スポーツ伝説

7月27日~31日の放送内容

【プロ野球  畠山和洋選手】

 交流戦以降、大混戦ムードのセ・リーグで、真中監督は7月からの大攻勢を掲げました。そんな中、畠山選手は今シーズン、ホームランを量産。交流戦だけでも9本。統一球が導入されてからホームランは減少しており、昨シーズン20本以上を記録した日本人選手は、ヤクルトの山田選手と雄平選手、横浜DeNAの筒香選手、巨人の村田選手の4人だけ。畠山選手が初めて2ケタ本塁打をマークしたのは、プロ10年目。規定打席をクリアした上で打率3割をマークしたのも、14年目の昨シーズンでした。
 未完の大器。しかし畠山選手の場合は、1時間の練習を10分に。集合時間にはいつも遅刻。「メンタルトレーニングはパチンコでできる」と豪語していたというチームでも伝説の存在。変化が訪れたのは昨シーズンでした。杉村チーフ打撃コーチが、「とにかくバットを振れ!」と厳命。その結果が打率3割でした。しかし、重責を背負うと気合が空回りしてしまう面もあり、真中監督は3番や5番などに配置転換する配慮も見せています。昨年まで6年連続で、セ・リーグのホームラン王は外国人選手。畠山選手は今シーズン、球団初となる日本人野手のホームラン王を狙います。



【プロ野球  松永浩美選手】
 
 1993年オフに、阪神タイガースから日本球界で初めてFA権を行使してダイエーに移籍した、FA権行使第1号の松永選手。阪急時代の1982年には、左右両打席での2打席連続ホームランを記録。1975年に広島のシェーン選手が放って以来、1試合両打席の本塁打は5度あったものの、全てが外国人選手。日本人選手が記録したのは初めてでした。この時、松永選手は21歳。新しいスタイルのスター選手が誕生した瞬間でした。
 93年には、オリックスから阪神にトレード。優勝の使者として大歓迎され、期待は日に日に高くなりました。前半戦こそ故障でいまひとつでしたが、8月22日のヤクルト3連戦最後のカードでは、3試合連続の先頭打者ホームラン。実は、3試合連続というのは史上初。メジャーリーグですら例がない、世界初の記録でした。しかしこの年のオフには、ダイエーへのFAを決断。阪神ファンから大きなため息が漏れたのは言うまでもありません。
 

 
【女子サッカー 佐々木則夫監督】

 なでしこジャパンが、再び日本中を沸かせました。W杯開幕前は1次リーグ突破すら危惧する声があったものの、始まってみれば、毎回ヒロインが誕生する試合展開。佐々木監督は、試合を重ねるごとに一体感が生まれる名采配で試合を演出しました。
 2006年から女子代表チームのコーチを務め、翌年、監督に就任。以来、世界的に見ても異例の長期政権が続いています。長持ちの秘訣は、独自の指導法。チームは和気あいあいで、監督ではなく「ノリさん」と呼ばせています。腰の低さ、言葉遣いなど、佐々木流は気配りの塊。誰にでも平等に、ソフトに接する。これこそが、選手たちから長年信頼されている理由です。
 


【女子サッカー 山根恵里菜選手】

 現在のサッカーは、ゴールキーパーの役割分担が大幅に増えたことも特徴の一つ。カナダで開催された女子ワールドカップでも、日本代表なでしこジャパンはゴールキーパーを固定できなかったことが今後の課題となりました。そんな中期待されているのが、山根選手。身長187㎝で、男子の日本代表正ゴールキーパー・川島選手よりも大きいという、この恵まれた体格の守護神が定着すれば、今後10年は安泰と言われています。
 日本サッカー協会が昨年まで行った、全国からゴールキーパー候補を募るプロジェクト「スーパー少女プロジェクト」の1期生。条件は、背が高いこと。サッカーの経験はなくてもOKという徹底ぶり。このプロジェクトに中学2年で参加した山根選手は、2006年JFAアカデミー福島の1期生、各年代の日本代表へ選出されるエリートに。高校卒業後は東京電力に入社し、女子サッカー部の一員となりました。しかし11年、東日本大震災でチームは活動停止。自身もヘルニアによる腰痛や疲労骨折を患い、一時は引退を考えました。しかしボランティアで入った被災地で、被災者から思いがけない応援を。この体験が、山根選手に現役続行を決意させたのです。
 


【女子サッカー 宮間あや選手】

 なでしこジャパンのキャプテン・宮間選手は、世界を代表するスーパープレーヤー。女子ワールドカップカナダ大会の準々決勝、オーストラリア戦。キックオフ直前に、選手が円陣を組みました。宮間選手はここで「勝てる!」を連発。川澄奈穂美選手などは、この言葉で「迷いがなくなった。とにかく、勝てるとしか思わず試合を戦うことができました」と振り返っています。4年前のドイツ大会後、澤穂希選手からキャプテンを受け継ぎました。しかし今回のワールドカップでは、直前までチームの成績が上がらず、グループリーグ敗退危機もささやかれる始末。宮間選手の言った「国際大会で負けることは、もう怖くない」という一言が、チームをガラッと変えたそうです。「日本中をなでしこ一色にしたい」「応援を文化にしたい」……宮間選手の言葉は、これからも選手たちを、日本の女子サッカー界を動かし続けます。
 
 
 

来週のスポーツ伝説は……

 8月3日(月) プ ロ 野 球  山内新一投手
 8月4日(火) プ ロ 野 球  デーブ・ヒルトン選手
 8月5日(水) サ ッ カ ー  ヨハン・クライフ監督 
 8月6日(木) サ ッ カ ー  サー・ボビー・チャールトン選手
 8月7日(金) 女子サッカー 宇津木瑠美選手

                       以上の5名をご紹介します。
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