スポーツ伝説

1月15日~19日の放送内容

【テニス 全豪オープン】

 毎年、シーズン開幕直後の1月中旬以降に、オーストラリア東南の都市・メルボルンで開催されている全豪オープンテニス。トップクラスの選手の多くが北半球からの参加となり、気候が反対で体調管理が難しいことから、他の4大大会に比べて番狂わせの多いエキサイティングな大会として知られています。1905年に始まった全豪オープンですが、現在の名称である全豪オープンに変更されたのが69年。開催都市がメルボルンに固定されたのが72年。そして88年に大会会場がメルボルンパークに移転したのに伴い、コートも芝からハードコートに変更。開催時期も1月で定着するようになりました。
 こうして現在のシステムが確立された88年、その歴史の変わり目を象徴するような試合となったのが、女子シングルス決勝のクリス・エバート選手 対 シュテフィ・グラフ選手の一戦です。エバート選手といえば、ライバルだったマルチナ・ナブラチロワ選手と共に、70年代から80年代前半の女子テニス界を牽引してきた存在。全仏オープンの通算優勝回数7回は、いまでも女子選手の最多記録を誇ります。ただ、30代に入った85年以降は力の衰えも目立ち、86年の全仏優勝を最後に4大大会の決勝の舞台にも立てなくなっていました。そんな中、久々に巡ってきた優勝のチャンスが、33歳で迎えた88年の全豪オープンだったのです。対するグラフ選手は、当時18歳。前年の全仏オープンで4大大会を初制覇。その後、世界ランクも1位となり、まさにテニス界のニュースターといえる存在でした。そんな新旧女王対決となった全豪オープン決勝。勝ったグラフ選手はその年、全豪・全仏・ウィンブルドン・全米と4大大会をすべて制覇し、年間グランドスラムの快挙を達成。夏のソウルオリンピックでも優勝し、史上初となるゴールデンスラムの偉業も達成しました。一方、エバート選手はこの大会が4大大会最後の決勝進出となり、翌89年にツアー引退を表明。88年の全豪オープン決勝はまさに、女子テニス界の世代交代を象徴する戦いだったのです。


 
【プロ野球 内川聖一選手】

 今年36歳を迎えるソフトバンクのチームリーダー・内川選手は、横浜ベイスターズから地元・九州のホークスに移籍して今年で8年目。主砲としてチームを支えてきましたが、昨年は試練の一年でした。6月に首の痛みで離脱。7月には守備の際に左手を剥離骨折。優勝を争う大事な時期に、約2ヵ月もチームを離れることになったのです。
 それだけに、クライマックスシリーズと日本シリーズでは絶対にチームに貢献すると、並々ならぬ決意でポストシーズンに臨みました。もともと短期決戦にはめっぽう強い内川選手。クライマックスシリーズでは、2011年・15年とファイナルステージのMVPに輝き、日本シリーズでも14年にMVPを獲得しています。昨年のファイナルステージは、楽天が相手。内川選手は第1戦・2戦・4戦とホームランを放ち、第3戦でも逆転スリーランでソフトバンクの日本シリーズに進出に貢献。内川選手自身も、3度目のクライマックスシリーズMVPに輝きました。今年は、あと25本に迫った通算2000本安打も控えており、日本一連覇に向け、頼れる年男の活躍に期待が集まります。
 
      
   
【プロ野球 赤松真人選手】

 俊足と強肩が売りの広島カープの外野手・赤松選手も、今年36歳を迎えます。2004年、ドラフト6位で阪神に入団しましたが、広島から阪神へFA移籍した新井貴浩選手の人的補償選手として、プロ4年目の08年に広島へ移籍。新天地でその才能が開花し、移籍1年目から一軍に定着。翌09年は、開幕スタメンに名を連ねました。10年には、初のタイトルとなるゴールデングラブ賞を獲得。近年は、代打・代走や守備固め、時に外野のスタメンでも活躍していました。広島が25年ぶりのリーグ制覇を果たした一昨年は、89試合に出場。打率3割6分8厘・12盗塁と貢献し、優勝旅行にも元気に参加しましたが、帰国後に受けた人間ドックで胃ガンであることが判明。すでにリンパ節にも転移しているステージ3でした。
 辛い治療に耐え、昨年7月11日、ついにグラウンドに戻ってきた赤松選手。三軍の練習へ合流を果たし、目標の一軍復帰に向けて大きな大きな一歩を踏み出しました。「今年は戦力として貢献したい」という赤松選手。リーグ3連覇と34年ぶりの日本一に貢献すべく、トレーニングに励んでいます。 


  
【プロ野球 西川龍馬選手】
 
 昨シーズン、セ・リーグ2連覇を達成した広島カープ。クライマックスシリーズではDeNAに敗れ、日本一にはまたしても手が届きませんでした。今年は、球団初のリーグ3連覇。そして34年ぶりの日本一が至上命題。そこでより一層の飛躍を期待されているのが、今年24歳を迎える年男・西川選手です。
 西川選手は社会人野球を経て、2015年にドラフト5位で広島に入団しました。1年目、プロ初打席でいきなり三塁打を放ち、鮮烈なデビューを飾った西川選手。天才的なバットコントロールと球際に強い内野守備を持ち味に、ルーキーイヤーから62試合に出場。2年目の昨シーズンは前半戦、主に代打の切り札として勝負強いバッティングでチームを支え、故障者が続出した後半戦は、サードのレギュラーに定着。95試合に出場し、ホームラン5本・打率2割7分5厘でリーグ連覇に貢献しました。またDeNAとのクライマックスシリーズでは、全試合に7番・サードで先発出場し、打率2割8分6厘をマーク。日本シリーズには進めなかったものの、個人としては確かな実績を残したのです。しかもその後は、侍ジャパンの国際試合「アジア プロ野球チャンピオンシップ」で3試合すべてにスタメン出場。初戦の韓国戦で2安打。次の台湾戦でも2安打と、連続マルチヒットを記録すると、決勝の韓国戦ではソロホームランを放つなど、4打数3安打3打点の大暴れ。大会を通じてチームトップの打率6割3分6厘を記録し、三塁手部門でベストナインにも選出されました。

   

【プロ野球 田村龍弘選手】
 
 今シーズン、パ・リーグで唯一、新監督を迎えた千葉ロッテマリーンズ。メジャー経験のある井口資仁新監督のもと、どんな野球を見せてくれるのか気になるところです。そのマリーンズで注目されるのが、正捕手定着を目指すキャッチャーで、今年入団6年目の田村選手です。
 昨シーズンは課題が多く見つかった一年でしたが、ペナントレース終了後の侍ジャパン国際試合「アジア・プロ野球チャンピオンシップ」の開幕カード、韓国代表との一戦では、ずっと鳴りを潜めていた打撃で存在感を示します。これを誰よりも喜んだのが、昨シーズンまでロッテの指揮を執っていた伊東勤前監督。実は田村選手のロッテ入団と、伊東さんのロッテ監督就任は同じタイミングで、田村選手がプロのキャッチャーとしてのイロハを教わったのが伊東さんでした。井口新監督の期待に応えるためにも、伊東前監督への恩返しのためにも、田村選手にとって今年は勝負の年になりそうです。


   
来週のスポーツ伝説は……

  1月22日(月) 野  球 ソウルオリンピック
  1月23日(火) プロ野球 20年前の日本シリーズ
  1月24日(水) スキージャンプ 長野オリンピック 
  1月25日(木) サッカー 20年前のワールドカップ
  1月26日(金) 陸上男子 400mリレー

                       お楽しみに!!
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