スポーツ伝説

7月18日~22日の放送内容

【ラグビー 堀江翔太選手】

 5月29日、東京・国立競技場で行われた、ラグビー「リーグワン」のプレーオフ決勝。昨年までのトップリーグに代わり、装いも新たに始まった国内新リーグの初代王者に輝いたのは、埼玉パナソニックワイルドナイツでした。チームを牽引したのが、ドレッドヘアがトレードマークの36歳、フッカーの堀江選手です。
 リーグワン開幕早々、チーム内に新型コロナウイルスのクラスターが発生。最初の2試合が不戦敗扱いとなりましったが、そんな逆境をものともせず、残りのリーグ戦を全勝。プレーオフも勝ち抜き、16連勝で初代王者に輝きました。堀江選手は全試合に出場し、先発した1試合を除き、すべて後半途中の勝負所から登場。攻守に渡ってチームを引っ張るプレーで、ファンから“守護神”“ラスボス”と呼ばれました。この働きが評価され、堀江選手はリーグワンの初代MVPに輝いたほか、ベストフィフティーンと、選手が選ぶ「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン賞」も受賞しました。

  
 
【バスケットボール 比江島慎選手】

 今年5月に行われた、Bリーグの成績上位8チームが年間王者の座を争うBリーグ・チャンピオンシップ。東地区4位からワイルドカードで進出した宇都宮ブレックスを牽引したのが、エースの比江島選手です。宇都宮は、準々決勝で昨年の覇者・千葉ジェッツを2連勝で下し、準決勝でも川崎ブレイブサンダースを相手に初戦を制します。続く第2戦は、同点に追い付かれた最終クォーター残り55秒で、ボールを託された比江島選手が果敢なアタックを試み、シュートファウルを誘うとこれで得た2本のフリースローを確実に沈めました。川崎はファウルゲームに持ち込みましたが、プレッシャーがかかる中、比江島選手は8本連続でフリースローを成功させて、宇都宮が77対73で勝利。2年連続で決勝進出を果たしたのです。
 決勝の相手は、琉球ゴールデンキングスでした。宇都宮は第1戦に勝利し優勝に王手を掛けた第2戦、最終クォーター残り22秒で、宇都宮は琉球に2点差に詰め寄られます。しかし、比江島選手は体を張ってファウルを誘い、フリースロー3本とレイアップで点差を7点に広げて、これで勝負あり。宇都宮はチャンピオンシップ6連勝で、5シーズンぶりの優勝を飾り、この試合で両チーム最多の24点を挙げた比江島選手が、チャンピオンシップMVPに選ばれました。


 
【バレーボール 大宅真樹選手】

 Vリーグ、サントリーサンバーズの大宅選手にとっての転機は2020年、25歳の時でした。監督からの指名で、大宅選手はキャプテンに抜擢されます。しかしプレッシャーからか、新チーム始動のミーティングを無断欠席。それでも、一度裏切られたけどお前を信じるという監督からの言葉を聞いて改めて覚悟を決めると、チームメイトに謝罪。これでチームに一体感が生まれました。サントリーはこの2020-21年シーズン、レギュラーラウンドで、リーグ記録を更新する23連勝を含む31勝3敗という圧倒的な勝率を残し、大宅選手も勝ち続けることで信頼も自信もつかんだといいます。迎えた21年4月のVリーグファイナルは、キャプテンとしてセッターとして、常に見られる立場だからこそ笑顔でのプレーを心がけたという大宅選手のもと、サントリーは14年ぶりのリーグ制覇を達成。大宅選手はリーグのベスト6にも選ばれるなど、まさに飛躍のシーズンとなりました。
 キャプテンとしての2年目のシーズンは、コロナ禍の影響で選手が揃わなかったり、時には監督も不在になるなど難しい状況が続きました。しかし『プレー・ハード』のスローガンを掲げた大宅選手たちは最後まで諦めず、レギュラーラウンド2位からファイナルへ進出します。そして1位通過のウルフドッグス名古屋に挑む形となったファイナルでは、大逆転でVリーグ連覇を果たしたのです。大宅選手はベスト6だけでなく、リーグMVPも受賞しました。


