スポーツ伝説

7月3日~7日の放送内容

【テニス ピート・サンプラス選手】

 1877年に始まった世界最古のテニストーナメント、ウィンブルドン選手権。ウェアはもちろん、リストバンド・帽子・ソックス・シューズに至るまで、白を着用することが義務付けられているのが特徴のひとつで、試合中だけでなく、練習の場でもこの規則が適用されるほど伝統と格式を重んじる大会です。
 ウィンブルドンにおける男子シングルスの最多優勝回数は7回。古くは、大会創設当初に活躍したウィリアム・レンショー選手。現行のトーナメント方式が採用されて以降、この回数に初めて並んだのは、アメリカのピート・サンプラス選手です。サンプラス選手は“史上最高のオールラウンドプレイヤー”と呼ばれ、4大大会の通算優勝回数は、当時歴代1位の14回。中でもサンプラス選手が得意にしたのが、4大大会で唯一、芝のコートで行われるウィンブルドン。そのため、“芝の絶対王者”という異名で呼ばれることもありました。サンプラス選手がはじめてウィンブルドンを制したのは、1993年。これ以降、95年まで3連覇。97年から2000年までにも4連覇を達成。優勝7回は、なんと8年の間に成し遂げられた偉業でした。
   
 
   
【テニス マルチナ・ナブラチロワ選手】

 ツアー通算で、シングルス167勝。ダブルス優勝は177勝。合計でツアー通算344勝を誇った、チェコスロバキア出身のナブラチロワ選手。男子顔負けのパワーテニスで女子テニス界を席巻し、テニスの4大大会でシングルス18勝。4大大会すべてを制する「生涯グランドスラム」を達成しただけでなく、ダブルスでも通算31勝。混合ダブルスで10勝を挙げ、史上3人目となる、3つのカテゴリー全てでグランドスラムを制覇する「ボックス・セット」の偉業も達成。まさにテニス界が誇るレジェンドです。
 中でも、ナブラチロワ選手が強さを発揮した舞台がウィンブルドンでした。はじめてのグランドスラム制覇も、1978年のウィンブルドン選手権。以降、82年からの6連覇を含め、シングルス優勝回数は計9回。これは、男女を通じてウィンブルドンでの史上最多優勝記録です。さらに、ダブルスで優勝7回、混合ダブルスでも優勝4回。トータルで20回もの優勝を重ねました。

   

【卓球 早田ひな選手】
 
 ちょうど1カ月前に行われ、日本勢のメダルラッシュで沸いた卓球世界選手権。女子ダブルスでも、16年ぶりとなる銅メダルを獲得しました。「脅威の16歳コンビ」「女子高生ペア」として話題を集めたのが、伊藤美誠選手と早田選手の“みま・ひな”ペアです。早田選手は、平野美宇選手・伊藤選手と同じ2000年生まれで、3人は東京オリンピックが行われる20年にちょうど20歳を迎える“女子卓球・黄金世代トリオ”です。
 同い年の3選手は、幼い頃からライバルとして常に比較され続けてきました。中学1・2年の時は、早田選手が全国中学校大会のシングルスを連覇しましたが、高校生になった去年は、伊藤選手がオリンピックで活躍。平野選手も史上最年少でワールドカップ優勝を果たし、早田選手はライバルたちに大きく水をあけられた格好になりました。でも身長150㎝台の平野選手・伊藤選手に対して、早田選手は現在166㎝。手足も長く、卓球台からやや離れたポジショニングで繰り出すパワードライブが大きな武器です。20年まであと3年。ライバル二人に負けない、さらなる飛躍が期待されます。

   
    
【大相撲 阿武咲奎也関】

 今年5月の夏場所で新入幕を果たした、阿武松部屋所属の阿武咲関。この四股名には、「土俵上で大輪の花が咲くように」という意味が込められています。鋭い出足からの突き・押しを武器に、新入幕でいきなり10勝を挙げ、敢闘賞を受賞。周囲はこのままスピード出世を続けると思っていましたが、そこからなぜか足踏み。まさかの幕下陥落まで経験し、新十両から新入幕まで、2年と2場所もかかってしまいました。
 しかし、元々実力は折り紙付き。力士たちの中でも評価は高く、新大関・高安関も、普段から阿武咲関をかわいがっている一人です。阿武咲関の強さの秘密は、体重のわりに動きが速く、バネがあること。敏しょうな動きで繰り出す突き・押し相撲で、今場所はさらに番付上位を狙います。

   

【大相撲 髙安晃関】

 夏場所後の5月31日、大関に昇進した髙安関。この四股名は実は本名で、大関に昇進しても四股名を本名のままで通したのは、輪島関・北尾関・出島関に次いで、史上4人目です。入門当時の師匠だった先代の鳴戸親方は、関取になったら新しい四股名をと考えていましたが、そこをあえて「本名のままで」と希望したのは、髙安関の父親・栄二さんでした。この四股名には、通称“ハシゴ髙”と呼ばれる「髙」の字の通り、「ハシゴを一段一段、登っていけばいい」という父の願いが込められているのです。
 27歳の新大関。初土俵から73場所目での昇進は史上9位のスロー記録ですが、兄弟子の稀勢の里関が30歳で横綱に昇進したように、地道に一歩一歩、ハシゴを登っていった髙安関。次に目指すは、綱取りです。

   
   
来週のスポーツ伝説は……

  7月10日(月) M L B イチロー選手
  7月11日(火) M L B 野茂英雄投手
  7月12日(水) プロ野球 山内一弘選手
  7月13日(木) プロ野球 掛布雅之選手
  7月14日(金) プロ野球 オールスターゲーム
            
                       お楽しみに!!
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