【アイススレッジホッケー 日本代表】
足に障がいを持つ選手が、「スレッジ」と呼ばれるスケートの刃が2つ付いたそりに乗り、両手に短いスティックを持って戦うパラアイスホッケー。かつてはアイススレッジホッケーという競技名で呼ばれており、2010年に行われたバンクーバー冬季パラリンピックで、日本代表は世界を驚かせる快挙をやってのけました。1次リーグを勝ち抜いて、決勝トーナメントに進出した日本は、準決勝でこれまでまったく刃が立たなかった強豪国・カナダと対戦。ホッケー王国で知られるカナダは、パラアイスホッケーでもやはり強豪国です。しかも会場は相手のお膝元・バンクーバー。観客席はほとんどカナダ応援団という完全アウエーの状況で戦う日本は、圧倒的不利が予想されていました。しかしカナダのオウンゴールもあり、日本は3対1でカナダを撃破。パラリンピックの歴史に残るジャイアントキリングを起こし、アイススレッジホッケー日本代表は、オリンピックの男女も含めて日本のアイスホッケー界初の銀メダルを獲得したのです。
14年のソチ大会は出場を逃し、18年の平昌大会は全敗。1次リーグ敗退と、苦杯をなめたパラアイスホッケー日本代表。その悔しさをバネに、3年後の北京大会では3大会ぶりのメダルを狙います。
【サッカー 長谷部誠選手】
1998年のフランス大会でワールドカップに初出場を果たし、以降、昨年のロシア大会まで6大会連続出場を果たしたサッカー日本代表。この内、後半3大会すべてでキャプテンを務めたのが、現在ドイツ・フランクフルトでプレーする長谷部選手です。初めてキャプテンを任命されたのは26歳の時。10年の南アフリカ大会直前のことでした。
ワールドカップを控えた日本代表は、テストマッチで4連敗と大不振に陥ります。この危機的な状況を打破するため、岡田武史監督はスタメンを大幅に入れ替えるなどチームの大改革を断行。中でも象徴的だったのが、長谷部選手のキャプテン抜擢でした。しかしこの大抜擢が、チームにさらなる結束と緊張感を生みだします。 大会前は3戦全敗の予想もあったグループリーグを2勝1敗で通過し、みごと決勝トーナメント進出を果たしたのです。長谷部キャプテンを中心に文字通りチーム一丸となって戦ったその姿は、日本中を熱狂の渦に巻き込みました。
【サッカー なでしこジャパン】
8年前、FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会で驚くべき快進撃を見せて世界一の栄冠に輝いた、なでしこジャパン。2011年といえば、東日本大震災が起こった年。日本全体が暗く沈んでいただけに、なでしこジャパンの歴史的な快挙は多くの人を勇気付けました。1991年に産声をあげた、女子サッカーのワールドカップ。日本代表は第1回からすべての大会に出場していましたが、ドイツ大会前までの5大会中4大会はグループステージで敗退。結果が出ないもどかしさに加えてサポート企業の撤退が相次ぐなど、女子サッカーを取り巻く状況は、たいへん厳しいものがありました。
そんな状況からの、なでしこジャパンの躍進の秘密……それは継続性と高い目標設定でした。体格差を克服すべく、ぶつかり合いを避けるスタイルから果敢にぶつかっていく方針に転換。継続的なフィジカル強化で少しずつ世界基準に近づきつつあった07年、なでしこの指揮を任されたのが、佐々木則夫監督です。チームをさらに成長させるため、佐々木監督は、その年の北京オリンピックでベスト4を目指すと、高い目標を掲げました。気付けば高い目標に合わせて精神力も逞しくなり、なでしこジャパンは目標のオリンピック・ベスト4入りをクリア。「4強の次は、世界一」と上方修正した目標通り、3年後のドイツワールドカップで大輪の花を咲かせたのです。
【体操 内村航平選手】
内村選手は、1989年1月3日生まれ。つまり、非常に珍しい昭和64年生まれです。日本体育大学の学生だった2008年、北京大会でオリンピック初出場を果たすと、個人と団体総合で共に銀メダルを獲得。この大会以降、名実ともに日本のエースとなり、個人総合では全日本選手権10連覇、世界選手権6連覇という金字塔を打ち立てました。
内村選手のすごいところは、しっかりと結果を残しながらも、自分のモットーである「美しい体操」にもこだわる点。常に自分の理想とする演技を追求し続け、より高みを目指す姿勢は、世界の体操選手からも尊敬されています。
【プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス】
2013年のパ・リーグを制した楽天。この年は、星野仙一監督が就任して3年目。エース・田中将大投手が24勝0敗という驚異的な成績でチームを引っ張ると、ルーキー・則本昂大投手もいきなり15勝を挙げ、この2人だけで39勝。また、アンドリュー・ジョーンズ選手、ケーシー・マギー選手ら助っ人外国人選手の活躍で波に乗った楽天は、7月に首位に立つとそのままトップを明け渡すことなく、球団史上初のリーグ優勝を決めました。さらに、千葉ロッテマリーンズとのクライマックスシリーズも制し、初めて日本シリーズへ進出したのです。
日本シリーズの相手は、セ・リーグ王者の巨人。楽天は初戦を落とし、第2戦に勝って1勝1敗。東京ドームに移った第3戦、シリーズの流れを左右するこの一戦で活躍したのが、藤田一也選手と銀次選手のコンビでした。ここでシリーズの主導権を握った楽天は、4勝3敗で巨人を下して初の日本一に。全員野球でつかんだ日本一。藤田選手と銀次選手は、その象徴でもあったのです。
来週のスポーツ伝説は……
4月15日(月) スキージャンプ 葛西紀明選手
4月16日(火) プロ野球 柳田悠岐選手
4月17日(水) 陸 上 男子リレーチーム
4月18日(木) サッカー 三浦知良選手
4月19日(金) 高校野球 金足農業高校
お楽しみに!!