スポーツ伝説

5月8日~12日の放送内容

【プロ野球 秋山幸二選手】

 1980年代中盤から90年代前半にかけ、パ・リーグで黄金時代を築きあげた西武ライオンズ。その常勝軍団でクリーンアップを務めた選手といえば、2014年に野球殿堂入りを果たした秋山選手です。日本人野手のメジャーリーガーがまだいなかった時代に「もっともメジャーに近い男」と言われた秋山選手。94年に福岡ダイエーホークスに移籍してからも、Bクラスが定位置だったチームをAクラスへと押し上げ、99年には悲願の日本一に導くなど、常に結果を出し続けました。
 秋山選手のプロ生活22年の成績を月ごとに見てみると、ヒット・ホームラン・打点・盗塁数のすべてにおいて、5月に記録した数字がもっとも良く、いつしか秋山選手は“ミスター・メイ”と呼ばれるようになりました。通算3回の月間MVPを受賞したうち、2回が5月。まさに“ミスター・メイ”の証しです。
 


【プロ野球 沢村栄治投手】

 今年、生誕100周年を迎え、さまざまな記念事業が行われている野球界の伝説のピッチャー・沢村投手。プロ野球黎明期に、快速球を武器に活躍。日本のプロ野球で初めて背番号が永久欠番となった選手でもあります。1917年2月1日、今の三重県伊勢市で生まれた沢村投手。それから100年後の今年3月、生誕の地・伊勢市で行われたオープン戦の巨人 対 日本ハム戦は、「沢村栄治生誕100周年 記念試合」と銘打たれ、出場した巨人の選手たちは全員、沢村投手がつけていた背番号14のユニフォームで試合を行いました。
 沢村投手といえば、日本にプロ野球が誕生した1936年秋のシーズンに13勝を挙げた、初代最多勝投手。この年9月に行われた大阪戦では、史上初となるノーヒット・ノーランを達成。翌37年春のシーズンには最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、初代MVPにも選ばれています。栄光の道を歩んでいた沢村投手でしたが、怪我の影響もあって実働期間はわずか5年。44年に27歳の若さで太平洋戦争で命を落としました。47年、巨人軍は沢村投手の功績をたたえるため、背番号14を日本球界初となる永久欠番に指定すると共に、プロ野球界で最も優れたピッチャーに贈られる賞として、沢村賞を創設。沢村賞は2リーグ分裂後しばらくはセ・リーグのピッチャーだけが対象でしたが、現在はセ・パ両リーグのピッチャーの中から、毎年一人が選ばれています。
 
   

【プロ野球 岩村明憲選手】
 
 今年4月10日、かつてヤクルトの主砲として活躍し、現在は独立リーグ・BCリーグの福島ホープスで兼任監督を務める岩村選手が、今シーズン限りでの現役引退を表明しました。日本球界だけでなくメジャーリーグでもプレー。2006・09年のWBCワールド・ベースボール・クラシックでは日本の連覇に貢献するなど、世界を舞台に活躍した岩村選手。アメリカでのプレーや、2度のWBC制覇と共に引退会見で思い出の試合として挙げたのが、「母が亡くなった日の試合」でした。
 ヤクルト時代の05年8月26日、未明に岩村選手の母・美千代さんが他界。しかし岩村選手は、生前の母の「元気だったら試合に出なさい」との言葉を思い出し、喪章をつけて試合に臨みました。結果は、4打数3安打。しかも、2打席連続ホームランを放つ大活躍。岩村選手は引退会見で、この2本について「天国から、母が打たせてくれたホームランです」と語りました。秋まで続くシーズンの中で、岩村選手は天国のお母さんに向けて、最後の最後までどんなプレーを見せてくれるのか。現役生活を締めくくる、最後のシーズンに注目です。



【大相撲 貴景勝光信関】

 3月の大相撲春場所で、幕内2場所目ながら11勝4敗の好成績を挙げ、初の三賞となる敢闘賞を受賞した貴景勝関。幼い頃からプロ志望で、名門・埼玉栄高校3年生の時「一刻も早く大相撲入りしたい」と、高校に在籍したまま、9月に貴乃花部屋に入門しました。シコ名は、本名の「佐藤」のまま土俵に上がり、順調に出世。去年の春場所で幕下優勝し、19歳の若さで十両に昇進しましたが、ここでプロの壁に突き当たります。
 関取になって初めて迎えた去年の夏場所。初日から無傷の8連勝で勝ち越し、終盤まで優勝争いのトップに立ちながら、14日目に千代の国関との2敗同士の対決に敗れ、結局、優勝を逃してしまいました。続く名古屋場所では6勝9敗と負け越し。しかし秋場所では10勝を挙げて立ち直り、九州場所は12勝3敗で十両優勝。今年の初場所で待望の新入幕を果たし、シコ名を貴景勝と改めました。「貴」は師匠・貴乃花親方から、「景勝」は、戦国武将・上杉景勝から。 このシコ名には、貴乃花親方のこんな思いが込められているといいます。「私の好きな上杉謙信公の後を継いだのが、景勝。日本の心意気や誇りの精神を抱いて、土俵に上がってほしい」。師匠の想いを胸に、大和魂を継承した20歳の若きサムライが、今場所も躍動します。



【大相撲 栃煌山雄一郎関】

 3月の大相撲春場所11日目。千代の国関を倒して10勝1敗と、11戦全勝の横綱・稀勢の里関をぴったり追走した栃煌山関。3月に30歳の誕生日を迎えた栃煌山関は、稀勢の里関と同じ学年で同い年。この世代には他にも、大関・豪栄道関、勢関など実力者が多い黄金世代で、かつては栃煌山関も、初場所から10場所で十両に昇進するというスピード出世を記録しています。
 2007年3月の春場所。十両をわずか3場所で通過し、新入幕を果たした栃煌山関は、6日目から7連勝。10勝2敗でいきなり優勝争いに絡む大活躍を見せました。残念ながらそこから連敗して、新入幕・初優勝の快挙はなりませんでしたが、11勝4敗で敢闘賞を獲得。その後、関脇まで昇進しましたが、大関昇進は稀勢の里関に先を越されてしまいました。先場所は途中まで久々に稀勢の里関と優勝を争ったことで、闘志に火がついたであろう栃煌山関。そのシコ名の通り、再び煌めく今場所とできるかどうか、注目です。
  

   
来週のスポーツ伝説は……

  5月15日(月) バスケットボール 八村塁選手
  5月16日(火) 競   泳 大橋悠依選手
  5月17日(水) プロ野球  茂木栄五郎選手
  5月18日(木) プロ野球  京田陽太選手
  5月19日(金) サッカー  久保建英選手
            
                       お楽しみに!!
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