スポーツ伝説

10月24日~28日の放送内容

【競泳 男子4×200mリレー】
 
 2ヵ月前のリオデジャネイロ オリンピックにおいて、金メダル12個を含む、史上最多41個のメダルを獲得した日本。日本選手団を勢いづけたのは、競技初日に400m個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介選手など、競泳陣のメダルラッシュでした。中でも印象的だったのが、リレーでのメダル獲得。萩野選手・江原騎士選手・小堀勇気選手・松田丈志選手の4人が男子800mリレーに出場し、見事、銅メダルに輝きました。この種目でのメダル獲得は、1964年の東京大会での銅メダル以来、実に52年ぶりの快挙でした。
 競泳のリレー種目では、男子400mメドレーリレーで、アテネ大会から前回のロンドン大会まで、3大会連続でメダルを獲得していた日本。しかし同じリレー種目でも、800mリレーは長らく鬼門となっていました。この種目は、200m自由形を高いレベルで泳げる選手が4人そろう必要があり、選手層の厚さが鍵を握るからです。体格に勝る外国勢に押され、世界との差が大きいとされる自由形。今回、リレーメンバーに選ばれた4人のうち、個人種目で代表に入った萩野選手を除く3人は、所属チームの垣根を越えて強化合宿を繰り返し、タイムの向上とチームワークの強化に取り組みました。それだけに、チーム最年長の松田選手はメダル獲得後、こんな言葉を残しています。「絶対にメダルを取りたいと思った。このメダルをきっかけに、この若い選手たちが日本の自由形を強くしてくれることを願っています」


 
【競泳 平井伯昌コーチ】

 世界水泳・世界短水路選手権と並ぶ世界3大大会・競泳ワールドカップの東京大会が、今週行われました。ロンドン大会で11個だった競泳陣のメダル獲得数は、今回のリオでは7個。数の上では減りましたが、ロンドンではゼロだった金メダルを2個も獲得するなど、競泳日本代表の安定感は、他競技と比較しても目を見張るものがあります。その安定した強さを導いているのが、日本水連の強化委員長も務める、平井日本代表ヘッドコーチです。平井コーチといえば、長らく日本競泳界のエースだった北島康介選手との師弟関係で知られています。北島選手の指導において、平井コーチがいち早く取り入れたのが、競泳界ではそれまで前例のなかった高地トレーニング。周囲からは、水泳には合わない、といった批判を浴びつつも、「最初の常識をうのみにしない」と、高地ではタブーとされていた筋力トレーニングも導入。結果として、北島選手はオリンピック史上初の平泳ぎで2大会連続2冠という偉業を成し遂げ、その挑戦が間違っていなかったことを世界に示したのです。
 今回のオリンピック直前にも、平井コーチは、直接の教え子である萩野選手・星奈津美選手らを中心に高地トレーニングを実施。下山をギリギリまで遅らせて直接リオに入りました。昨年の世界選手権では、レース8日前に下山した星選手が日本女子史上初の金メダルを獲得。そのデータをもとに、今回の萩野選手はレース9日前に下山。計算通り、400m個人メドレーで金メダルを獲得し、星選手もオリンピック2大会連続の銅メダルを獲得したのです。競泳ニッポンを牽引し続ける平井コーチの信念と指導力。4年後の東京大会に向け選手の能力をどう引き出していくのか、その手腕が大いに期待されています。


    
【NBA ステファン・カリー選手】

 世界中からスーパースターが集まる世界最高峰のバスケットボールリーグ NBA。その中で現在、人気・実力共にリーグ屈指の存在が、ゴールデンステート・ウォリアーズのポイントガード、カリー選手です。カリー選手はスリーポイントシュートの名手として知られ、2014-15年シーズンには、自身が持つNBA記録を更新する、286本のスリーポイントシュートを成功させ、新記録を樹立。ウォリアーズ史上最高の67勝と併せ、シーズンMVPに初めて選出されました。加えて、チームも40年ぶりにファイナルを制覇。カリー選手は、レギュラーシーズンMVPとNBA制覇を同一シーズンに成し遂げた、史上3人目のポイントガードとなったのです。
 カリー選手の快進撃は、次の2015-16年シーズンでも続きます。スリーポイント成功数で、異次元ともいえる400本越えを果たし、402本まで記録を更新。自身初の得点王に輝きました。またチームも昨シーズンを上回る、NBA新記録の年間73勝をマーク。その立役者となったカリー選手は、2年連続でシーズンMVPに選出。満票での受賞は史上初の快挙でした。

    

【ラグビー ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ】
 
 去年、ワールドカップで強豪・南アフリカを倒し、世界中を驚かせたラグビー日本代表。3年後に迫った自国開催のワールドカップに向けて、日本代表は新たな動きを見せています。11月5日に秩父宮競技場にアルゼンチン代表を迎えて行うテストマッチ。ここで初めて指揮をとるのが、就任したばかりのジョセフ新ヘッドコーチ(HC)です。
 日本代表の新たな舵取り役としてジョセフHCが指名された理由は3つ。まず、日本が大好きで日本人をよく理解していること。次に、指導者として世界での実績と人脈があること。そして、対話を重視する指導者であることです。就任会見では、流暢な日本語で挨拶をしたジョセフHC。実は現役時代に、福岡県宗像市に本拠地を置くサニックスでプレーしていました。来日前は“オールブラックス”ことニュージーランド代表の選手でしたが、当時の規定では複数の国で代表になることができたため、1999年のワールドカップでは日本代表の一員として、桜のジャージに袖を通して戦ったのです。現役引退後もサニックスのアドバイザーを務め、日本との交流を続けてきたジョセフHC。11月の代表4連戦に注目です。
 
 
  
【ラグビー 大野均選手】

 9月2日に開催されたトップリーグの試合で、ワールドカップでも活躍した選手が金字塔を打ち立てました。“鉄人ロック”と呼ばれる、東芝ブレイブルーパスの大野選手が、トップリーグ史上初の通算150試合出場を達成したのです。大野選手は身長192㎝、体重105kgという体格を武器に、献身的なプレーが求められるロックのポジションで、今も第一線で活躍しています。
 日本代表には、2004年に初選出。テストマッチ出場数は現在、歴代最多の98キャップで、前人未到の代表100キャップに迫っています。そんな大野選手ですが、実はラグビーを始めたのは大学生になってからでした。しかも、大学時代は東北リーグの2部所属で目立った戦績も残せませんでしたが、その日本人離れした体格が目に止まり、社会人ラグビーの名門・東芝に入社。そこから東芝ラグビー部名物のハードなトレーニングで急成長をとげ、チームでのレギュラーを獲得。ついには、代表の常連メンバーとなったのです。ワールドカップには07年大会から、去年の大会まで3大会連続で出場中。41歳で迎えることになる3年後のワールドカップにも出場して欲しい、というファンの期待はますます高まっています。
  

   
来週のスポーツ伝説は……

  10月31日(月) プロ野球 三浦大輔投手
  11月 1日(火) プロ野球 武田勝選手
  11月 2日(水) プロ野球 廣瀬純選手
  11月 3日(木) プロ野球 栗原健太選手
  11月 4日(金) プロ野球 福原忍投手
            
                       お楽しみに!!
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