スポーツ伝説

8月9日~13日の放送内容

【プロ野球 髙橋優貴投手】

 今シーズン、エース・菅野智之投手の故障による戦線離脱など、投手陣に誤算が続いた巨人。そんな中、救世主として活躍しているのが、今年で3年目のサウスポー・髙橋投手です。2018年のドラフト1位で巨人に入団し、2年目の昨シーズンはオープン戦で左ヒジを痛めた影響で1勝3敗に終わりましたが、今シーズンは開幕から5連勝。防御率1.80をマークし、3月・4月のセ・リーグ月間MVPに輝きました。
 150キロを超えるストレートと、スライダー、スクリュー、チェンジアップなど多彩な変化球を持ち味としながら、これまで自分の殻を破れていなかった高橋投手。しかしファームで進化を遂げ、開幕ローテーションの6枠目を勝ち取ります。そこから開幕5連勝。初黒星を喫した後も勝ち星を伸ばし、前半戦最後の登板7月11日の首位・阪神との直接対決では、敵地・甲子園球場で阪神打線を7回1安打無失点に封じる好投を演じ、リーグトップの9勝目を挙げました。

  

【プロ野球 佐藤輝明選手】

 開幕からスタートダッシュに成功し、4月4日から前半戦最後の7月14日まで単独首位を走り続けた阪神タイガース。13年ぶりとなる首位ターンの原動力となったのが、ドラフト1位ルーキー・佐藤選手です。前半戦全84試合に出場。身長187㎝、体重94kgという恵まれた体格を武器に、ボールを豪快に弾き飛ばしてホームランを量産。7月7日のヤクルト戦で20号の大台に乗せます。77試合目での20本到達は新人史上2番目のスピード記録で、1958年、長嶋茂雄選手の89試合も超えるものでした。
 ホームラン記録の他にもう一つ、佐藤選手は三振でも記録を作りました。前半戦だけで121三振を喫し、99年に中日・福留孝介選手が記録した新人最多三振記録に早くも並んでしまいました。これは決して不名誉な記録ではなく、レギュラーで出場を続けている証しです。7月のオールスターゲームでは、新人ながら2試合連続でスタメンに抜擢され、通算5打席目でホームランを放った佐藤選手。新人選手がオールスターでホームランを放ったのは、史上5人目の快挙でした。
    

 
【プロ野球 平良海馬投手】

 埼玉西武ライオンズの平良投手は昨シーズン、リーグトップタイの54試合に登板。1勝1セーブ33ホールドの好成績で新人王に輝きました。その持ち味はMAX160キロを誇るストレートと言われていましたが、昨年のデータを調べてみると、ストレートを打ち返されていることが判明。カットボールやスライダー、チェンジアップなどの変化球に磨きをかけ、今シーズンに臨みました。ストレートの配球を昨年の5割から3割程度に下げ、その分、変化球を増やします。すると1つ1つの球種の精度が上がり、同時に打ち取るパターンが増えたことで、開幕から無失点が続く好投に繋がったのです。6月13日、中日との交流戦。1点リードの9回に登板した平良投手は、無失点で抑え「開幕から32試合連続無失点」のプロ野球新記録を樹立しました。
 平良投手の無失点記録はさらに伸び、「開幕から」という限定を外した記録も次々に更新していきます。まずは6月22日の楽天戦で、西武投手コーチの豊田清投手が持っていたパ・リーグ記録「34試合連続」を更新。さらに元阪神・藤川球児投手のプロ野球記録「38試合連続無失点」に並んだ平良投手は、7月1日のソフトバンク戦で「39試合連続無失点」のプロ野球新記録を達成したのです。次の試合で失点し、40試合連続はなりませんでしたが、前半戦の防御率は0.23。抜群の安定感で後半戦もチームを支えます。



【プロ野球 杉本祐太郎選手】
 
 今年、‟30歳の覚醒”と呼ばれる大変身を遂げた、オリックス・杉本選手。昨年までのプロ5年間で通算ホームランは9本だけでしたが、今年は前半だけで18本。オリックスの快進撃をバットで牽引しました。この大変身の理由について杉本選手は、8割の力でスイングする意識を身につけたことと明かしています。身長190㎝・体重104kgの恵まれた体で、軽く振っても打球を飛ばせるのが杉本選手の魅力ですが、この「8割の力」はプロ入りした当時、イチロー選手に指摘されていたことでした。
 杉本選手の大変身の理由はもう一つ、「ファウル打ち」です。今シーズンのオリックスはチーム全体で「ファウルで粘る」ことを徹底しています。これが杉本選手のバッティングをさらに向上させました。バッティングの極意をつかんだ杉本選手は、6月に豪打爆発。月間打率3割7分5厘、ホームラン5本、19打点の成績で、自身初となる月間MVPを受賞したのです。
  


【プロ野球 佐々木朗希投手】 

 岩手の大船渡高校時代に非公式ながら163キロを計測し、鳴り物入りでロッテに入団した佐々木投手。ただしプロ1年目の昨シーズンは実戦登板はゼロ。はやる気持ちを抑え、体作りに努めました。迎えた今年3月12日、中日とのオープン戦で満を持しての実戦デビュー。投げた12球のうち11球がストレートで、ノーヒットピッチングの内容とあわせ、ファンは多いに沸きました。
 一方で、この日の登板にはもう一つ大きな意味がありました。前日の3月11日は、東日本大震災からちょうど10年。佐々木投手は、震災で父親と祖父母を亡くしています。イースタンリーグでの実戦を挟み、5月16日の西武戦で一軍デビューを果たした佐々木投手は、この日は勝敗はつかず。2度目に登板した甲子園球場での阪神戦で、待望のプロ初勝利を挙げました。



来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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