スポーツ伝説

2月18日~22日の放送内容

【プロ野球 星野仙一監督】

 1985年、バース・掛布・岡田のクリーンアップが爆発し21年ぶりのリーグ優勝と日本一に輝いた阪神タイガースですが、その後は低迷が続き、しばらく優勝から遠ざかっていました。その流れを変えたのが、2002年から指揮を執った星野監督です。前年まで中日ドラゴンズの監督を務めていた星野監督は、就任要請を受け、さっそくチーム改革に乗り出します。就任1年目は、4年連続最下位だったチームを4位に。2年目の03年はは、広島から金本知憲選手、メジャーリーグでプレーしていた伊良部秀輝投手ら、大胆な補強で戦力を整え、チームは開幕からスタートダッシュに成功。独走状態に入り、まだ前半戦の7月8日に異例の早さで「マジック49」が点灯しました。
 ところが、9月に入って優勝が間近になると、阪神は引き分けを挟んで5連敗。マジックは「2」のまま、9月15日に本拠地・甲子園球場に帰ってきた阪神は、デーゲームで広島と対戦。赤星憲広選手のサヨナラヒットが飛び出し、阪神はようやく18年ぶりの優勝を手にしたのです。

   

【プロ野球 松中信彦選手】

 同じシーズンに、首位打者・ホームラン王・打点王の打撃3冠をすべて獲得する三冠王。2リーグ制が始まってから、達成されたのはのべ10回。達成した選手は、野村克也選手・王貞治選手、3度達成した落合博満選手など、たった6人しかいません。そのうち、平成唯一の三冠王が松中選手。
 2004年(平成16年)の松中選手は、打率3割5分8厘、ホームラン44本、120打点の堂々たる成績。ホームランは日本ハムのフェルナンド・セギノール選手と同数でタイトルを分け合いましたが、1986年の落合選手とランディ・バース選手以来、実に18年ぶりの三冠王に輝きました。以後、三冠を獲る選手は現れず、松中選手は「平成最初で最後の三冠王」となったのです。


   
【サッカー 家長昭博選手】

 昨シーズン、史上5クラブ目となるJ1連覇を果たした川崎フロンターレ。Jリーグ・ベストイレブンには、史上最多タイの7人が選出されました。中でも高い評価を集めたのが、リーグMVPを受賞した家長選手です。
 MVPの受賞コメントでは、「このような名誉ある賞を、6得点7アシストという平々凡々な記録でもらうのは心苦しいですけど……」と謙遜した家長選手ですが、リーグの誰もが認めるのは、数字に表れない部分での貢献です。爆発的な加速力や運動量で、数多くの決定機を演出するのはもちろん、日々のトレーニングで鍛えあげた体幹の強さはリーグ屈指。この体幹をいかしたキープ力で、攻守両面でチームを落ち着かせるタメを作り出していたのです。今シーズン、リーグ3連覇とアジアチャンピオンズリーグ優勝を目指す川崎は、「アジアでも川崎が強くて勝てるチームだと見せつけたい」と語る家長選手のもと、アジア制覇を目指すシーズンがいよいよ始まります。

  
  
【サッカー シュミット・ダニエル選手】
 
 「現代フットボールでは、190㎝以上ないと良いゴールキーパーとは言えない」と発言して物議をかもしたのが、ハリルホジッチ・元日本代表監督です。ハリル監督は「世界と比較して、もっとも差があるのがゴールキーパーだ」と語り、2016年には異例ともいえる「ゴールキーパーだけの代表合宿」を実施しました。そのゴールキーパー合宿で当時、J2から唯一の合宿メンバーに選ばれたのが、身長196㎝のシュミット選手です。
 アメリカ人の父と日本人の母を持つシュミット選手の身長は、その時から更に2㎝アップ。日本代表としても、先月のアジアカップで代表入りするなど、ひときわ目立つ存在になりつつあります。今シーズン、日本人ゴールキーパーでは最高身長となる198㎝の体でベガルタ仙台のゴールマウスの前に立ちはだかるシュミット選手。川口能活選手と楢崎正剛選手という偉大なゴールキーパーが揃って現役を引退し、新たな日本のキーパーが求められている今、世界基準の肉体を持つ男の成長に期待が集まります。

 
 
【サッカー ジョー選手】
 
 昨シーズン、J1で24ゴールを挙げ、得点王とベストイレブンに輝いた名古屋グランパスのエースストライカー、ジョー選手。2003年、16歳の時にブラジルの強豪コリンチャンスでプロのキャリアをスタートさせると、05年にはロシアのチェスカ・モスクワへ移籍。その後も、プレミアリーグの強豪エヴァ―トンや、トルコのガラタサライなど、各国の強豪クラブで活躍してきました。17年にコリンチャンスに復帰すると、ブラジル全国選手権で18ゴールを挙げて得点王となり、MVPも獲得。そんな一線級のストライカーが昨シーズンの開幕直前、名古屋に電撃移籍しました。移籍金はJリーグ史上最高額の約12億円。
 鳴り物入りで日本にやってきたジョー選手は、18年のJ1開幕戦でいきなり同点ゴールをお膳立てするアシストを披露すると、同点で迎えた試合終了間際にはキーパーとの一対一を制し、決勝ゴールを決めました。その後もコンスタントにゴールを積み重ねていったジョー選手ですが、対照的にチーム成績は下降線。シーズン最終節でなんとかJ1残留を決めると、ジョー選手は人目もはばからず号泣しました。ゴールという結果だけでなく、人間力でも名古屋のファンを熱くさせるのがジョー選手なのです。

 

来週のスポーツ伝説は……

  2月25日(月) サッカー ダビド・ビジャ選手
  2月26日(火) プロ野球 五十嵐亮太投手
  2月27日(水) プロ野球 由規投手
  2月28日(木) プロ野球 岩隈久志投手
  3月1日(金) プロ野球 金子弌大投手
                       
お楽しみに!!
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