【大相撲 佐田の山晋松関】
4月27日に肺炎のため79歳で亡くなった、大相撲第50代横綱・佐田の山関。1956年の初場所で初土俵を踏み、激しい突きと押しを武器に活躍。61年夏場所で、幕内3場所目にして早くも平幕優勝を果たしました。その後も順調に出世を重ね、65年の初場所後に横綱昇進。ライバルの大鵬関や柏戸関のように体格には恵まれませんでしたが、幕内で柏戸関の5回を上回る6回の優勝を飾りました。
引退後は、名門・出羽海部屋を継承。92年からは日本相撲協会の理事長を6年にわたって務め、巡業の改革や外国人力士の入門規制、長年の懸案だった年寄名跡の問題にも手を付けるなど、改革路線を歩みました。
【プロ野球 上田利治元監督】
7月1日、阪急の黄金時代を築き上げた上田元監督が肺炎のため80歳で亡くなりました。弱小だったチームを強豪に育て上げた西本幸雄監督の後を受け、1974年にコーチから昇格。まだ37歳の青年監督は、翌75年からパ・リーグ4連覇を達成します。日本シリーズでは75年、広島を破って初の日本一に輝くと、続く76年・77年には西本監督時代に一度も勝てなかった宿敵・巨人を2年続けて破り、3年連続日本一の快挙を成し遂げたのです。
その後、阪急が球団を売却したオリックスや日本ハムでも指揮を執り、監督通算20年間の成績は、リーグ優勝5回・日本一3回。歴代7位の通算1322勝は、まさに名将と呼ぶにふさわしい成績でした。2003年には野球殿堂入りを果たしています。
【プロ野球 森慎二コーチ】
6月28日、多臓器不全のためこの世を去った西武の森投手コーチ。現役コーチの突然の訃報、しかも42歳という若さに、チームのみならず球界全体に大きな衝撃が走りました。
森コーチは、社会人野球の新日鉄君津からドラフト2位で西武に入団。150キロを超えるストレートと、鋭く落ちるフォークボールを武器にリリーフ投手として活躍し、入団4年目の2000年には、23セーブを記録。02年と03年には、2年連続で最優秀中継ぎ投手賞にも輝きました。05年に西武を退団し、メジャーリーグのデビルレイズと契約しますが、怪我の影響もあって登板機会のないまま帰国。その後は独立リーグのコーチ・監督を経て、15年から古巣・西武に復帰。二軍投手コーチに就任しました。
【陸上 桐生祥秀選手】
今年9月9日、日本陸上界の悲願ともいえる大記録が達成されました。福井市で行われた陸上の日本学生対校選手権・男子100メートル決勝で、東洋大学の桐生選手が9秒98の日本新記録を樹立したのです。
従来の日本記録は1998年、伊東浩司選手が出した10秒00。 実に19年ぶりの記録更新で、100mの世界記録が9秒台に突入してから遅れること49年。日本人選手が“10秒の壁”をついに打ち破った衝撃は大きく、街では号外が配られたほどでした。今回の桐生選手の好記録を受け、来年には他にも9秒台を記録する日本人選手が出るのでは?といわれています。2020年の東京オリンピックでは、100mの日本人ファイナリストも誕生するかもしれません。
【2017年スポーツ界の名言】
・「雲の上の存在だったけど、今回勝つことができて普通なんだと思うようになった」
今年4月の卓球アジア選手権・女子シングルスで、日本勢21年ぶりの優勝を果たした平野美宇選手。この優勝は、世界ランク1位・2位・5位の格上中国選手を3連続で破ってのものでした。
・「63年ぶりの金メダルが私で良かった。男子は有名だけど、女子は獲れないと思われていて悔しかった」
10月の体操世界選手権で、村上茉愛選手が種目別の床で金メダルを獲得。日本人女子の体操世界一は、オリンピック・世界選手権を通じて63年ぶりという快挙でした。
・「完璧な人間はいない。彼もそうだし、僕もそう。彼が今日したことは正しいことではなかった。でも我々は、彼を責めるよりも学ぶ努力をしたい。もしこの経験から学べるなら、それは人類にとって大きな一歩だ」
“世界一”の栄冠を目指して戦った、メジャーリーグ、ロザンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有投手。ワールドシリーズでは第3戦と第7戦の先発を任されたものの、どちらも序盤でノックアウト。悔しい結果に終わりましたが、戦いのさなか、相手選手がダルビッシュ投手にとったアジア人差別とも取れる行動に対するコメントは、全米で大きな賞賛を集めました。
来週のスポーツ伝説は……
1月1日(月) 箱根駅伝 青山学院大学
1月2日(火) プロ野球 背番号列伝30番
1月3日(水) バスケットボール 辻直人選手
1月4日(木) 高校サッカー 東福岡vs帝京
1月5日(金) 高校サッカー 野州vs帝京
来年もお楽しみに!!