橋悠依選手
8月 8日(水) サッカー 酒井宏樹選手
8月 9日(木) 高校野球 1924年甲子園・第10回大会
8月10日(金) 高校野球 1948年甲子園・第30回大会
お楽しみに!!