【プロ野球 宮台康平投手】
10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議。清宮選手ら、上位指名陣の他にもう一人、報道陣が注目していた選手がいました。東京六大学リーグで活躍した、東京大学の左腕エース・宮台投手です。現在は法学部の4年生ですが、3年生だった去年の春季リーグ戦では完封を含む2勝を挙げ、東大生としては33年ぶりとなる大学日本代表に選出されました。日米大学野球にも出場し、自己最速の150キロをマーク。ところが、その直後に左肩を痛めてしまい、3年秋のリーグ戦は、たった1イニングの登板に終わりました。
しかし宮台投手は、そこからトレーニングを重ね復活。4年生の今シーズン、秋のリーグ戦で、慶應義塾大学を相手に2失点完投勝利を挙げたのです。また法政大学戦でも、1回戦で2失点完投を演じ、翌日の2回戦もリリーフ登板。2連勝に貢献し、法政から15年ぶりの勝ち点を挙げました。これでマスコミも再び、宮台投手に注目。本人もプロ志望届を提出し、2004年のドラフトで横浜ベイスターズに指名された松家卓弘投手以来、史上6人目の「東大出身プロ野球選手」が誕生したのです。
【プロ野球 安田尚憲選手】
今年の高校球界を盛り上げた選手といえば、“高校ビッグスリー”。高校通算111本塁打の早稲田実業の清宮幸太郎選手、甲子園大会史上最多となる一大会6本のホームランを放った広島・広陵高校の中村奨成選手。そしてもう一人が、清宮選手・中村選手と共に18歳以下の日本代表でクリーンナップを務めた、大阪・履正社高校の安田選手です。3人とも、先月行われたプロ野球ドラフト会議では高校生ながら複数球団に1位指名され、安田選手は千葉ロッテマリーンズが交渉権を獲得しました。
安田選手の魅力は、パワーと確実性。ホームランの数は高校通算65本。今年の春のセンバツでは、履正社の準優勝に大きく貢献しました。夏の大阪大会では、7試合で19打数12安打、うち3本はホームランという圧倒的な成績を残し、別格の実力を示しました。この大阪大会で履正社は、センバツ優勝校の大阪桐蔭に準決勝で敗れ甲子園出場こそ逃しましたが、18歳以下の日本代表には文句なしで選出。打率3割2分4厘としっかり結果を残し、改めてプロからの評価を高めました。
【プロ野球 山川穂高選手】
今シーズン、7月下旬から8月上旬にかけて破竹の13連勝を記録した埼玉西武ライオンズ。この大型連勝がものをいい2位に躍進しましたが、その原動力になった一人が山川選手です。2013年、富士大学からドラフト2位で西武に入団。プロ入りした時点で体重が100キロを超えており、“おかわり君”中村剛也選手と体型が似ていることから、“おかわり二世”と呼ばれました。しかし入団1・2年目は一軍出場の機会に恵まれず、3年目の昨シーズンは後半戦にようやく出場のチャンスをもらい、49試合で14本のホームランを記録。4年目の今年は、スタメン定着をかけて臨んだ決意のシーズンでした。
開幕こそ出遅れますが、主砲・メヒア選手が不振に陥り、代わりに7月下旬からスタメンで出場。すると連勝で勢いに乗るチームとともに、山川選手のバットも火を噴きます。8月2日の楽天戦で、敵のエース・則本昂大投手から2打席連続のホームランを放ちノックアウト。さらに続く打席でも豪快な一発を放ち、3打席連続アーチでファンに強烈な印象を与えました。そして8月5日のソフトバンク戦では、絶対的守護神デニス・サファテ投手から9回ウラに起死回生の同点タイムリー。勝負強さを買われ、五番に定着します。中村選手が腰の張りで離脱すると、代役として四番に据わり、8月は月間9本のホームランと28打点をマーク。自身初となる月間MVPも受賞し、チームの2位浮上に大きく貢献したのです。その後も勢いは止まらず、9・10月合計で10本のホームランを放ち、月間MVPを2ヵ月連続で受賞。野手では、チーム初の快挙でした。
【メジャーリーグ アーロン・ジャッジ選手】
今季のメジャーリーグで「ホームラン王」のタイトルを獲得したのは、ナショナル・リーグが、マイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントン選手で59本。そしてアメリカン・リーグが、田中将大投手と同じニューヨーク・ヤンキースに所属するジャッジ選手で52本。両リーグ通じて50本以上のホームランを放ったのは、この二人だけでした。中でも、今シーズンのメジャーリーグを盛り上げたのが、25歳のジャッジ選手です。
ジャッジ選手は昨年8月にメジャー昇格を果たしましたが、出場試合数が少なく今シーズンも新人選手扱いでした。新人選手のこれまでのシーズンホームラン記録は、後にメジャー史に残るホームランアーティストと呼ばれた、マーク・マグワイヤ選手の49本。その偉大な記録を塗り替え、新人選手で史上初めて50本の大台に乗せたのです。ジャッジ選手はホームラン以外でも、打点がリーグ2位、打率もシーズン序盤はトップを維持。一時は三冠王も狙える活躍を見せ、ファンを沸かせました。今シーズンは開幕からレギュラーに定着し、4月から6月まで3ヵ月連続で月間最優秀新人賞を受賞。オールスターゲームのホームランダービーでは、新人選手では初の単独優勝を飾りました。
【陸上 大迫傑選手】
今年4月に行われた、ボストンマラソン。このレースで、初マラソンながら好成績を残し注目されたのが大迫選手です。早稲田大学出身で大学時代は箱根駅伝で活躍し、昨年は日本選手権で5000m、10000mの2冠を達成。この2種目でリオ オリンピックにも出場しました。マラソンには今年から本格的に参加。2時間10分28秒のタイムで、いきなり3位に入賞したのです。ボストンマラソンで日本人選手が表彰台に立つのは、1987年の瀬古利彦選手以来、実に30年ぶりの快挙でした。
初マラソンでこれだけの結果を残せば、当然マラソン転向の声も出て来ますが、 並行してトラック競技も続けている大迫選手。今年6月の日本陸上選手権にも10000mで出場し、並み居るライバルたちを押しのけ大会2連覇を達成しました。大迫選手がこの異例の“二刀流”に挑戦しているのは、マラソンの高速化に対応するため。マラソンに行くなら、ある程度スピードを極めてからでないと世界では勝てないと分かっていたからです。3年後の東京オリンピックでも、10000mとマラソンの“二刀流”を披露する可能性があるかもしれません。
来週のスポーツ伝説は……
12月4日(月) プロ野球 ケーシー・マギー選手
12月5日(火) プロ野球 マルコス・マテオ投手/ラファエル・ドリス投手
12月6日(水) プロ野球 ゼラス・ウィーラー選手
12月7日(木) プロ野球 ジョー・ウィーランド投手
12月8日(金) プロ野球 アルフレド・デスパイネ選手
お楽しみに!!