スポーツ伝説

1月23日~27日の放送内容

【プロ野球 背番号15列伝】
 
 昨シーズン、セ・リーグを25年ぶりに制した広島カープ。その立役者のひとりでありながら、日本シリーズを最後に現役を引退したのが、背番号15の黒田博樹投手です。最後の登板は、札幌ドームで行われた日本シリーズ第3戦。日本一こそ日本ハムに奪われましたが、黒田投手の背番号15は、山本浩二選手の8番、衣笠祥雄選手の3番に続き、球団3つめの永久欠番に指定されました。
 背番号15を永久欠番にしたもう一人の選手が、戦前・戦後に中日で活躍し、“元祖ミスタードラゴンズ”と呼ばれた西沢道夫選手です。西沢選手はまずピッチャーとしてプロ入りし、初登板はなんと16歳と4日。これは、今後もまず破られないだろう、史上最年少出場記録です。1940年には、シーズン20勝を達成。42年にはプロ野球史上最長の延長28回を一人で投げ抜き、2カ月後にはノーヒット・ノーランを達成するという鉄腕ぶりを発揮しました。しかし戦争中に右ヒジを痛めてしまい、戦後はバッターに転向。投手として20勝、打者として40本塁打以上は、プロ野球史上西沢選手だけです。
 ソフトバンクの背番号15も半永久欠番扱いになっています。ホークス球団で最後に15番をつけたのは、藤井将雄投手。99年、当時のパ・リーグ最多ホールド記録となる26ホールドを記録。“炎の中継ぎ”と呼ばれ、チームの日本一に貢献しましたが、日本シリーズ直後に肺がんが見つかり、翌年に現役のまま31歳の若さでこの世を去りました。福岡ヤフオクドームの一塁側ロッカーには「藤井コーナー」があり、藤井投手の背番号15にちなんで、球場の15番通路は「藤井ゲート」と名づけられています。
  
 

【プロ野球 背番号11列伝】

 今の日本のプロ野球で、背番号11と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、日本ハムの大谷翔平選手。昨シーズンはチームの日本一に貢献し、シーズンMVPを獲得。さらにベストナインでは、史上初となる投手と指名打者の2部門で同時受賞という快挙まで成し遂げました。
 そんな大谷選手との対決が期待されているのが、楽天にFA移籍した岸孝之投手です。昨シーズンまでは西武で背番号11を背負い、エースとして活躍。2014年には、ノーヒット・ノーランを達成しました。楽天ではもともと、背番号11は塩見貴洋投手でしたが、背番号の変更を快諾。それだけに、責任も重大です。
 昨シーズン、背番号3ケタの育成選手から支配下登録選手に戻って背番号11を取り戻し、5年ぶりに勝利をおさめたのは、ヤクルトの由規投手。日本人投手で最初に160キロ以上を投げた投手でもあり、その豪腕復活に期待がかかります。
 実はこれまで、11番はたくさんのエースを輩出してきました。阪神タイガースのエースとして活躍し、戦後唯一のシーズン防御率0点台、史上最多タイの3度の沢村賞に輝いた“二代目ミスター・タイガース”村山実投手。同じく背番号11で沢村賞を3度受賞、昨年には野球殿堂入りも果たした巨人の斉藤雅樹投手。また通算310勝を挙げ殿堂入りしている別所毅彦投手も、巨人で背番号11をつけていました。近年、背番号11の投手は、メジャーリーグに移籍するケースが多いという傾向があります。早ければ今年のオフにもメジャー移籍がささやかれている大谷投手も、この流れに乗るのかどうか。大いに注目です。

   
       
【バレーボール 中田久美監督】

 かつて“日本のお家芸”といわれた女子バレーボール。2012年のロンドンオリンピックでは28年ぶりとなる銅メダルを獲得しましたが、去年のリオ オリンピックでは5位。そんな女子バレー日本代表を改革すべく、代表監督に就任したのが中田さんです。中田監督は1980年、史上最年少の15歳1ヶ月で全日本入り。初めて出場した84年のロサンゼルスオリンピックでは、日本の銅メダルに貢献。以降、88年のソウル大会、92年バルセロナ大会にも出場。日本女子バレー史上初となるオリンピック3回連続出場を果たし、日本選手団の旗手を務めるなど、全日本女子の顔として活躍し続けました。
 現役時代は、その日の選手ひとりひとりの状態まで把握し、100種類ものサインプレーを使い分けていたという中田選手。“天才セッター”と呼ばれた所以です。現役引退後には指導力を高めるため、イタリア・セリエA 1部リーグのコーチに就任。日本女子バレー史上初めて、指導者としての海外進出を果たすと、2012年、Vプレミアリーグ・久光製薬スプリングスの監督に就任。初年度から国内の主要タイトルを総なめし、女子チームとして史上初となる国内三冠を達成。全日本メンバーも数多く輩出しました。このまま20年の東京オリンピックで指揮を執れば、女子日本代表では史上初の女性監督。これまで様々な「史上初」を成し遂げてきた中田監督に期待が集まります。
 
 
    
【プロ野球 辻発彦監督】
 
 1980年代から90年代にかけて黄金時代を築き、パ・リーグを牽引し続けた埼玉西武ライオンズ。しかし2008年以降は優勝から遠ざかり、ここ3シーズン連続Bクラスと低迷が続いています。そんな西武を立て直すべく白羽の矢が立ったのが、今シーズンから指揮を執ることになった辻新監督です。
 現役時代は西武の不動のセカンドとして活躍。ゴールデングラブ賞8回と、リーグを代表する堅守で鳴らした選手でした。西武時代は広岡達朗監督・森祇晶監督、ヤクルトに移籍してからは野村克也監督の指導を仰ぎ、現役引退後は中日の二軍監督やコーチとして落合博満監督を支えるなど、球史を代表する名将たちのもとで学んだ辻新監督。「球際に強いチーム」を目指し、準備は着々と進んでいます。
  
 

  
【プロ野球 森繁和監督】

 2010年・11年と、球団史上初のセ・リーグ連覇を成し遂げながら、13年から4年連続でBクラスが続いている中日ドラゴンズ。今シーズンからチームの立て直しを任されたのが、去年、一軍ヘッドコーチを務めた森新監督です。
 現役時代は、西武ライオンズで10年間プレー。1988年に引退後、翌89年から西武の投手コーチに就任すると、以後ほぼ途切れることなく日本ハム・横浜・中日でコーチ生活を続け、特に中日では落合監督の名参謀として、4度のリーグ優勝と、07年の53年ぶりの日本一にも貢献しました。去年はシーズン途中で休養した谷繁監督に代わって監督代行を務めましたが、30年近い指導者人生において、正式な形で監督に就任するのは今回が初めて。一見強面ですが、人の心が分かり、誰とでも分け隔てなく接すると選手たちにも慕われている森監督。掲げたチームスローガンは「原点回帰」。原点に返ってどんな野球を見せてくれるのか、楽しみです。


   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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