【女子マラソン 前田穂南選手】
昨年9月に東京で行われた、MGCマラソングランドチャンピオンシップ。男女上位2名が東京オリンピック代表に内定するこの大会で、女子の優勝は前田選手でした。2015に実業団の天満屋に入社すると、才能が開花。17年からマラソンに挑戦し、8月には2度目のフルマラソンとなった北海道マラソンで早くも優勝。MGCへの出場権を獲得しました。
初優勝から5か月後の18年1月には、大阪国際女子マラソンに出場。自己ベストを一気に5分も縮めて、2位でゴールインします。迎えた昨年9月のMGCでは15キロ過ぎから一気に仕掛け、マラソン解説者の増田明美さんが“ど根性フラミンゴ”と名付けた長い足を使ってスパート。2時間25分15秒でゴールし、陸上競技の女子選手としては第1号となる東京オリンピック代表内定を決めました。
【女子マラソン 鈴木亜由子選手】
昨年9月に行われたMGCで2位に入り、マラソン2戦目にして東京オリンピック代表の座をつかんだ鈴木選手。愛知県の公立進学校から国立の名古屋大学に現役で合格。陸上の名門ではない学校で自分自身で練習メニューを考え、結果を出してきた異色のランナーです。卒業後は、女子陸上部を創部したばかりの日本郵政グループに1期生として入社。日本長距離界のエースへと駆け上がっていきました。
初マラソンは2018年8月の北海道マラソンで、2時間28分32秒のタイムを出していきなり優勝を果たします。続く2戦目のマラソンは、2位以内に入れば東京オリンピック出場が内定する昨年9月のMGC。15キロ過ぎから前田穂南選手に独走を許しましたが、3位の小原怜選手の追撃を振り切り、3位とわずか4秒差の2位でゴールイン。マラソン2戦目で、みごと代表の座をつかみ取りました。
【女子競歩 岡田久美子選手】
今、日本の競歩界は世界屈指の高いレベルを誇っています。2019年の陸上世界選手権では、日本が獲得した3つのメダルのうち2つが男子競歩で、どちらも金メダルという快挙を成し遂げました。そんな男子競歩に続けと、女子競歩でもメダルを目指す選手がいます。女子20キロ競歩の日本記録保持者・岡田選手です。
岡田選手は2015年の日本選手権で初優勝すると、国内で無類の強さを発揮し、今年2月の日本選手権で大会6連覇を達成。この優勝でオリンピック代表内定をつかみとりました。昨年の世界選手権では6位入賞。メダルも射程圏に捉えています。この先、岡田選手がオリンピックでメダルを獲れば、日本の女子競歩界では初めての快挙です。
【女子クライミング 野口啓代選手】
野口選手は、東京オリンピックの新競技・スポーツクライミングで長年、世界の頂点に挑み続けてきました。小学校5年生でスポーツクライミング出会い、小学校を卒業した直後に出場した全日本ユース選手権では、年上の中学生・高校生を押しのけて優勝。高校に入学した時には、すでに世界レベルの実力に成長していた野口選手。2005年に高校1年生で初めて世界選手権に出場すると、08年のボルダリング・ワールドカップで日本人女子選手として初優勝。翌09年には初の年間総合優勝を果たしました。
10年・14年・15年にも年間総合優勝を果たし、通算4度の年間女王に輝くなど、世界のトップクライマーとして活躍を続けてきた野口選手。「競技人生を東京オリンピックで終える」と胸に決め、世界の壁に挑み続けています。
【男子クライミング 楢崎智亜選手】
東京オリンピックから採用される新競技・スポーツクライミングは、高さ15mの壁をふたりの選手が同時に登って速さを競う「スピード」と、4mの壁を制限時間内にいくつ登れるかを競う「ボルダリング」、制限時間内に高さ15m以上の壁のどの地点まで登れるかを競う「リード」の3種目の総合成績で争います。この競技で、海外選手から“ニンジャ”と呼ばれる日本のエースが、楢崎選手です。
小さな頃から器械体操で体を鍛えていた楢崎選手が、スポーツクライミングに出会ったのは10歳の時。高校卒業とともにプロの道へ進みましたが、まだ当時はプロのクライマーは少なく、周囲の反対を押し切り、クライミング一本で生きていく決意をしました。それから2年後の2016年には、ボルダリング世界選手権でみごと日本人初優勝。ワールドカップの年間王者にも輝くなど、1年で2度も世界一を達成。一躍、東京オリンピックのメダル候補に名乗りを上げました。これからもその勢いのままに、表彰台の一番高い頂へと駆け上がります。
来週もお楽しみに!!