【プロ野球 小川淳司監督】
昨年までヤクルト球団のシニアディレクターを務めていた小川新監督が、4シーズンぶりに現場復帰することになりました。昨シーズン、チームは球団史上ワーストの年間96敗。そんな中で小川監督に白羽の矢が立ったのは、最初に指揮を執った2010年、シーズン途中に前任の高田繁監督から受け継いだ借金19を見事に完済。更に4つの貯金を積み上げ、一時はクライマックスシリーズへの出場を争う快進撃を見せたからでした。結果は4位に終わるも、手腕を高く評価されて翌11年から正式に監督に就任。すると11年は2位、12年は3位と、チームを連続Aクラスに導きました。13年・14年は故障者が相次いだため連続最下位に沈み、責任を取って辞任しましたが、若手選手を積極的に起用。15年、真中監督が就任1年目で優勝する下地を作りました。
昨年、故障者が相次いでどん底に落ちたチーム状況は、監督代行を引き受けた10年の時とよく似ています。契約期間は2年。二度目の“立て直し”に期待です。
【プロ野球 外崎修汰選手】
リンゴの産地で知られる青森県弘前市の出身で、ファンから“リンゴスター”と呼ばれている埼玉西武の外崎選手。2014年にドラフト3位で西武に入団すると、始めはショートでレギュラーの座を目指すもスタメンに定着できず、2年目までは控えに甘んじていました。辻監督が就任し、勝負の年となった3年目の昨シーズンは、開幕からルーキーの源田壮亮選手がショートに固定。外崎選手は出場機会を得るため、野球人生でほぼ初めてという外野守備に挑戦することになりました。
しかし、そのチャレンジが外崎選手に大きなチャンスをもたらします。チーム屈指の俊足を誇り、守備範囲が広い外崎選手は、レフトやライトで出場する機会が増えて外野のレギュラーに定着したのです。昨シーズンは最終的に135試合に出場。初めて規定打席に達し、打率こそ2割5分台でしたが、ホームラン10本と長打力も発揮しました。そして盗塁数は、源田選手の37個、金子侑司選手の25個に次ぐ、チーム3位の23個をマーク。辻監督の目指す、機動力野球に貢献しました。
【プロ野球 細川成也選手】
昨年10月、プロ野球のレギュラーシーズンもいよいよ終了という時に、たった2試合の出場でプロ野球ファンを驚かせたのが、今年2年目の19歳、横浜DeNAベイスターズの細川選手です。甲子園出場経験こそありませんが、高校通算63本のホームランを記録したことから、“茨城の中田翔”と呼ばれた右の大砲。そのパワーに惚れ込んだDeNAの首脳陣が、2016年のドラフト会議で5位指名しました。
1年目の春季キャンプは二軍スタートだった細川選手ですが、その長打力はすぐにアレックス・ラミレス監督の目に留まり、キャンプ中盤には一軍に合流。阪神との練習試合、初打席でバックスクリーンに豪快なホームランを放ち、他球団からも注目を集めました。その後、シーズンでは二軍暮らしが続きますが、3位が確定した後の10月3日、中日ドラゴンズ戦で「五番・ライト」でスタメンに抜擢され、一軍デビューを果たします。するとその第1打席で、バックスクリーンへ3ランホームランを放ったのです。「公式戦初打席・初ホームラン」は、球団史上初の快挙でした。さらには、その翌日の試合でも第2号ホームラン。2リーグ制以降、高卒新人選手がデビューから2試合連続でホームランを放ったのは、これが史上初の出来事でした。
【プロ野球 岡田明丈投手】
広島カープの3年目右腕・岡田投手は昨シーズン、先発ローテーションの一角として活躍し、チーム2番目の勝ち星・12勝を挙げてカープの2連覇に大きく貢献しました。今やカープのエース候補として名を馳せる岡田投手ですが、高校時代は控え選手で甲子園出場経験もなし。その後進学した大阪商業大学でも、当初はなかなか目立った活躍をすることはできませんでした。その上、遠征代やユニフォーム代などの出費が母子家庭の家計を圧迫。岡田投手はアルバイトをしながら野球を続けたのです。
そんな苦労がようやく報われたのは、4年生の時。それまでの3年間で通算わずか3勝だったにもかかわらず、4年春のリーグ戦だけで6勝を挙げ、防御率0.33と圧倒的な数字を残します。快進撃はその後も続き、大学選手権では150キロ台のストレートを連発。秋のリーグ戦でも6勝0敗、防御率1.00の好成績で、大阪商業大にとって32年ぶりとなる2季連続優勝をもたらしました。この活躍が評価され、カープからドラフト1位指名された岡田投手。カープの3連覇は、そんな苦労人の肩に掛かっているのです。
【プロ野球 甲斐拓也選手】
ここ数年、プロ野球では「絶対的な正捕手がいない」といわれています。そんな中、「次の時代を担うキャッチャー」として期待されているのが、昨年、ベストナインとゴールデングラブ賞をダブル受賞した25歳の育成出身・甲斐選手です。甲子園出場経験はありませんが、2010年のドラフト会議にで、ソフトバンクが育成6位で指名。プロ3年目が終わった13年のオフに、ようやく育成枠から支配下登録へとステップアップしました。
そこから3年間、一軍での出場機会は数える程度でしたが、開幕一軍を勝ち取った昨年は、“甲斐キャノン”と称される自慢の強肩で存在感を発揮。若手ピッチャーが先発マウンドに立つ試合でスタメンマスクを任されることが多くなり、終わってみれば103試合に出場。チームの日本一にも貢献したのです。育成出身選手ながら、日本一チームの正捕手候補となった甲斐選手。今年も活躍が期待されます。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!