スポーツ伝説

11月20日~24日の放送内容

【プロ野球 安藤優也投手】

 阪神タイガースひとすじ16年。2003年と2005年のリーグ優勝に大きく貢献し、今シーズン限りで現役を引退した右腕、安藤投手。法政大学を卒業後、社会人野球の強豪・トヨタ自動車を経て、01年のドラフト自由獲得枠で阪神に入団。以降、縦縞のユニフォームひとすじで、甲子園のマウンドに立ち続けてきました。実は安藤投手、大学を卒業する際はプロへの道を諦め、就職して軟式野球に転向するはずでした。でも後に夫人となる彼女からの一言に背中を押され、地元・大分銀行から出ていた内定を断り、トヨタ自動車へ入社。硬式でのプレーを続けたことで、プロへの道が開けていったのです。
 阪神入団後は、まずは中継ぎエースとして台頭した安藤投手。03年には51試合に登板し、18年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献。当時の星野仙一監督から「今年勝てたのは安藤のおかげ」と絶賛されました。また、04年にはアテネ五輪にも出場しながら、シーズンでも57試合に登板。阪神投手陣の屋台骨を支えました。05年からは先発に転向。この年、11勝5敗で最高勝率のタイトルを獲得し、再びリーグ優勝に貢献。08年から3年連続で開幕投手を務めるなど、“虎のエース”としてファンからも多くの支持を集めました。右肩痛に悩まされる時期も過ごしながら、13年からは再び中継ぎに転向して4年連続で50試合以上に登板。ただし今年は若手投手の台頭もあってシーズン終盤まで一軍登板の機会がなく、ついに引退を決意したのです。


 
【プロ野球 森野将彦選手】

 9月24日、本拠地・ナゴヤドームで引退試合を終えた中日ドラゴンズ・森野選手は、横浜市出身の39歳。東海大相模高校から1996年にドラフト2位で中日に入団。1年目から一軍出場を果たします。入団したときはショートでしたが、とにかく出場機会を求めて練習を重ねた結果、内野・外野、どこでも守れるユーティリティプレーヤーとして活躍。ピッチャーとキャッチャー以外の、すべてのポジションを経験しました。
 打撃面では長打力と勝負強さを兼ね備え、2009年には森野選手自身自己最多のホームラン23本・109打点を記録。10年には、これも自己ベストとなる打率3割2分7厘をマークし、選手会長としてもチームをリーグ優勝に導きました。残念ながら打撃タイトルにはあと一歩手が届きませんでしたが、落合監督時代に4度のリーグ優勝と、07年の日本一に貢献したことは何よりの勲章です。

   
   
【プロ野球 井口資仁監督】
 
 今年6月、シーズン中に会見を開き、今シーズン限りでの引退を表明した千葉ロッテマリーンズ・井口選手。青山学院大学を経て、1997年にドラフト1位で福岡ダイエーホークスに入団。走攻守・三拍子そろった内野手として活躍しました。2005年にメジャーリーグ、シカゴ・ホワイトソックスに移籍し、1年目にワールドシリーズ制覇を経験。メジャーで4年間プレーした後、09年にロッテに移籍し、日本球界に復帰。翌10年の日本一に貢献しました。13年には、日米通算2000本安打を達成。チーム最年長として活躍してきましたが、プロ21年目の今年を区切りに、現役引退を決めたのです。
 9月24日、ホーム・ZOZOマリンスタジアムで行われる北海道日本ハム戦で引退試合を行った井口選手は、10月14日に球団からのオファーを受け、ロッテ監督就任を発表。元・日本人メジャーリーガーが監督に就任するのは史上初。指導者としての手腕にも注目です。


  
【プロ野球 田嶋大樹投手】

 今年のドラフトで“社会人ナンバーワン左腕”と言われたのが、2球団競合の末にオリックスからドラフト1位指名された、JR東日本のエース・田嶋投手です。中学時代に日本代表に選ばれ、世界野球選手権で3位の原動力になった田嶋投手。高校は栃木県の強豪校・佐野日大高校で、1年生の秋からベンチ入りを果たし、2014年のセンバツ大会ではベスト4進出。サウスポーで、当時すでに最速145キロを計測したキレのある速球は、プロのスカウトからも高い評価を受けていました。
 しかし田嶋投手は高校から即プロを目指さず、社会人野球に進みます。そしてこの社会人時代、さまざまな出会いや教えによって、より完成度の高いピッチャーへと成長していったのです。高校で145キロ前後だった球速は、今では最速152キロに。今年夏の都市対抗野球では毎試合先発でマウンドに立ち、3試合中2試合で完封勝利と、スタミナ面でも社会人ピッチャー屈指の存在になりました。ドラフト会議では、オリックスと西武が田嶋投手を1位指名。来年はいよいよプロとして、22年ぶりのリーグ制覇を目指します。  


  
【中村奨成選手】

 夏の甲子園大会で6ホーマー・17打点・43塁打・19安打。いずれも、一大会での歴代1位記録です。今年の夏、この記録を作って大きな話題を集めた選手が、広島県・広陵高校のキャッチャー・中村選手です。
 先月のドラフト会議では、広島・中日が1位指名。抽選の結果、地元の広島カープが交渉権を獲得しました。バッティングもさることながら、プロのスカウトたちが絶賛したのは、その強肩ぶり。遠投120m、相手が盗塁を図った際の二塁送球の平均タイムは1秒85。これは、プロのキャッチャー以上の数字です。近年、打てる捕手がいなくなったプロ野球。今シーズン、規定打席に到達したレギュラー捕手は12球団でたった2人だけということもあり、中村選手への期待は増すばかりです。


         
来週のスポーツ伝説は……

  11月27日(月) プロ野球 宮台康平投手
  11月28日(火) プロ野球 安田尚憲選手
  11月29日(水) プロ野球 山川穂高選手
  11月30日(木) メジャーリーグ アーロン・ジャッジ選手
  12月 1日(金) 陸  上 大迫傑選手
            
                       お楽しみに!!
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