【ゴルフ 畑岡奈紗選手】
アメリカ航空宇宙局・NASAのように、前人未到のことを達成できるようにとの願いから、「ナサ」と命名された女子プロゴルファー畑岡選手。その歩みは、まさに前人未到の偉業ばかりです。2016年7月、17歳の時に世界ジュニア選手権で連覇を達成。勢いそのままにこの年の日本女子オープンを史上最年少で優勝し、プロ転向を果たします。しかも畑岡選手が主戦場としたのはアメリカツアー。日本で実績を積んでから海外に挑む、これまでの常識を覆すチャレンジでした。
しかしその道のりは険しく、1年目の17年は7戦連続予選落ちという挫折も味わいます。そんな中でも、9月にスポット参戦した日本ツアーでプロ初優勝。18歳254日での国内ツアー2勝目は、レジェンド宮里藍選手を抜く史上最年少記録でした。そして我慢が続いたアメリカツアーでも、2年目の18年に「アーカンソー選手権」で初優勝。19歳162日でのアメリカツアー制覇は日本勢の最年少記録と、また新たな金字塔を打ち立てました。
【ゴルフ 西郷真央選手】
ゴルフ界のレジェンド、ジャンボ尾崎さんの門下生でもある女子プロゴルファー・西郷選手。ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーの第1期生として腕を磨くと、高校3年生の2019年に「日本女子アマチュア選手権」で優勝。さらに、この年のプロテストにも一発で合格を果たします。プロ1年目の2020-21年シーズンは、出場50戦でなんと2位が7度。いつ優勝してもおかしくないと言われてきた西郷選手がついに覚醒します。
3月に行われた今シーズン開幕戦「ダイキン・オーキッド・レディス」最終日を首位と5打差の8位でスタートすると、6バーディー・1ボギーの驚異的な追い上げを見せ、逆転で念願のプロ優勝を飾りました。その3週間後、西郷選手は今シーズン4戦目、「アクサ・レディース」に出場。首位と2打差の3位で迎えた最終日、5バーディー・1ボギーで再び逆転優勝を飾ると、その翌週の「ヤマハレディースオープン」も制し、2週連続優勝。しかも、4日間トップの座を譲らない完全優勝を成し遂げました。20歳177日での「4日間大会・完全優勝」は、史上2番目の最年少記録であり、また開幕から5戦で年間3勝は史上最速記録と、いくつもの偉業が重なる優勝でした。
【ゴルフ 堀琴音選手】
現在26歳の堀選手がゴルフを始めたのは、7歳の時。3学年上の姉・堀奈津佳選手の影響からでした。琴音選手がプロテストに合格した2014年、姉はすでにツアー2勝を挙げており、姉に追いつこうと琴音選手もシード選手にかけ上がったものの、優勝にはなかなか手が届きません。それどころか一時は予選落ちが続き、引退も噂されるなど不振に苦しみます。
転機になったのは、プロ8年目の昨年7月、北海道で行われた「ニッポンハムレディスクラッシック」でのこと。首位と2打差の2位で迎えた最終日、琴音選手は1番からバーディーを奪うなど、この日5バーディー・ノーボギー。通算14アンダーで首位に並ぶと、プレーオフを制して悲願のツアー初優勝を果たしました。そんな琴音選手を出迎えてくれたのは、この大会で予選落ちし、自宅に帰ったはずの姉・奈津佳選手でした。妹の歓喜の瞬間を見守ろうと会場に戻ってきたのです。姉妹でのツアー優勝は、福嶋浩子・晃子選手姉妹に続く、史上2組目の快挙でした。今年3月の「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」では、琴音選手は最終日を単独首位でスタートすると、3バーディー・1ボギーの堅実なゴルフを見せ、通算9アンダーでツアー2勝目。これで姉妹ともに2勝目を挙げたことになり、姉妹での複数回優勝は、あの福島姉妹でもなしえなかった国内女子ツアー初の快挙です。
【ゴルフ 植竹希望選手】
1998年生まれ、女子プロゴルフの“黄金世代”で、4歳からゴルフを始めた植竹選手。2013年、「スタジオアリス女子オープン」で14歳ながら優勝争いを演じる天才ぶりを発揮しました。17年のプロテストに合格した植竹選手は、若手や新人選手を対象にした20年のステップ・アップ・ツアー開幕戦で優勝。しかしレギュラーツアーの優勝にはなかなか手が届かず、その間に同期の仲間達が優勝を成し遂げていきます。21年、「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で、植竹選手は最終日、西村優菜選手と並んで首位で最終ホールを迎えました。しかしティーショットを池に入れると、3打目がバンカーに捕まりダブルボギー。自己ベストではありましたが、2位タイに終わりました。
ところが、この大会を観ていて植竹選手のゴルフを気に入り、以後アドバイスをくれるようになった先輩女子ゴルファーがいます。ツアー通算41勝の森口祐子さんです。今年4月に行われた「KKT杯バンテリン・レディース」で、首位に1打差の2位で最終日を迎えた植竹選手。前日、森口さんから「人のゴルフは自分の力では変えられない。自分に集中してやりなさい」とメッセージが届きました。これで、自分が1打でも減らすことを考えようという気持ちになれた植竹選手。4バーディー・3ボギーの通算8アンダーでトップに並び、4人によるプレーオフの末、ついに悲願の初優勝を決めたのです。
【ゴルフ 高橋彩華選手】
優勝争いには何度も顔を出しているのに、なぜか最終日に自滅してしまう――女子プロゴルフ・黄金世代の一人、高橋選手にはそんなありがたくないジンクスがありました。今年4月に行われた国内女子ゴルフツアー「フジサンケイレディス」。大会前の時点で、トップ集団の最終日最終組に入ること実に9度。首位で最終日を迎えたことは5度もありました。そんないつ勝ってもおかしくない実力の持ち主なのに、高橋選手はなぜかツアー未勝利のままだったのです。
「フジサンケイレディス」でも、初日に8アンダーをマークして単独首位に立つと、2日目も1打差で首位を守ります。これで自身6度目の最終日首位となり、10度目の最終日最終組で回ることになった高橋選手は、「10度目の正直」を心に誓いました。最終日、やはり緊張してしまったのか、高橋選手は1番ホールでいきなりボギー。続く2番でも連続ボギーを叩いてしまいますが、3番・4番で連続バーディーを奪い、すぐにスコアを元に戻しました。その後も5バーディー・3ボギーと焦らずスコアを2つ伸ばした高橋選手は、通算12アンダーで逃げ切り、初優勝を果たしました。
来週のスポーツ伝説は……
6/6(月) サッカー 鈴木隆行・稲本潤一選手
6/7(火) サッカー 稲本潤一・宮本恒靖選手
6/8(水) サッカー 森島寛晃・中田英寿選手
6/9(木) サッカー 三都主選手・トルシエ監督
6/10(金) サッカー エジミウソン選手
お楽しみに!!