【ラグビー 五郎丸歩選手】
12月26日まで行われるラグビー・トップリーグのリーグ戦。話題の中心となっているヤマハ発動機の五郎丸選手は、スーパーラグビー・オーストラリアのレッズでもプレーすることが決定しました。
オファーがあったのは、ワールドカップ1次リーグ最終戦の10月11日、アメリカ戦の直後でした。五郎丸選手は、ワールドカップで日本歴代最多の58得点をマーク。ベストフィフティーンのドリームチームにも選出されました。そんな五郎丸選手に、いち早く着目したのがエディー・ジョーンズ前ヘッド・コーチ。「君にはメンタルのコーチが必要だ」と指摘し、精神統一のためのルーティンが生まれることに。その甲斐あって、プレースキックは正確無比なものになりました。その自信が、今回のスーパーラグビーのレッズ加入へと繋がります。「失うものは何もない。もう一度、ゼロからスタートできる挑戦に大きな魅力を感じる」と、意気込みを語っています。
【サッカー 香川真司選手】
ある共通の条件を持つチームが対戦することを、サッカーではダービーマッチと言います。ドイツ・ブンデスリーガで世界的に注目されたのが、11月8日に行われた『ルールダービー』。ルール工業地帯にホームを置く、ドルトムントとシャルケの一大決戦で、90年もの歴史を持つ伝統の1戦です。ドルトムント・香川選手の今シーズンの公式戦通算7ゴール目は、値千金の先制弾。香川選手がヘディングでゴールを決めたのは、マンチェスター・ユナイテッドでは約2年半前に1ゴールの記録があるものの、ドイツでは2012年3月17日以来、約3年半ぶりという珍しい1シーンでした。一進一退の試合展開の結果、3対2でドルトムントがシャルケを下すと、街中に溢れたサポーターが深夜まで「カガワシンジ」の大合唱を行いました。
2010年7月1日、J1セレッソ大阪から、約4000万円でドルトムントに移籍。それからわずか2シーズンで、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍金は約16億円に跳ね上がりました。しかし14年8月31には、再びドルトムントに復帰。今シーズンから就任したトーマス・トゥヘル監督が着手した再生策が功を奏し、完全復活を果たしました。
【プロ野球 大谷翔平投手】
11月8日に行われた野球の国際大会『プレミア12』1次ラウンドの韓国戦。日本代表の大谷投手のピッチングは、6回を無失点の10奪三振。小久保裕紀監督が「大谷に尽きる」と絶賛しました。そして19日の決勝トーナメント準決勝で、再び韓国と対決。大谷投手は7回をわずか1安打無失点、11奪三振と韓国打線を再び完璧に抑えました。試合はその後、リリーフ陣が打たれ、日本はまさかの逆転負けを喫しましたが、大谷投手はその存在を世界に大きくアピールしました。
8月26日の西武戦では、シーズン最速の161キロをマーク。レギュラーシーズンで最多勝のタイトルも獲得しましたが、栗山英樹監督は「なんで20勝できなかったんだという思いが強い」と、あえて厳しい評価を。それだけに、二刀流とは言うものの、プレミア12ではバットを持参しませんでした。ただ、MLBの公式サイトでは「日本の若き天才が、早くも大会を支配」との紹介の他に「バッティングも見たかった」とのコメントも。期待の大きさがうかがえます。
【プロ野球 鈴木康二朗選手】
1977年、巨人・王貞治選手が世界タイ記録の通算755号本塁打を放つと、注目は一気に最高潮になりました。対戦する投手の多くは意図的に勝負を避けましたが、ヤクルトの鈴木投手はシンカーで勝負を。そして、世界新記録となるホームランを打たれた投手として、球史に名を残すことになったのです。
歴史的な敗戦を喫した夜、鈴木さんが新聞を広げると、王選手のコメントが。
『めぐり合わせだろうが、鈴木投手にはしんどい思いをさせた。申し訳ない』
この一言で、鈴木投手にはむしろ生気がみなぎってきたのだそうです。登板翌日はベンチ入りしない日でしたが、敢えて練習に参加。「もしあの一発で挫折したら、それこそ王さんに対して失礼でしょう。振り返ってみれば、打たれたお陰で成績が上がったと思う」と話していました。
【プロ野球 マイク・ラインバック選手】
阪神タイガースで5年。ランディ・バース選手と並ぶタイガース史上最強の外国人選手と言われるのが、ラインバック選手。打撃だけではなく、守備、そして走塁でもスタンドからの熱視線を独り占めした伝説のプレーヤーです。
1979年には130試合フル出場を果たし、シーズン27本塁打を放っています。その中でも伝説の一発となったのが、6月2日の巨人戦でのホームラン。この試合は、ドラフトで阪神から指名を受けながら前代未聞のトレードで巨人に入団した江川卓投手が先発。しかも、プロ初登板。試合をひっくり返すラインバック選手の逆転3ランがスタンドへ飛び込むと、阪神ファンは大騒動。なかなか騒ぎが収まらず、試合を再開できなかったほどでした。70年のメジャーリーグ・ドラフト1巡目指名でオリオールズに入団。期待の割に、メジャーではわずか12試合に出場したのみで、キャリアの大半がマイナー生活。日本で急成長した伝説の選手です。
来週のスポーツ伝説は……
12月21日(月) プロ野球 デーブ・ロバーツ選手
12月22日(火) プロ野球 筒香嘉智選手
12月23日(水) プロ野球 中田翔選手
12月24日(木) プロ野球 佐藤道郎選手
12月25日(金) プロ野球 大下剛史選手
以上の5選手をご紹介します。