スポーツ伝説

6月1日~5日の放送内容

【メジャーリーグ イチロー選手】

 マーリンズのイチロー選手が生ける伝説となりつつあります。ヤンキースを退団してから、複数のチームからのオファーがあった中で、あまり条件の良くなかったマーリンズを選んだ理由は、試合への出場機会の多さだと言われていました。でも実は、もう一つ隠れた理由があったと言われています。それは、マーリンズ以外は「メガネ、もしくはコンタクトレンズを使用すること」という条件が盛り込まれていたからだというもの。様々な獲得調査で、年齢的な視力の衰えがあると判断されたのだそうです。しかしこれまで、バッティングに影響するからと、視力矯正なしで多くの記録を作ってきたというプライドのあるイチロー選手。見栄え的にも、受け入れられなくても不思議はありません。
 アメリカでは、まず注目を浴びることのない日本のプロ野球記録。しかし王貞治さんは、“ビッグワン”として、アメリカでも別格の存在。それだけに、イチロー選手が日本時間4月26日のナショナルズ戦で、日米通算1968得点の日本人最多得点記録をマークした時は、異例の注目を集めました。その後、日本時間4月30日のメッツ戦で、イチロー選手はまたも王さんの記録を破りました。プロ2年目の1993年から、日米を通じて23年連続となる本塁打をマーク。ファンとナインの祝福に、さすがのイチロー選手も言葉を詰まらせていました。

  

【プロ野球 福浦和也選手】

 “幕張のケン・グリフィー・ジュニア”“幕張の安打製造機”など数々の異名を持つ、ロッテ・マリーンズの福浦選手。プロ22年目の今シーズンに目指すのは、開幕前に残り135本に迫った2000本安打です。1993年のドラフト会議は、大学生と社会人に限り逆指名が認められるなど、大幅なルール改正が行われ、同時にフリーエージェント制度もスタートした改革元年。この第29回ドラフト会議で、全体の最後、64番目にロッテから7位指名を受けたのが福浦選手でした。
 1997年に1軍に昇格すると、イチロー選手のトレードマークだった振り子打法でレギュラーをつかみます。才能が開花したのは2001年。前年オフにイチロー選手がメジャーに移籍し、ポスト安打製造機の座を巡り、福浦選手と、当時日本ハムの小笠原選手が熾烈な首位打者争いを繰り広げました。その結果、打率3割4分6厘で福浦選手が初の栄冠を手中に。そしてこのシーズンから、6年連続の打率3割をマークしています。



【プロ野球 和田豊選手(現監督)】

 今年、阪神タイガースは創立80周年の節目を迎え、「何としても優勝を」との気運が高まっています。1985年から1度もタテジマのユニフォームを脱いだことがない和田監督は、神戸でのパレードを熱望。それには、ルーキー時代の感動をもう一度味わいたいという思いがありました。
 1984年、ドラフト3位で入団した和田選手は、1年目から守備力を買われて1軍昇格を果たします。しかし出場はわずか39試合。ただ、10月16日の神宮球場では、21年ぶりとなる優勝の瞬間、途中出場でショートを守っていました。そして日本シリーズでは、球団初の日本一に輝いたのです。選手時代は、守備の堅実さと流し打ちのうまさが伝説となりました。1993年には、リーグ最多の161安打を放つも、最多安打のタイトルが制定されたのは翌年から。翌年も165安打をマークしますが、残念ながらタイトルは獲得できませんでした。しかしその活躍を球団から評価され、オフには生え抜き初の1億円プレーヤーとなったのです。



【柔道 吉田秀彦選手】

 1992年のバルセロナオリンピックで、お家芸のはずの柔道が大苦戦。金メダル候補が次々と敗れていきました。流れを変えたのは、男子代表最年少22歳の吉田選手。一回戦を18秒で制し波に乗ると、次々に強豪を撃破。全試合一本勝ちで金メダルを獲得したのは、オリンピック史上5人目の快挙でした。
 しかし、その道のりは困難続きでした。代表決定直後、5月の試合で左足首を故障。調整が大幅に遅れた上に、8kgも体重を落とす必要に迫られました。辛い状況の中、コーチ陣は精神面でも喝を入れようと、バルセロナ入り直後の練習相手に古賀稔彦選手を選びました。その時、乱取り中に古賀選手が左ヒザを負傷。関係者全員が青ざめる中、古賀選手は「気にするな」と吉田選手を激励。「自分にできることは全力で試合に臨むことだけ」と強い信念が芽生えたのだそうです。



【卓球 石川佳純選手】

 卓球は老若男女を問わず、少人数で誰でも気軽にプレーできるため、競技人口が多いスポーツ。そんな卓球界で、女子日本代表の石川選手は抜群の人気を誇っています。今年、中国の蘇州て開催された卓球の世界選手権では、石川選手は吉村真晴選手との混合ダブルスで決勝進出。これは日本選手として38年ぶり。残念ながら金メダル獲得はできませんでしたが、もしも優勝となれば、46年ぶりの快挙でした。
 昨年からよりパワフルになった石川選手は、筋力トレーニングなどを積極的に取り入れ、下半身の強化も図っています。そしてもう一つ、飛躍の原因となっているのが公式ボールの変更。これまでのセルロイド製からプラスティック製に変わり、直径も0.5mm大きくなりました。今までのものよりスピードや回転量が落ちるため、石川選手には有利だとする見方が有力。東京オリンピックへ向け、期待は高まるばかりです。



来週のスポーツ伝説は……

 6月 8日(月) 女子サッカー 澤穂稀選手
 6月 9日(火) プロ野球 西沢道夫投手
 6月10日(水) プロ野球 丸佳浩選手
 6月11日(木) プロ野球 金田留弘選手
 6月12日(金) プロ野球 大友工投手

                       以上の5選手をご紹介します。
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