スポーツ伝説

2月20日~24日の放送内容

【五輪野球 長嶋茂雄元監督】
 
 いよいよ3月7日、野球の世界一決定戦、第4回WBC ワールド・ベースボール・クラシックが開幕します。“侍ジャパン”と呼ばれる日本代表は、プロ野球界の一流プレーヤーが勢揃いしたドリームチームです。当初は、アマチュアの選手だけが参加していたオリンピックの野球競技ですが、アテネ大会からはオールプロの編成で臨むことになり、代表監督には、2001年のシーズン終了後に巨人軍監督を勇退した“ミスター”こと長嶋さんが就任しました。
 2003年10月、オリンピック予選を兼ねたアジア野球選手権を長嶋ジャパンは全勝で制し、アテネ行きを確定。しかし本大会を前にした04年4月、長嶋監督は突然、脳梗塞で倒れ入院。中畑清コーチが代行で日本代表の指揮を執りましたが、代表がアテネに出発する際、長嶋監督は各選手への激励の手紙と共に、日の丸の旗をチームに託しました。日の丸の横には、自ら記した「3」の文字。現役時代の背番号と同じその数字には、「離れていても一緒に戦っているぞ」というミスターの思いが込められていたのです。
   

 
【プロ野球 筒香嘉智選手】

 去年、ホームラン44本、110打点の好成績を挙げ、セ・リーグの打撃二冠王を獲得した横浜DeNAベイスターズの筒香選手。今シーズンは、セ・リーグでは31年ぶりの三冠王、19年ぶりのリーグ優勝と、そのバットには大きな期待が寄せられています。しかしその前の大仕事が、WBC日本代表の主砲として、世界一奪還に貢献することです。
 WBCで過去、四番を務めたのは6人。最年少は、2009年の第2回で四番を打った、当時横浜の村田修一選手で28歳。もし今回のWBCで25歳の筒香選手が四番を打てば、最年少記録更新です。侍ジャパンを指揮する小久保裕紀監督は、四番候補として、筒香選手と北海道日本ハムファイターズ・中田翔選手の二人を軸に考えています。しかし、「四番は特別な打順だけど、全員で勝利に向かって戦うことが大事。自分の成績よりも、チームとして勝つことが一番」と、四番へのこだわりよりも世界一に貢献することを第一目標としている筒香選手。少年時代からの憧れの舞台に立つのは、もうすぐです。


          
【プロ野球 坂本勇人選手】
 
 日本球界を代表するスタープレーヤーたちが揃っている侍ジャパンにおいて、攻守両面でチームに欠かせない選手といえば、去年のセ・リーグ首位打者であり、ショート部門でゴールデングラブ賞も受賞した巨人のキャプテン・坂本選手です。プロ10年目の去年は春先から好調を維持し、最終的に3割4分4厘の高打率をマーク。打撃以上に守備力が求められるショートの選手が首位打者に輝くのは、セ・リーグ史上初の快挙でした。
 高卒2年目でショートのポジションを奪ってレギュラーとなって以降、毎年コンスタントに結果を残してきた坂本選手。坂本選手が常に第一線で活躍し続けられる背景には、周りの声に耳を傾け、変化を厭わない柔軟な姿勢があります。前回、2013年のWBCにも出場し、世界一を逃した悔しさを体感している坂本選手。この4年間の成長を証明するためにも、世界一の称号の奪還に意欲を燃やしています。


   
【プロ野球 則本昂大投手】
 
 日本球界の名だたるエース級ピッチャーが名前を連ねた、侍ジャパンの投手陣。その中で、小久保監督から「先発の柱のひとり」と直々に指名されたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスのエース・則本投手です。2013年に楽天に入団して以降、4年連続で2ケタ勝利を挙げている則本投手。2リーグ制以降では史上初となる、1年目から4年連続で開幕投手を務めあげ、2年目の14年からは、3年連続でパ・リーグの最多奪三振のタイトルを獲得。名実ともに日本を代表する投手となりました。
 現在、則本投手が決め球にしている、何パターンもの曲がり方をする“七色のスライダー”は、大学時代に身につけたもの。則本投手がプロの世界で大成することができたのは、このスライダーとストレートがプロ相手でも通用したことももちろんですが、もう一つ、野球エリートへの反骨心が大きな原動力となっているのは間違いありません。いつも闘争心をみなぎらせ、気迫を前面に押し出して打者に向かっていく則本投手のピッチングスタイルは、国際大会で世界の強打者たちを前にしたときこそ、大きな武器になるはずです。
   


【プロ野球 牧田和久投手】

 世界一奪還に向け、「投手を中心とした守りの野球」を標榜する侍ジャパンの小久保監督。それだけに、今回選ばれたのは日本が誇る本格派投手ばかりです。その中の一人が、埼玉西武ライオンズのアンダースロー、牧田投手。牧田投手といえば、地上およそ20㎝という、グラウンドすれすれから繰り出すボールが浮き上がるようにバッターへ向かって行く球筋が持ち味です。日本球界でも“絶滅危惧種”といわれるアンダースローのピッチャーは今や世界でも珍しく、それだけに、初めて対戦する外国の選手たちの反応が楽しみです。。
 4年前の第3回大会でも代表に選ばれた牧田投手は、3試合に登板して1勝1セーブ。防御率0.00という完璧なピッチングを披露しています。そんな牧田投手を特に苦手にしているのが、北海道日本ハムファイターズの二刀流・大谷翔平選手。打者・大谷選手は牧田投手に対して、過去4年間で通算8打数ノーヒット。日本が誇る天才スラッガーを手玉にとる投球スタイルは、海外の強打者たちも攻略に手こずるに違いありません。
   
   
   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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