【プロ野球 柳田悠岐選手】
福岡ソフトバンクホークス・柳田選手にとって2020年は、自らの存在証明と再起を懸けたシーズンでした。その前年、19年は左ヒザを故障し、出場はわずか38試合に終わりました。この年ソフトバンクは3年連続で日本シリーズを制覇したものの、レギュラーシーズンは2年連続で埼玉西武に優勝をさらわれ、2位止まり。責任を痛感した柳田選手は、かねてから憧れていたメジャーリーグ移籍の夢を封印し、19年オフにソフトバンクと新たに7年の大型契約を結びました。
「生涯ホークス」を宣言して臨んだ、20年シーズンが開幕すると、序盤からヒットを量産。打率はリーグ2位の3割4分2厘・ホームラン29本・86打点は、ともにリーグ3位という好成績を残し、146安打で最多安打のタイトルを獲得します。こうした活躍により、5年ぶり2度目のシーズンMVPに選ばれた柳田選手。今シーズンの年俸は、02年の巨人・松井秀喜選手と並ぶ、日本人野手歴代最高の6億1千万円プラス出来高に上昇。名実ともに日本一の野手となりました。目指すはもちろん、5年連続日本一です。
【プロ野球 栗山巧選手】
2019年以前、ベストナインに3度選ばれたことのある、埼玉西武ライオンズ・栗山選手。過去3回はいずれも外野手での選出でしたが、プロ19年目の昨シーズンは指名打者として初めてとなるベストナインに選ばれ、話題を集めました。栗山選手は、北海道日本ハムとの開幕カード第2戦・第3戦でともに3安打を放つ好スタートを切ると、シーズンを通じてコンスタントにヒットを放ち、チームトップの打率2割7分2厘をマーク。さらには、自己最多タイとなる12本のホームランを記録しました。
ベストナイン選出の決め手になったのは、ここぞという場面での勝負強さです。チームが熾烈な2位争いを繰り広げていた昨年のシーズン後半、9月18日のオリックス戦で、栗山選手は4番・指名打者で先発出場。スタメンで4番に座ったのは、実に10年ぶりのことでした。その後も、勝負どころの残り15試合で4番に固定され、辻監督も賛辞を惜しみませんでした。そんな栗山選手が見据えるのは、残り74本に迫った通算2000安打。達成すれば、球団の生え抜き選手では初の快挙です。
【プロ野球 増田達至投手】
自慢の打撃陣が不振にあえぎ、苦戦を強いられた昨シーズンの埼玉西武ライオンズ。2連覇を果たした2019年と比べ、チーム打率は2割6分5厘から2割3分8厘へ、1試合の平均得点も5点台から3点台へと大幅にダウンしました。そんな状況でも3位となりAクラスを確保できた要因は、リリーフ陣の踏ん張りです。
そのリリーフ陣を牽引したのが、抑えの増田投手です。150キロを超えるストレートと切れ味鋭い高速スライダーやフォークを武器に、昨シーズンは5勝0敗33セーブで自身初となる最多セーブ投手のタイトルに輝きました。シーズン負けなしで最多セーブのタイトルに輝いたのは、佐々木主浩投手・武田久投手に続いて史上3人目の快挙。しかも、セーブ成功率では3人の中で増田投手が最も高く、歴代トップクラスの安定感を見せました。オフにはFA移籍が噂された中、「生涯、ライオンズでやっていきたい」とチームに残留した増田投手。今年も西武投手陣の屋台骨を支えます。
【プロ野球 ロベルト・スアレス投手】
ロベルト・スアレス投手はベネズエラ出身。高校卒業後はメキシカンリーグを経て、160キロを超える剛速球を武器に2016年、福岡ソフトバンクホークスに入団。メジャー球団からの誘いもありましたが、スアレス投手は真っ先に声を掛けてくれたソフトバンクを選びました。来日1年目は、主にセットアッパーとして活躍したスアレス投手。ところが、翌17年のWBC(ワールドベースボールクラシックで)右ヒジを故障。じん帯の再建手術を受け、シーズンを棒に振ります。
18年のシーズン途中に一軍復帰を果たし、19年は先発に転向しましたが、0勝4敗と結果を出せずオフにソフトバンクを自由契約に。そこへ、阪神タイガースからのオファーが届きました。昨年、阪神では当初、セットアッパーを任されたスアレス投手。7月半ばに藤川球児投手が離脱すると、代わって抑えを務め10月半ばまで3ヵ月近く負けなしという抜群の安定感を見せました。結局昨シーズンは25セーブを挙げ、セーブ王のタイトルを獲得。阪神のリーグ2位に貢献しました。
【プロ野球 ダヤン・ビシエド選手】
昨年、セ・リーグ一塁手部門でゴールデングラブ賞を初めて獲得した、中日ドラゴンズのビシエド選手。中日の外国人選手がこの賞を獲ったのは、実に16年ぶりのことでした。これまで首位打者や、最多安打などの打撃タイトルに輝き、打撃の人というイメージの強いビシエド選手ですが、守備も定評があり、昨シーズンは109試合に出場してエラーの数はわずか1個。一塁手部門では、リーグトップの守備率9割9分9厘をマークしました。送球を受けることが多いファーストでこのエラーの少なさは驚異的です。
ビシエド選手はもともと外野手でしたが、来日後にチーム事情から一塁を守ることになりました。経験が少ない一塁で、1年目の2016年に記録したエラーは12個。それから4年が経ち、ゴールデングラブ賞の表彰式で胸を張ったビシエド選手。21年の目標は、自身のMV獲得と10年ぶりの中日優勝です。
来週のスポーツ伝説は……
2/22(月) サッカー 佐藤寿人選手
2/23(火) サッカー 前田遼一選手
2/24(水) サッカー 三笘薫選手
2/25(木) サッカー 田中碧選手
2/26(金) サッカー 瀬古歩夢選手
お楽しみに!!