スポーツ伝説

7月4日~8日の放送内容

【プロ野球 大野雄大投手】

 2019年にノーヒットノーランを達成している中日ドラゴンズ・大野投手。今年5月6日、バンテリンドームナゴヤで行われた阪神戦は、青柳晃洋投手と投げ合い、息詰まる投手戦となりました。この日の大野投手は、初球からストライクで阪神打線を圧倒。力のあるストレートに加えて、キレのある変化球にコントロールも冴え、1人のランナーも許さないまま9回を迎えます。この回も3人で抑えた大野投手。本来ならこれで完全試合達成になるはずでした。ところが青柳投手も中日打線を無得点に抑え、試合は延長戦に突入します。チームが勝たなければ「完全試合」にはなりません。しかも偉業達成には、延長戦も投げる必要があります。
 延長10回、ツーアウトを取り、バッターは佐藤輝明選手。145キロの直球が少し高めに入り、打球はセンターの頭上を越えるツーベースになりましたが、その裏、石川昂弥選手が劇的なサヨナラヒットを放ち、チームは勝利。大野投手は普通の「完封勝利」ということになりました。しかし10回ツーアウトまで打者29人をパーフェクトに抑えたのは、史上初の快挙でした。

  
 
【プロ野球 東浜巨投手】

 今年5月11日、福岡ペイペイドームで行われた福岡ソフトバンクホークス 対 埼玉西武ライオンズ戦。先発の東投手は初回を3者凡退に抑え順調な立ち上がりを見せましたが、2回、ワンナウトからフォアボールを許します。ここでバッターは、東浜投手が苦手にしている栗山巧選手。打球は二遊間を破ろうかという当たりでしたが、ショート・今宮健太選手が回り込んで捕ると、セカンド・三森大貴選手へ素早くトスしてダブルプレー。このビッグプレーで東浜投手は波に乗り、ノーヒットのまま試合は最終回へ。
 ツーアウトを取り大記録まであと1人。打席には俊足の金子侑司選手。ツーストライクから決めに行ったストレートを弾き返され、ボールは東浜投手のグラブをかすめていきましたが、セカンド・三森選手がすばやくキャッチし一塁へ送球。間一髪でアウトとなり、東浜投手はプロ野球史上84人目のノーヒットノーランを達成。沖縄出身の投手では初めての快挙でした。


 
【テニス 柴原瑛菜選手】

 柴原選手は、アメリカ・カリフォルニア州出身の24歳。父親の仕事の関係で移住したアメリカで7歳の時にテニスを始めると、翌年、8歳で全米テニス協会の強化選手に選ばれ、早くから才能を見込まれた選手でした。アメリカの名門大学・UCLAに通っていた2019年、プロ転向を決意し大学も休学。このとき柴原選手は将来の夢として、『試合にたくさん勝つこと』『東京オリンピックに出場すること』、そして最大の夢として『世界で一番になること』を掲げたといいます。その夢の第一歩、東京オリンピック出場のため、日本国籍を選択した柴原選手。尊敬するダブルスの第一人者、青山修子選手に猛アタックしてペアを結成しました。初めて組んだ大会でいきなり準優勝すると、その後はいくつもの大会で勝利を重ね、夢の東京オリンピック出場を果たした柴原選手。今年1月には、4大大会の一つ・全豪オープンの女子ダブルスでベスト4入りを果たし実力をつけて迎えたのが全仏オープンの舞台でした。
 全仏オープンで柴原選手は、男子選手と組むミックスダブルスに出場。ペアを組んだのは、オランダのクールホフ選手です。実は全仏開幕の1カ月ほど前まで、二人はペアを組んだことはおろか、言葉を交わしたことすらない間柄でした。しかし いざ大会が始まれば、急造ペアにもかかわらず快進撃を続け、ついに決勝の舞台へ。柴原・クールホフ組は、ストレート勝ちでグランドスラム制覇を果たしたのです。全仏オープン・ミックスダブルスでの日本選手の優勝は、25年ぶりの快挙でした。

  
 
【大相撲 隆の勝伸明関】

 今年5月の大相撲夏場所を、西前頭4枚目で迎えた隆の勝関。2020年11月の九州場所で、初の三役・関脇に昇進。3場所連続で勝ち越して大関候補と期待されましたが、相手に研究され昨年5月の夏場所は5勝10敗と大きく負け越し、関脇を陥落してしまいました。小結で迎えた今年3月の春場所は、同じ94年生まれのライバル・若隆景関と阿炎関が東西の関脇に座り、隆の勝関にとっては否が応でも負けられない場所になりました。ところが隆の勝関は4勝11敗と大きく負け越し、平幕に転落してしまいます。
 平幕で出直しとなった夏場所でしたが、隆の勝関はいきなり初日に敗れ、3日目もライバルの阿炎関に敗れて1勝2敗の出だし。しかし4日目から連勝街道がスタートします。6日目には大関・正代関を破り、8日目に横綱・照の富士関に挑み、初の「金星」。勢いに乗った隆の勝関は続く9日目に、大関・御嶽海関を撃破し、12日目まで9連勝。同じ部屋で対戦がない貴景勝関を除く横綱・大関3人を総ナメにし、終盤まで優勝争いを演じたのです。結局、13日目にライバル・若隆景関に敗れ、千秋楽も敗れて11勝4敗。初優勝は逃しましたが、隆の勝関は殊勲賞に輝き、場所を大いに盛り上げました。



【大相撲 佐田の海貴士関】

 横綱・照ノ富士関の優勝で幕を閉じた5月の大相撲夏場所で、終盤まで優勝争いに加わり土俵を大いに盛り上げた平幕力士の一人が、場所中に35歳の誕生日を迎えた西前頭12枚目・佐田の海関です。父親はかつて、同じ「佐田の海」のシコ名を名乗り小結まで昇進した元力士。その父から、男を磨くならここだぞと勧められ入門したのが、現在所属する境川部屋でした。2003年3月、15歳で初土俵を踏み、父を目標にコツコツ努力を重ねて11年。 14年5月の夏場所でついに新入幕を果たした佐田の海関。親子で幕内力士になったのは、史上8組目でした。しかもこの場所で10勝を挙げ敢闘賞も受賞。実は父も、新入幕の場所で敢闘賞を受賞しており、史上初となる「親子で新入幕三賞」という快挙も達成しました。
 その後、父が昇った最高位・小結を超えることを目標に、稽古を重ねてきた佐田の海関。15年7月の名古屋場所で、小結の一歩手前・西前頭筆頭まで上がったものの、その場所を勝ち越せず、いまだ三役には手が届いていません。今年3月の春場所で5勝10敗と大きく負け越し、西前頭12枚目で迎えた夏場所。佐田の海関はここで奮起します。13日目に新入幕の場所以来、8年ぶりにふたケタ勝利を達成。優勝争いのトップに並ぶと、千秋楽には最後まで優勝を争った隆の勝関を破り、自己最高の11勝。新入幕の場所以来、8年ぶり2度目の敢闘賞を受賞しました。

  

来週のスポーツ伝説は……

7/11(月) サッカー 古橋亨梧選手
7/12(火) サッカー 堂安律選手  
7/13(水) サッカー 鎌田大地選手
7/14(木) サッカー 遠藤航選手
7/15(金) サッカー 伊藤洋輝選手

お楽しみに!!
BACK
NEXT