【プロ野球 美馬学投手】
昨年のシーズンオフにFA宣言した選手の中で注目されたのが、昨年まで東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーしていたプロ10年目のベテラン・美馬投手です。今シーズンからは、千葉ロッテマリーンズのユニフォームを着ることになりました。美馬投手は昨シーズン、パ・リーグで6人しか到達者がいなかった規定投球回に2年ぶりに到達。楽天投手陣で唯一、開幕からローテーションを守り抜きました。在京球団への移籍を希望する美馬投手に、巨人、ヤクルト、ロッテの3球団がオファー。特に巨人は、原辰徳監督が移籍交渉に同席してラブコールを送りましたが、美馬投手が選んだのは、同じパ・リーグのロッテでした。
先発の駒不足に悩んでいたロッテは、美馬投手を獲得すべく、初交渉で3年総額5億円以上という、巨人と変わらない好条件を提示。家族に対するサポートに加え、医療体制の充実も約束しました。そしてもう一つ、美馬投手がロッテを選んだ理由は「ファンの情熱」。千葉のファンの声援がどれほどロッテにとって大きな力になっているかを、相手投手の立場から肌で感じていたのです。選手の価値観や、球団に求めるものが大きく変わってきたことを示す、美馬投手のFA移籍でした。
【プロ野球 鈴木大地選手】
昨シーズン、選手会長として千葉ロッテマリーンズを牽引した鈴木選手。オフにFA宣言を行い、プロ9年目の今シーズンは新天地・東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーすることになりました。鈴木選手は、ロッテ2年目の2013年から昨年まで7年連続で、140試合以上に出場。3年目の14年にはキャプテンを任されるなど、早くからチームリーダーとしての役割を務めてきました。昨年は打率2割8分8厘、ホームラン15本、68打点と、3部門とも自己最高をマーク。守っては内野の全ポジションに加え、外野の守備にもつくなど、ユーティリティプレーヤーとして活躍しました。
今シーズンから、三木肇新監督のもとで新たなチーム作りを目指している楽天。これまでチームを牽引してきた嶋基宏選手が退団してヤクルトに移籍。石井一久GMは、司令塔として若手たちを引っ張ってくれる選手を探していました。2度目のリーグ優勝と日本一を目指し、積極補強を進める石井GMにとって、鈴木選手はまさに、求めていたピースだったのです。
【プロ野球 福田秀平選手】
昨年オフのFA戦線で、残留を望む福岡ソフトバンクホークスを含め、6球団からオファーが殺到。予想以上の人気を集めた福田選手。ソフトバンク・西武・楽天・ロッテ・ヤクルト・中日の中から悩んだ末に選んだのは、千葉ロッテマリーンズでした。福田選手はこれまでのプロ13年間、ずっと控え選手としてプレー。時にスタメンで出場することもありますが、代打・代走・守備固めが主で、規定打席に到達したシーズンは、これまで一度もありません。昨シーズンの成績も、80試合に出場して打率2割5分9厘、ホームラン9本、26打点と、決してずば抜けた数字ではない福田選手にオファーが殺到した理由。それは走・攻・守、すべてにおいて高い能力を持っており、選手層が厚いソフトバンク以外なら、レギュラー候補と言われていたからです。
走っては、 過去13シーズンで、通算79盗塁。一軍での通算試合出場数は700試合に満たないのに、この盗塁の数はかなりの多さ。2011年から5シーズンにまたがり「32連続盗塁成功」という記録も残しています。守っては、俊足を生かした広い守備範囲と持ち前の強肩を誇り、打っては昨シーズン、代打満塁ホームランを放つなど、ここぞという場面での勝負強いバッティングにも定評があります。
【テニス ノバク・ジョコビッチ選手】
毎年1月に開催される、テニス・全豪オープン。去年の男子シングルス決勝は、当時世界ランク1位のジョコビッチ選手と、2位のラファエル・ナダル選手の頂上決戦になりました。ジョコビッチ選手が勝てば、3年ぶり史上最多となる7度目の全豪制覇。ナダル選手が勝てば、10年ぶり2度目の栄冠です。
この試合を迎えるまでの二人の対戦成績は、ジョコビッチ選手が27勝、ナダル選手が25勝とほぼ互角。ただし屋外のハードコートにかぎれば、ジョコビッチ選手が5連勝中で、全豪決勝の舞台においては、ジョコビッチ選手は誰にも負けたことがないのです。全豪オープンで二人が戦うのは、実に7年ぶりのこと。熱戦が期待されましたが、意外にも勝負はジョコビッチ選手の一方的な展開に。第1セットを6-3で制すると、伸びるストロークを武器に第2・第3セットも奪い、ストレートで快勝。全豪オープン決勝での不敗記録を伸ばし、歴代単独トップとなる7度目の全豪制覇を達成したのです。
【テニス 大坂なおみ選手】
2018年の全米オープンを弱冠20歳で制し、一躍、世界のトッププレーヤーの仲間入りを果たした大坂選手。全米オープンが始まる時の世界ランクは19位であり、「実力は本物なのか?」という声も一部にありました。真価が問われた、19年の全豪オープン。苦しみながらも、なんとか決勝進出を果たします。決勝の相手は、ここまで1セットも失わずに勝ち上がってきた、絶好調のペトラ・クビトバ選手でした。
大阪選手は食らいつくクビトバ選手に苦戦しながらも、ゲームカウント6-4で最終セットをものにして、見事、全豪オープン初優勝。全米オープンに続き、グランドスラム2大会連続優勝の偉業を成し遂げ、この優勝で日本勢初、アジア勢としても初の、女子シングルス・世界ランキング1位の座へと上り詰めました
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!