【男子モーグル 原大智選手】
先月行われた平昌オリンピックで、日本勢が獲得したメダルの数は13個。これは冬のオリンピックで過去最多だった、1998年長野大会での10個を上回る記録でした。
このメダルラッシュの先陣を切ったのが、フリースタイルスキー男子モーグルで銅メダルに輝いた原選手です。モーグルは、コブ状の急斜面を巧みに滑り降りる「ターン」、ジャンプからの空中演技を競う「エア」、そして「タイム」の3つを競う種目です。日本は過去、女子選手はオリンピックメダリストを輩出していましたが、男子は今大会の原選手が初めてのメダル獲得となりました。
【ハーフパイプ 平野歩夢選手】
「冬季オリンピック史に残る名勝負」。そんな評価で賞賛を集めたのが、平昌オリンピック・スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを争った、平野選手とアメリカのショーン・ホワイト選手です。ジャンプの高さや回転などの技を競い合うハーフパイプにおいて、ショーン・ホワイト選手は過去にオリンピック連覇の経験もある“英雄”。一方の平野選手は、前回ソチオリンピックの銀メダリスト。この二人が、他の選手たちを寄せ付けない大きな点は、ハーフパイプの超大技、縦に2回転しながら横に4回転する「ダブルコーク1440」を連続で決めることができる点です。
平野選手は本番直前の大会で、「ダブルコーク1440」に、史上初めて成功。金メダル候補として出場したピョンチャンオリンピック本番でも、この連続4回転を見事に決めてみせ、一度は首位に立ちました。しかし、ここに立ちふさがったのがショーン・ホワイト選手でした。彼も試合の場で、連続4回転を成功したことは一度もありません。にもかかわらず、平野選手の成功に触発され、オリンピック本番で果敢にチャレンジ。見事に決めてみせ、逆転での金メダルとなりました。惜しくもあと一歩で金メダルを逃した平野選手ですが、まだ19歳。4年後の北京オリンピックでの金メダル挑戦はもちろん、その前に2020年・東京オリンピックにも、スケートボードで出場するという目標を持っています。
【ノルディック複合 渡部暁斗選手】
ジャンプとクロスカントリーの組み合わせで競う、ノルディック複合。ジャンプでは瞬発力、クロスカントリーでは持久力と、総合的な運動能力が求められることから、スキーが盛んな北欧ではこの種目の王者を“キング・オブ・スキー”の名で讃えています。4年前のソチオリンピックで、この“キング・オブ・スキー”の座にわずか4秒届かなかった、日本のエース・渡部選手。個人ノーマルヒルで銀メダル。ノルディック複合個人で日本勢のメダル獲得は実に20年ぶりの快挙でした。ただ、このソチでの銀メダルを含め、ワールドカップでも世界選手権でも準優勝ばかり。いつしか、ついた呼び名は“シルバーコレクター”。今回の平昌大会は、「万年銀メダリスト返上」をかけた戦いでもありました。
そして迎えた、平昌オリンピック・ノルディック複合・個人ノーマルヒル。前半のジャンプで3位につけると、後半のクロスカントリーはトップと28秒差の3番目でスタート。この位置から、前回ソチで競り負けたライバル、ドイツのエリック・フレンツェル選手とデッドヒートを演じます。コース終盤、急激な上り坂での手に汗握るスパート合戦。最後に競り勝ったのは、またしてもフレンツェル選手でした。その差も4年前とほとんど変わらず、わずか4秒台。渡部選手は巻き返しも及ばず、2大会連続の銀メダルとなりました。実はオリンピック直前に、ろっ骨を骨折していたという渡部選手。痛みに耐えて掴んだ、オリンピック2つ目の銀メダルでした。
【スピードスケート 髙木菜那・美帆選手】
姉は金メダル2個。妹は金・銀・銅メダルと全色制覇……二人で5つのメダルを獲得したのが、髙木姉妹です。先にオリンピックに出場したのは、2010年、15歳でバンクーバー大会代表となり脚光を浴びた妹の美帆選手でした。妹に先を越された菜那選手は当時、“美帆の姉”と呼ばれることが嫌だったそうです。姉妹の仲もギクシャクしましたが、4年後のソチ大会では、美帆選手が不振のため落選。一方、菜那選手は初出場を果たします。
そして今年、初めて姉妹そろって出場した平昌オリンピック。まず妹の美帆選手が個人種目の1500mで銀メダル、1000mで銅メダルを獲得。姉妹で一緒に出場したチームパシュートでは、呼吸もぴったり合って日本はオリンピック新記録をマーク。みごと金メダルに輝いたのです。菜那選手は、新種目のマススタートでも金メダルを獲得し、二冠を達成。美帆選手も、冬季では日本人初となる「一大会で金・銀・銅メダル獲得」という快挙を達成しました。
【プロ野球 ジャイアンツ開幕投手列伝】
ここ数年、ジャイアンツの開幕投手を務めているのは、絶対的エース・菅野智之投手です。プロ2年目の2014年に初の大役を任された菅野投手は、16年まで3年連続で開幕投手を務めて3連勝。昨年は開幕前にワールド・ベースボール・クラシックに出場したため、疲労を考慮して開幕投手をマイコラス投手に譲りましたが、今シーズン、もし開幕戦に先発して勝てば、開幕投手・通算4勝目となり、球団タイ記録に並びます。
過去に4勝したピッチャーといえば、通算310勝を挙げた別所毅彦投手。1950年代にジャイアンツの開幕投手として、4勝を挙げています。そしてもう一人が、1990年代に“平成の大エース”と呼ばれ、現在ジャイアンツの一軍投手総合コーチを務めている斎藤雅樹投手です。
一方、ジャイアンツで過去最も多く開幕投手を務めたのは、今シーズン、メジャーリーグから10年ぶりにジャイアンツに復帰した上原浩治投手です。99年、1年目にいきなり20勝を挙げ、鮮烈なデビューを飾った上原投手。2年目の2000年から06年まで、7年連続で開幕投手を務めたのが、現在もジャイアンツでの最多記録です。
来週のスポーツ伝説は……
4月2日(月) カーリング 両角友佑・公佑選手
4月3日(火) カーリング女子 LS北見
4月4日(水) 女子サッカー 阪口夢穂選手
4月5日(木) 女子サッカー 田中美南選手
4月6日(金) プロ野球 背番号列伝17番
お楽しみに!!