スポーツ伝説

3月5日~9日の放送内容

【チェアスキー 大日方邦子選手】

 いよいよ開幕した平昌パラリンピック。今回、日本選手団の団長を務める大日方さんは、現役時代にチェアスキーで滑るアルペンスキーで活躍した、日本障害者スキーのパイオニアです。冬季パラリンピックには、94年のリレハンメル大会から2010年のバンクーバー大会まで、5大会連続で出場して合計10個のメダルを獲得。そんなメダリスト経験者が団長を務めるのも、女性のパラリンピック経験者が団長に就任するのも、日本では初めてのことです。
 レジェンド・大日方選手の偉業の中でも特に輝かしいのが、98年の長野大会と、2006年のトリノ大会で獲得した2つの金メダルです。長野大会で金メダルを獲得した種目はダウンヒル。実はこの種目は日本では競技環境が整っておらず、大日方さんが初めてちゃんと滑ったのは、94年のリレハンメル大会で現地の会場に着いてからでした。にもかかわらず、ぶっつけ本番で完走して5位入賞。それから4年。ほとんど練習ができていない状況は変わりありませんでしたが、わずか0.98秒差で2位の選手をかわし、見事に金メダルを獲得。冬季パラリンピックにおける、日本人初の金メダリストになったのです。
   

 
【チェアスキー 村岡桃佳選手】

 障害者スポーツ最大の祭典・平昌パラリンピックの開会式で日本選手団の旗手を務めるのが、女子アルペンスキーに出場するチェアスキーヤーの村岡選手・21歳です。
 村岡選手は4年前のソチパラリンピックにも、日本選手団最年少の17歳で出場。チェアスキーを巧みに操り、女子大回転で5位入賞を果たしました。その後、ワールドカップでの優勝や表彰台など着実に力をつけ、今回はメダル候補の一人として大舞台に臨みます。
      

   
【チェアスキー 森井大輝選手】

 足に障がいを持つ選手が、スキー板の付いた座席に座って滑り降りていくチェアスキー。森井選手は、今回の平昌で5大会連続パラリンピック出場となる日本を代表するチェアスキーヤーです。
 トリノ大会では大回転で銀メダル。バンクーバー大会では滑降で銀メダルと、スーパー大回転で銅メダル。ソチ大会ではスーパー大回転で銀メダルと、過去に4個のメダルを獲得している森井選手。2016-17シーズンはワールドカップ総合連覇の快挙も達成し、唯一獲っていない金メダルを目指して、万全の態勢で5度目の大舞台・平昌に挑みます。


  
【大相撲  栃ノ心剛史関】
 
 今年の大相撲初場所、平幕ながら14勝1敗の圧倒的な成績を挙げ初優勝。2横綱が休場した場所を大いに盛り上げたのが、ジョージア出身の栃ノ心関です。少年時代は柔道と、ヨーロッパ王者にもなったサンボを経験。相撲は同じジョージア生まれの黒海関の活躍で知り、2006年に18歳で来日して春日野部屋に入門。大柄な体と持ち前の怪力を武器に出世を重ね、2年後の08年夏場所で早くも新入幕を果たします。
 しかし13年の名古屋場所で右膝前十字じん帯と内側副じん帯を断裂する大ケガを負い、4場所連続で休場を余儀なくされました。その間に番付は幕下まで急降下。自慢の筋肉は落ち、リハビリも思うように進まず、相撲をやめてジョージアに帰ろうかと何度も思ったといいます。そんな栃ノ心関を諭し、叱咤激励を続けたのが親方でした。親方の言葉で、もう1回頑張ろうと奮起した栃ノ心関。春場所も優勝争いに絡めば、大関昇進への道も開けてきます。

   

【大相撲  阿炎政虎関】
 
 今年の初場所で、取組が終わるごとに記者たちからコメントを求められていた阿炎関。その理由は、「ビッグマウス」にありました。昨年暮れに新入幕を果たした番付発表の時、報道陣に目標を聞かれた阿炎関は、「三賞を総ナメにしたい」と発言。同席した師匠から「この番付でどうやって横綱と当たるんだ?」と指摘されると、殊勲賞を除いた「二つでお願いします」とすぐに目標を下方修正。そんなお茶目なところも人気の秘密です。
 阿炎というシコ名は、師匠の綴山親方(元関脇・寺尾関)の子どもの頃からのアダ名“アビ”に由来していますが、「阿修羅のように強く、燃えて戦え」という師匠の願いも込められています。得意は、師匠譲りの「突き押し」ですが、インタビューでも常に前向きで、記者を喜ばせる面白いコメントを連発。そして千秋楽までビッグマウスを続けた結果、新入幕でいきなり10勝を挙げ、本当に敢闘賞を受賞した阿炎関。今場所もそのコメントに注目です。


   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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