 
【バレーボール 井上愛里沙選手】

 昨年の東京オリンピックでは、25年ぶりの1次リーグ敗退という悔しい結果に終わったバレーボール女子日本代表。課題の得点力アップに向け期待されているのが、Vリーグ・久光スプリングスの井上選手です。中学時代から注目され、筑波大学時代に出場した2017年のユニバーシアードでは日本のエースとして銀メダル獲得に貢献するなど、将来を期待されてきました。しかし久光に入団後はなかなか結果を残せず、昨年の東京オリンピックでも代表メンバーには入れませんでした。そこで力を入れたのがバックアタックです。久光スプリングスは以前から「バックアタックが少ない」「決定打がない」と言われていたことに奮起し、強化に取り組むと、その成果は21年末の皇后杯・全日本選手権で発揮されます。東レアローズとの決勝戦をフルセットの激闘の末、久光は2大会ぶりの優勝。チーム最多の23点を挙げた井上選手は、見事MVPに選ばれたのです。
 井上選手の快進撃はその後も続きます。Vリーグでは一昨年が7位、昨年は8位と頂点から遠ざかっていた久光を、パワフルな攻撃力で牽引して3シーズンぶりの優勝に導きました。井上選手は、日本人選手歴代最多となる584得点を記録し、木村沙織選手が持っていた日本記録を12シーズンぶりに塗り替える快挙で、皇后杯に続いてMVPに選ばれました。この決定力はこの夏、日本代表でも発揮されています。6月のネーションズリーグで、世界ランク1位のアメリカを相手にキャプテンの古賀紗理那選手とともにチーム最多19得点を決めて金星を挙げるなど、井上選手はしっかりと結果を出しています。 



【ソフトボール 三輪さくら・後藤希友投手】

 昨年、日本女子ソフトボールリーグの試合で、2日続けて偉大な記録が生まれました。5月8日、トヨタ自動車の三輪投手が、シオノギ製薬戦で1人のランナーも出さずに7回を投げきり完全試合を達成。その翌日、チームメイトの後藤投手が、豊田自動織機戦で今度はノーヒットノーランを達成したのです。三輪投手は、現在23歳の技巧派右腕。入団当初は速球主体のピッチャーでしたが、2019年に2歳年下で剛速球が売り物のサウスポー、後藤投手がトヨタ自動車入り。三輪投手は後藤投手のスピードボールを見て、同じスタイルで投げても勝ち目はないと、変化球投手への転向を決意しました。共にマウンドに立つと負けず嫌いの性格で、お互い刺激しあう存在。このチーム内ライバルの関係が、2日続きの偉業達成につながりました。
 昨年の東京オリンピックに後藤投手は日本代表として出場しみごと金メダルを獲得しましたが、三輪投手は残念ながらメンバーから漏れてしまいました。その悔しさをバネに、三輪投手は今年、大きな仕事をやってのけました。5月14日。三輪投手は、今年から新たに始まった国内戦「JDリーグ」のSGホールディングス戦に先発すると、7回を無安打に抑え、ノーヒットノーランを達成。負けじと後藤投手も奮起します。5月29日のデンソー戦で、自身2度目のノーヒットノーランを記録。さらに6月19日、タカギ北九州戦で今シーズン2度目、自身3度目のノーヒットノーランを達成し、話題を呼びました。

  

来週のスポーツ伝説は……

7/25(月) プロ野球 松本剛選手
7/26(火) プロ野球 滝澤夏央選手  
7/27(水) プロ野球 中山礼都選手
7/28(木) プロ野球 グレゴリー・ポランコ選手
7/29(金) プロ野球 柳町達選手

お楽しみに!!
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