【プロ野球 有藤道世選手】
東京オリオンズから球団名が変わり、ロッテオリオンズの歴史が始まった1969年。同じくプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせ、ロッテ一筋で18年間プレーした“ミスター・ロッテ”こと有藤選手。1年目からレギュラーとしてプレーし、打率2割8分5厘、ホームラン21本を放ち、新人王を獲得すると、2年目の70年には、打率3割6厘、ホームラン25本、27盗塁とトリプルスリーに近い成績を残し、この年のロッテのリーグ優勝に貢献しました。
プロ6年目の74年には、4年ぶりにリーグ優勝を果たすと、中日との日本シリーズで打率4割2分9厘、ホームラン2本と大暴れ、日本一に貢献。その後は優勝とは縁がなかったものの、個人としては毎年安定した成績を残しました。77年には首位打者を獲得し、85年にはパ・リーグの大卒選手では史上初となる通算2000本安打を達成。86年限りで現役を引退後、翌年から3年間、監督を務めるなど、指導者としてもロッテ一筋を貫いたまさに“ミスター・ロッテ”でした。
【プロ野球 レロン&レオン・リー選手】
日本のプロ野球で兄弟がともに現役選手という例は珍しくありませんが、外国人選手が兄弟で同じチームに所属し、ともに活躍した珍しい例が、70年代後半から80年代前半にロッテオリオンズで活躍したリー・ブラザーズです。兄で左バッターのレロン・リー選手。弟で右バッターのレオン・リー選手。打席の左・右の違いはあれど、ともに強打と勝負強さを兼ね備え、兄弟だけに顔もソックリ。
先に来日したのは兄のレロン選手で、入団1年目の77年にいきなりホームラン34本、109打点の活躍で、ホームラン王と打点王の2冠を獲得。首位打者こそ届きませんでしたが3割1分7厘で打率4位と、三冠王もあり得た大活躍を見せました。翌78年、兄に呼ばれる形で弟・レオン選手が来日し、ロッテに入団。以降、4年連続で兄弟そろって打率3割を超え、リー・ブラザーズは“史上最強の助っ人兄弟”として、パ・リーグの投手たちから恐れられました。
【プロ野球 村田兆治投手】
“マサカリ投法”と呼ばれた左足を大きく上げて、豪快に上から投げ下ろす独特のフォームで活躍した村田投手。ドラフト1位でロッテオリオンズの前身・東京オリオンズに1968年入団すると、ロッテ一筋23年。闘志を前面に押し出すピッチングで多くのファンを魅了し、通算215勝をマークした伝説のピッチャーです。
140キロのスピードを保ったまま鋭く大きく落ちる高速フォークは、バッテリーを組んでいた袴田英利選手の「目線からも消えてしまう」、まさに魔球。そのため、キャッチャーが後逸することもしばしばありました。最多勝1回、最優秀防御率3回、奪三振王4回など、獲得したタイトルの裏に隠れた通算148暴投の日本記録。しかしそれすら、村田投手にとっては立派な勲章の一つです。
【プロ野球 落合博満選手】
首位打者・ホームラン王・打点王の打撃3タイトルを同時に獲得する三冠王。このタイトルを3度獲得したのが、ロッテオリオンズ落合選手です。
最初の三冠王は1982年、落合選手28歳の時で、戦後史上最年少の三冠王でした。成績は、打率3割2分5厘、ホームラン32本、99打点。とはいえ、数字はいずれも平凡との声も。これに落合選手は奮起。2度目は3年後の85年、打率3割6分7厘、ホームラン52本、146打点で、さらに翌86年も、3割6分、50本、116打点と、2年続けての飛び抜けた成績で、3度目の三冠王に輝きました。長いプロ野球の歴史の中で、3度の三冠王は落合選手ただ1人です。
【プロ野球 初芝清選手】
ロッテの本拠地が川崎から千葉へと移り、球団名もロッテオリオンズから千葉ロッテマリーンズとなった1992年以降、ファンからひときわ熱い支持を集め“ミスター・マリーンズ”と呼ばれたのが、2005年までロッテ一筋・17年プレーした初芝選手です。1989年にドラフト4位でオリオンズ時代のロッテに入団。入団7年目の95年には打点王のタイトルを獲得し、チームの2位躍進に貢献します。ただ、この年以外はBクラスが続き、優勝争いにはほとんど絡めませんでした。晩年は代打の切り札として、2003年に7打席連続ヒットの日本記録を達成するなど、勝負強さを発揮した初芝選手。しかし38歳になった05年、ケガと体力の衰えを理由に現役引退を決断します。
そんな状況の中で迎えた、日本シリーズ進出とパ・リーグ優勝をかけた西武とのプレーオフ。最終第5戦で代打起用された初芝選手は、執念の内野安打で出塁。これが逆転の足掛かりとなり、ロッテは31年ぶりとなるリーグ優勝を達成。その勢いのまま、阪神との日本シリーズも4連勝で日本一に輝きました。初芝選手が選手生活で初めて味わう美酒であり、最高の花道となった現役最後の戦い。「日本一幸せな引退」だと、後に本人も語っていました。
来週のスポーツ伝説は……
5月20日(月) 陸 上 戸邉直人選手
5月21日(火) マラソン 堀尾謙介選手
5月22日(水) マラソン 服部勇馬選手
5月23日(木) テ ニ ス ラファエル・ナダル選手
5月24日(金) テ ニ ス モニカ・セレシュ選手
お楽しみに!!