スポーツ伝説

8月22日~26日の放送内容

【プロ野球 ライアン・マクブルーム選手】

 今シーズン、広島カープの新たな大砲候補として来日した新外国人、マクブルーム選手。アメリカ・マイナーリーグでは通算134本のホームランを放った助っ人スラッガーです。コロナ禍で来日が開幕直前にずれ込みましたが、3月31日にマツダスタジアムで行われた阪神戦で、フェンス直撃の決勝タイムリーツーベースを放ち、初のお立ち台を経験しました。
 4月7日の巨人戦では、初回2点を先制された直後、レフトスタンドへ同点ツーランを放ちます。これが待望の来日第1号。試合の流れを引き戻し、みごと勝利に貢献しました。この試合では7回、151キロの速球を左後頭部付近に受けて、途中退場するアクシデントもありましたが、2日後、9日の阪神戦から四番でスタメンに復帰。タイムリーを含むマルチヒットで勝利に貢献、頼れるところを見せてくれました。7月1日の巨人戦では、マクブルーム選手は初回に先制タイムリー、4回に左中間へのツーベース、5回には8号ツーランを放つ大活躍。翌日の巨人戦でもサヨナラツーランを放ち、これが今シーズン9度目の勝利打点となりました。

  
 
【プロ野球 アダム・ウォーカー選手】

 今シーズンの推定年俸は3400万円。読売ジャイアンツの新外国人、ウォーカー選手はメジャーリーグでプレーした経験はなく、昨年までアメリカ独立リーグでプレーしていました。春先は控えでしたが、勝負強いバッティングを買われ、4月中旬からレフトのレギュラーに定着。5月はホームラン6本と打ちまくり、6月1日のソフトバンクとの交流戦では、早くも10号の大台に乗せました。前半戦を終えて、ホームラン19本、打点42はいずれもチーム2位タイで、主砲・岡本和真選手に次ぐ数字です。
 非凡な打撃を見せるウォーカー選手ですが、守備面で弱点が露呈します。特に外野からの送球が、ダイレクトで内野に届かなかったのです。そこで、亀井善行外野守備兼走塁コーチとのマンツーマン指導が始まりました。亀井コーチは、時にはブルペンで投げさせ、投げるときはどこの筋肉をどう使えばいいのか、根気よく指導します。すると、持ち前の野球センスで守備力を向上させていったウォーカー選手。外野からの送球でランナーを刺したり、ファインプレーもたびたび見せ、スタンドから拍手が贈られることも増えました。

   
 
【プロ野球 山崎晃大朗選手】

 今月、29歳になったばかりの東京ヤクルトスワローズ・山崎選手。最大の武器は50m走を5秒台で走る俊足ぶりです。短距離だけでなく長距離走も得意で、持久力はチームトップクラス。身長173㎝と小柄ながら、ダイヤモンドを駆けまわる韋駄天ぶりでファンの声援を集めています。日本大学を経て、2015年のドラフト5位でヤクルト入り。1年目は二軍で38盗塁を記録し、ファーム盗塁王となりました。一軍でのレギュラー獲得とはいきませんでしたが、昨シーズンは自己最多の114試合に出場。ときに1番打者として足で掻き回し、ときに代走や守備固めとして、リーグ優勝と20年ぶりの日本一に貢献しました。
 レギュラーを目指して、昨年のシーズンオフにはチームの大黒柱で同じ左バッター、青木宣親選手に弟子入りし、打撃改造に着手。コロナ対策で対面が難しい場合は、青木選手に動画を送って事細かにアドバイスを求めるなど、バッティングでの飛躍を誓って今シーズンを迎えました。課題のバッティングで、山崎選手は今シーズン、ファンを大いに沸かせたシーンがあります。5月25日、北海道日本ハムファイターズとの交流戦。ヤクルトは2点を追う9回、ノーアウト ランナー二・三塁のチャンスで、山崎選手は今シーズン第1号を。人生で初めての劇的なサヨナラホームランとなったのです。実はこの前日も、主砲・村上宗隆選手のホームランでサヨナラ勝ちを収めていたヤクルト。2試合連続サヨナラアーチは34年ぶりでした。


  
【プロ野球 牧原大成選手】

 育成出身選手から次々とスターが出てくる福岡ソフトバンクホークスにとって、最大の当たり年が2010年の育成ドラフトです。4位の千賀滉大投手は球界の大エース。6位の甲斐拓也選手は日本を代表するキャッチャー。そんな2人に挟まれた育成5位の牧原大成選手も、ソフトバンクの攻守両面において欠かせない選手に成長しました。牧原選手の名が大きくクローズアップされたのは14年です。この年は二軍のウエスタンリーグでヒットを量産し、シーズン最多安打記録を120まで更新。打率3割7分4厘という好成績で、ウエスタンリーグ首位打者に。その活躍ぶりから、オフに開催された21歳以下の野球ワールドカップに選出されます。
 若き侍ジャパンのキャプテンを任されると、打率4割5分5厘の好成績でショートのベストナインに輝くとともに、最優秀守備選手にも選ばれました。チームは惜しくも準優勝に終わりましたが、チームを牽引した牧原選手は確かな存在感を発揮したのです。今年5月は月間打率、4割5分3厘、6月も打率3割3厘と好調をキープ。このふた月の間に行われたセ・パ交流戦では、打率3割8分3厘の高打率をマークし、交流戦打率2位の好成績を残しました。
  


【プロ野球 増田陸選手】

 茨城県の明秀学園日立高校時代は、走攻守に優れたショートとして鳴らした増田選手。2018年のドラフト2位で、巨人に入団します。背番号は、坂本勇人選手が入団したときにつけていた61番で、“坂本二世”と将来を期待されてのプロ入りでした。ところがプロ1年目の2019年、かねてから不安のあった左手首の状態が悪化。シーズン中に手術を受け、昨年オフ、いったん育成契約となります。今年の春キャンプは三軍からのスタートとなりましたが、持ち前のひたむきなプレーでアピール。開幕前に支配下選手に復帰すると、5月ついに初の一軍昇格を果たします。中田翔選手ら強力なライバルを押しのけ、一時ファーストのレギュラーに定着。6月に入ると、増田選手に大きな見せ場が巡って来ます。
 6月3日、千葉ロッテとの交流戦。ロッテの先発は、4月に完全試合を達成した佐々木朗希投手でした。2回、ノーアウト三塁と先制のチャンスで、増田選手に打席が回って来ます。佐々木投手は、初球から160キロ台のストレートを連発。増田選手は5球目、161キロの真っ直ぐを振り抜くと、右中間を破る先制のタイムリーツーベースに。これが口火となり、巨人打線は5点を奪って佐々木投手をKOしたのです。
 
  

来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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