【プロ野球 石川雅規投手】
14年ぶりのリーグ優勝を飾ったヤクルト・スワローズの石川投手は、優勝を決めた9月に5戦5勝で5年ぶり3度目の月間MVPを獲得。エースとして輝きました。身長は公称167㎝で、12球団で契約する800人強の選手の中でも最も身長が低い選手のひとり。まさに小さな巨人です。
ストレートの最速は139キロ。でも打てそうで打てないと、相手バッターは口を揃えます。支えているのは、抜群の制球力。それを武器に、1年目から5年連続2ケタ勝利をマークし、ヤクルトでは初の快挙となりました。これはセ・リーグでも巨人の堀内投手、阪神の江夏投手に続き、3人目の記録です。
【プロ野球 池山隆寛選手】
ヤクルト池山選手の引退試合は、2002年10月17日、神宮球場での広島戦でした。この時、すでに巨人の優勝が決定していたにもかかわらず、神宮球場には45000人のファンが駆けつけます。通常の引退試合は顔見世程度で終わるものですが、この時の池山選手は、ファンの声援に応え、右ひざとアキレス腱の激しい痛みがありながらもフル出場。試合は延長戦となり、一発が出ればサヨナラという絶好機で池山選手に最後の打席が。ホームランを狙った池山選手に、マウンドの長谷川昌幸投手も真剣勝負で挑み、結果はフルスイングの3球三振。その後、池山選手がマウンドへ足を運び、長谷川投手と握手した姿は、野球ファンにとって忘れられない光景となりました。
“ブンブン丸”の異名は、5年連続ホームラン30本以上という記録の積み重ねの証。現役最後のホームランは、2002年4月10日の巨人戦。前年からこのカードは7連敗中でしたが、9回に池山選手の3ランが飛び出し、不名誉にピリオドを打ちました。今オフからは東北楽天の1軍打撃コーチに就任。梨田新監督と共に、来シーズンの優勝を目指します。
【プロ野球 岡林洋一投手】
1992年は、今シーズンと同じく、ヤクルトが14年ぶりのリーグ優勝を飾ったシーズン。プロ2年目の岡林投手が大活躍した、記憶に残る熱いシーズンでした。1年目を12勝6敗12セーブで終えた2年目は、開幕からしっかりとローテーションを守った岡林投手。14年ぶりの優勝を目指し、阪神とのデッドヒートが展開された9月には抑えにまわるなど、圧倒的な存在感を示しました。その結果、12試合に完投し、無四球がリーグ最多の4試合。15勝をあげました。この年の日本シリーズは、シリーズ2連覇中の西武が相手。岡林投手は抜群の制球力でシリーズ3完投を果たしますが、防御率が1.50だったにもかかわらず、1勝2敗に終わりました。延長戦が2試合あったため、30イニング430球の熱投には敢闘選手賞が送られたものの、チームは3勝4敗で日本一を逃しました。“平成の鉄腕”と呼ばれ始めたのは、この頃のことです。
93年は、チームがリーグ連覇を達成し、日本シリーズで前年のリベンジを果たすも、岡林投手は7月から2か月間、故障で戦列を離脱。去年の借りを返したいと念じつつも、チャンスが訪れることはありませんでした。94年は11勝で復活をアピールしたものの、それ以降は故障個所を手術。2000年に戦力外通告を受け、引退しています。「右肩へ、もう一度付きあってくれと言ったら涙が溢れてきた」と、会見で無念の気持ちを吐露したのが印象的でした。
【プロ野球 秋山翔吾選手】
個人の記録にも注目が集まった今シーズンのプロ野球。シーズン最多安打記録も更新され、西武ライオンズの秋山選手の活躍が光りました。10月1日、オリックスとの今シーズン最終戦。秋山選手はシーズン215本目のヒットを放ち、プロ野球最多安打記録を更新しました。この試合、第2打席まではいい所がなかった秋山選手。6回の第3打席で打ち取られた当たりは三遊間へ。しかし全力疾走したことで、内野安打となって新記録を達成したのです。続く打席でも胸のすくような3塁打を放ち、最終的に記録を216安打に。「記録に関しては素直に嬉しい」と話しましたが、クライマックスシリーズに出られなければ、偉大な新記録にもあまり意味がないと肩を落としました。結局、216安打で3割5分9厘のアベレージも、秋山選手の結果はソフトバンク柳田悠岐選手に次ぐ2位。今シーズンの首位打者争いは、プロ野球史上に残る超ハイレベルなものだったのです。
【メジャーリーグ イチロー選手】
マイアミ・マーリンズのイチロー選手は、ついに公式マウンドに登場。投手イチローは、オリックス時代の1996年にオールスターで記録して以来。プロの公式戦では初めてのことでした。
プロ24年目、日本時間10月5日、フィリーズとのシーズン最終戦。3回からライトの守備についたイチロー選手は、2-6と4点ビハインドの8回、マウンドにあがりました。これについてジェニングス監督は、本人のアピールであったことを明かしています。打者5人に対して18球。2安打1失点の内容で、最速は143キロ。完璧主義者のイチロー選手にとっては不満の残る結果に違いありませんが、スライダーやチェンジアップなどの変化球も披露し、大いにスタンドを沸かせました。
来週のスポーツ伝説は……
11月16日(月) プロ野球 内海哲也投手
11月17日(火) プロ野球 涌井秀章投手
11月18日(水) プロ野球 山本昌投手
11月19日(木) プロ野球 山下大輔選手
11月20日(金) プロ野球 高橋直樹選手
以上の5選手をご紹介します。