【プロ野球 工藤公康監督】
昨シーズン、2年ぶりの日本一を達成した福岡ソフトバンクホークス。過去4年間で日本一3回。いまや球史に残る常勝軍団となりつつあるチームを率いるのが、工藤監督です。
2015年、就任1年目にしてみごと日本一を達成した工藤監督。しかし翌年は、北海道日本ハムファイターズに最大11.5ゲーム差のリードをひっくり返され、優勝を逃すという大きな屈辱を味わいました。迎えた3年目の昨シーズン。チームがひとつになることを何よりも重視し、「ワンダホー」というキャッチフレーズを掲げてペナントレースに臨むと、若手もベテランも外国人選手も一致団結。攻守にスキのない試合を展開し、9月16日、パ・リーグ史上最速で優勝を決めて覇権を奪還したのです。
【プロ野球 緒方孝市監督】
昨年9月18日、甲子園球場で2位の阪神との直接対決に勝ち、連覇を達成。緒形監督は合計11回、宙に舞いました。一昨年に続く胴上げでしたが、実は緒方監督が現役時代に一軍デビューを飾ったのは、1988年9月17日の甲子園球場。それからほぼ29年後に思い出の場所で優勝を決めたことで、緒形監督は思わずベンチで目頭を押さえました。
昨シーズンは開幕早々、思い切った決断を下した緒形監督。チームの顔である四番打者に、当時入団5年目で22歳の鈴木誠也選手を抜擢しました。途中不振に陥っても、「自分で何とかするのが四番。責任は俺が取る」と、四番を外さなかった緒方監督。この我慢の起用が実って、鈴木選手は頼れる主砲へと成長。8月に試合中の怪我で離脱するまで、勝負強いバッティングでチームを牽引したのです。投手陣も、実績のない20代の若手を先発に抜擢し、薮田和樹投手が15勝、岡田明丈投手が12勝を挙げる大活躍。こういった大胆な若手起用があればこその連覇だったのです。
【プロ野球 アレックス・ラミレス監督】
2016年からDeNAの指揮を執り、就任1年目で3位。前年最下位だったチームを初のクライマックスシリーズ進出に導いたのが、“ラミちゃん”の愛称でおなじみのラミレス監督です。2年目の昨シーズンも、巨人との3位争いに競り勝ち、クライマックスシリーズで阪神・広島を撃破。19年ぶりに出場した日本シリーズでは、ソフトバンクに3連敗を喫しながら2連勝と巻き返し、王者を最後まで苦しめました。この躍進の鍵となったのが、ラミレス監督の「前向きな言葉」です。
就任以来、ラミレス監督がよく口にする言葉が「Tomorrow is Another Day」。「あしたはあした」という意味ですが、ラミレス監督は負けた時だけでなく、勝った試合の後にもこの言葉を使います。また、調子の上がらない選手や試合に出ていない控え選手に「元気?」「ダイジョウブ?」「ガンバッテ!」と日本語で声を掛けることも忘れないラミレス監督。そういう何気ない一言で、選手たちのやる気を引き出すのが“ラミレス流”なのです。
【スピードスケート 小平奈緒選手】
昨年暮れ、スピードスケートのワールドカップ第4戦、女子1000mで1分12秒09の世界新記録を樹立。平昌オリンピックでの金メダルに向け躍進を続けている小平選手。中学2年生で全日本ジュニアを制して史上初の中学生女王となりましたが、大学を卒業するまでオリンピックとは無縁でした。初めてのオリンピックは、23歳で出場した2010年のバンクーバー大会。この時は団体パシュートで銀メダルを獲得したものの、個人種目では入賞止まり。4年前のソチ大会でも、500mで5位、1000mでは13位と、悔しい思いをしてきました。そんな小平選手が一気に飛躍を遂げたのが昨シーズン。得意の500mで、世界距離別選手権やワールドカップで15戦全勝という大活躍を見せたのです。
30代になってからの、異例の急成長。そのきっかけになったのは、ソチオリンピックの後に2年間に渡ってスケート大国・オランダで生活したことでした。単身、現地のプロチームに飛び込んだ小平選手は、そこでフォーム改良を目指したのです。このままの調子を維持し、オリンピックでの金メダル獲得となれば、日本女子スピードスケート界では、史上初の偉業。オランダで心・技・体すべてにおいて成長を遂げた小平選手に期待です。
【NFL トム・ブレイディ選手】
アメリカの4大プロスポーツといえば、野球のMLB、バスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHL。そして、アメリカンフットボールのNFL。そのNFLのシーズン王者決定戦が、毎年2月第1週の日曜日に開催されるスーパーボウルです。スーパーボウルが行われる日曜日は「スーパーサンデー」、試合当日までの1週間は「スーパーボウル・ウイーク」と呼ばれ、開催地や出場チームの地元はもちろん、アメリカ全土がスーパーボウル一色に染まります。
毎年のように熱戦が展開されるスーパーボウルですが、50回を超える歴史の中でも「史上稀に見る名勝負」といわれたのが、昨年のスーパーボウルです。昨年は、5回目の優勝を目指すニューイングランド・ペイトリオッツと、初優勝を目指すアトランタ・ファルコンズが対決。試合前半まではファルコンズが優位に進め、第3クォーター序盤でペイトリオッツは3対28という一方的なリードを許します。しかしここから奮起したのが、ペイトリオッツが誇るベテランクォーターバック、39歳のブレイディ選手です。史上最多の7回目のスーパーボウル出場となるブレイディ選手は、25点差を追いかけて同点に追いつくと、スーパーボウルの歴史上初の延長戦に突入したのです。勢いに乗るペイトリオッツは延長戦でも攻め続け、ブレイディ選手が次々とパスに成功。最終的には34対28で、ペイトリオッツがスーパーボウル史上最大の25点差をひっくり返す奇跡の大逆転劇で栄光を掴んだのです。自身5回目の優勝と、4回目のMVPを受賞したブレイディ選手は、62回のパスを投げて43回成功。さらに466ヤード獲得は、いずれも史上最多記録でした。
来週のスポーツ伝説は……
2月5日(月) プロ野球 小川淳司監督
2月6日(火) プロ野球 外崎修汰選手
2月7日(水) プロ野球 細川成也選手
2月8日(木) プロ野球 岡田明丈投手
2月9日(金) プロ野球 甲斐拓也選手
お楽しみに!!