【レスリング 土性沙羅選手】
オリンピックのたびに、数多くのメダルを日本にもたらしてくれる女子レスリング日本代表。2020年の東京オリンピックでも、複数の階級で金メダル獲得が期待されています。その一人が、リオ オリンピック女子69キロ級金メダリスト・土性選手です。自慢の武器は、吉田沙保里選手と同じ高速タックル。吉田選手の父親で指導者の栄勝コーチから授けられました。オリンピックでの決勝戦では、試合時間残り30秒までリードを許しながら、最後の最後で大逆転勝利を収めた土性選手。日本女子重量級で初の金メダルは、まさに高速タックルがもたらしたものでした。
全日本選手権では現在、6連覇中という安定した強さを見せている土性選手。今回の世界選手権はオリンピック金メダリストとして臨みますが、実は過去3回出場した世界選手権では、一度も金メダルを獲っていません。今大会で、4度目の正直を狙います。
【レスリング 川井梨紗子選手】
2020年の東京オリンピックに向けて世代交代が進む女子レスリングにおいて、日本の新たなエースとして期待されているのが、リオ オリンピック女子63キロ級金メダリストの川井選手です。高校3年生の時、初めて出場した世界選手権で7位入賞。至学館大学に進んだ13年・14年には世界ジュニア選手権で連覇を果たすなど、早くから注目を集めてきましたが、同じ階級には、オリンピック3連覇中の伊調馨選手が君臨し続けていました。そこで15年、階級を58キロ級から63キロ級に上げて世界選手権に出場。するとこの大会で銀メダルに輝き、リオ代表の座を獲得。オリンピック本番でも力を出し切り、晴れて金メダリストになったのです。
しかし勝負したいのは、あくまでも本来の階級。ただ、東京オリンピックでは58キロ級と60キロ級、どちらの階級が採用されるかまだ決定していないため、川井選手は今年から再度、60キロ級に階級を変更。5月に行われたアジア選手権の60キロ級を圧勝で制すると、世界選手権の選考会も兼ねた6月の全日本選抜選手権でも優勝。大会MVPに輝くなど、その強さにますます磨きがかかっています。
【バドミントン 高橋礼華・松友美佐紀ペア】
リオ オリンピック・バドミントン女子ダブルス決勝戦で、高橋・松友の「タカマツペア」が、デンマークのペアを破って金メダルを獲得しました。帰国後の去年9月、記者会見に臨んだタカマツペアが次の目標を聞かれて口にしたのが、今行われている世界選手権。二人は3年後のオリンピック連覇よりも先に、世界選手権での王座奪取を誓いました。
去年の暮れにドバイで行われた、シーズン王者を決める「スーパーシリーズ・ファイナル」決勝でこそ、中国の19歳ペアの勢いとスピードに圧倒されて優勝を逃してしましたが、今年4月のアジア選手権で優勝。6月にはオーストラリアオープンでも、リオ オリンピック決勝で戦ったデンマークのペアを再び破って優勝するなど、初の世界選手権制覇に向けて視界は良好です。
【バドミントン 陣内貴美子選手】
1972年のミュンヘンオリンピックで、公開競技として行われたバドミントン。オリンピックの正式種目になったのは、92年のバルセロナオリンピックからです。女子ダブルスには、日本代表として3組が出場。この時、代表に選ばれた一人が陣内選手でした。
陣内選手は、中学生の時に全国大会を連覇。81年、16歳の時には、日本のバドミントン史上最年少でナショナルチームのメンバーに選ばれました。代表になって10年目の90年には競技を引退するつもりでしたが、92年のバルセロナオリンピックからバドミントンの正式種目採用が決定。陣内選手は悩んだ末、競技続行を決意します。そして91年、台北オープンのダブルスで優勝。続く全英選手権ではダブルス2位に輝き、バルセロナへの切符をつかんだ陣内選手。初めて立ったオリンピックの舞台での女子ダブルスは9位に終わりましたが、その経験は今、スポーツキャスターとしての第二の人生に活かされています。
【柔道 阿部一二三選手】
金メダルゼロに終わった、屈辱のロンドンオリンピックから4年後の去年、リオ オリンピックで金メダル2個を含む、全7階級でメダルを獲得。「お家芸復活」といわれた、柔道男子日本代表。2020年の東京オリンピックでは、柔道発祥の国の威信にかけ、更なる金メダルの量産が期待されています。中でも期待されているのが、来週から開幕する世界選手権に初めて出場する20歳、男子66キロ級の阿部選手です。
14年、高校2年生夏のインターハイにおいて、6試合オール一本勝ちという圧倒的な強さを見せて優勝。その直後に行われたユースオリンピックでも、オール一本勝ちで金メダル。11月の体重別柔道日本一を決める講道館杯でも、男子史上最年少優勝の快挙を成し遂げます。その後も、国際大会の舞台で活躍を続け、“東京オリンピックの星”と呼ばれるようになった阿部選手。リオの代表こそ逃してしまいましたが、今年4月の全日本選抜柔道体重別選手権をオール一本勝ちで制し、連覇を達成。晴れて、初の世界選手権代表に選ばれたのです。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!