【プロ野球 仁志敏久選手】
巨人の背番号8は、高田繁選手・原辰徳選手・仁志選手と、3代続けて新人王を獲得したラッキナンバー。社会人時代、アトランタオリンピックを目指していた仁志選手は、当時アマ選手だけで構成されていた日本代表として予選に出場。出場権を勝ち取りますが、「今でなければ巨人に入れないかもしれない」との思いから、オリンピック出場よりもプロ入りを選択。1995年のドラフトで、巨人に逆指名入団しました。
もともと、「巨人以外ならプロ入りはしない」と豪語していた仁志選手。入団の年には3塁手として新人王を獲得するも、サヨナラエラーなどの不安定さから、2塁へコンバート。かつて名人と評判をとった土井正三コーチに徹底指導を受けました。その甲斐あって、1999年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。以来現在まで、巨人では2塁手のゴールデングラブ賞の選出はありません。その後、若手の台頭もあって出場機会が減ったことから、志願して横浜ベイスターズにトレード。すると前年の打率1割がウソのように輝きを取り戻し、2007年には球団タイ記録となる先頭打者ホームランが5本。低迷が続いた横浜が、序盤で首位を快走した原動力となりました。
【プロ野球 新浦寿夫投手】
1975年、巨人は球団創設以来、初の最下位を経験しました。ファンから猛烈なバッシングを受けても、「ウチの柱になる」と、長嶋茂雄監督が信頼を寄せたのが新浦投手です。
その年の成績は、37試合に登板して2勝11敗。勝ち星がないまま7敗となった8月12日の阪神戦終了後、新浦投手は長嶋監督に「もう投げられません」と涙の訴えをします。再調整に充てられた期間は、20日ほど。しかし色々な人にアドバイスをうけ、投球フォームを微調整すると、ボールの勢いと自信がよみがえってきました。8月31日、ヤクルト戦に登板すると、わずか1安打の完封劇でシーズン初勝利。これが転機となり、翌年には一転リーグ優勝に貢献。監督の期待に見事に応え、41歳までマウンドをつとめました。
【プロ野球 菊池涼介選手】
現役の選手の中で、セカンドの達人と言われているのが、広島の菊池選手です。昨シーズン、メジャーリーグのスカウトたちが前田健太投手の視察に訪れました。この時、副産物ともいえる収穫が、菊池選手。スカウト陣は、「まるで忍者だ。すごい!」と大興奮。先入観がなかっただけに、強烈なインパクトを与えたのです。オフの日米野球でも、スーパープレーを連発。MLBの公式サイトで紹介されると、アクセス数が急増。ある番組が、2014年のゴールデングラブ賞を獲得した選手を対象に「一番守備がうまい選手はだれ?」というアンケートを行ったところ、14人が菊池選手の名前を挙げました。
守りばかりがクローズアップされますが、3年目の2014年は、全試合に出場して打率3割2分5厘。1994年のイチロー選手(オリックス)以来、史上3人目となる、1シーズンで2度の20試合連続安打を記録しました。今季はプロ4年目。優勝のキーマンとなるのは間違いありません。
【大相撲 若の里忍関】
花のゴーイチ組といわれた昭和51年生まれには、高見盛関・千代大海関など、個性豊かな力士が多いことで知られます。関脇・若の里関も、その1人。数々の苦難を乗り切り、38歳の現在も十両で奮闘中です。
3月場所では、2つの偉大な記録を作りました。2日目に、史上6人目の900勝。8日目には、高見盛関と並ぶ、歴代5位の1654回出場を記録したのです。協会の幹部などからは、「力士の鑑」と太鼓判を押されるほどの人格者。頼まれたら嫌と言えない性格ですが、一度だけ、どうしても首を縦に振らなかったことがありました。2011年11月、鳴戸親方が急逝した時のことです。後継者の選定が急務となり、既に年寄の名跡を取得していた若の里関に白羽の矢が立ちました。ところが当の本人は、「まだまだ相撲を取りたい。現役を続けます」と断固拒否。「好きで入った世界だから、辞めようなんて思ったことはない」と、不屈の闘志でまだまだ闘い続ける覚悟です。
【サッカー日本代表 バビド・ハリルホジッチ監督】
ハリルホジッチ監督が来日して1か月余り。就任前、日本での知名度はいまひとつでしたが、様々な独自色を披露し、歴代の監督とは一線を画す存在となり始めています。日本代表監督を受けたのは、「私のメンタリティに似たものを持っていると思ったから。厳しさ、規律、尊敬、勤勉さ、フットボールにおける大事なものを兼ね備えていると思ったからです」と、来日時の記者会見で語ったハリルホジッチ監督。「日本を復活させたい。代表チームはすべての人のもの。だから私はトロフィーをもたらします」との宣言も行いました。もっか、6月から開幕するFIFAワールドカップ・ロシア大会・アジア第2次予選に備え、着々と準備を進めています。
ハリルホジッチ監督がその名を世界に知らしめたのは、昨年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会。アルジェリア代表を率いて、1次リーグ敗退の前評判を覆す快進撃を見せます。決勝トーナメントの1回戦では、優勝国のドイツと対戦して敗れるも、延長戦にまで持ち込み、大健闘と称えられました。アルジェリア代表監督に就任した時、当時の世界ランクは52位。それをワールドカップ期間までに17位へと押し上げました。日本はハリルホジッチ監督就任時、55位。ここから侍ブルーをどう強化するのか、楽しみです。
来週のスポーツ伝説は……
4月27日(月) プロ野球 久保康友投手
4月28日(火) プロ野球 松原誠選手
4月29日(水) 柔 道 斉藤仁選手
4月30日(木) 柔 道 岡野功選手
5月 1日 (金) 柔 道 恵本裕子選手
以上の5選手をご紹介します。