【箱根駅伝 青山学院大学】
往路・復路5区間ずつ、合わせて10区間を10人のランナーが襷を渡しながら走り抜く箱根駅伝。昨年、2位に7分以上の差を付ける11時間4分10秒で総合優勝を決め、大会3連覇を達成したのが、原晋監督率いる青山学院大学です。3回とも往路・復路ともにトップの「3年連続完全優勝」で、これは戦後初の快挙でした。しかも2016年の出雲駅伝・全日本大学駅伝も優勝し、学生3大駅伝3冠を達成。圧倒的な強さを見せ付けました。
中でも原監督が褒め称えたのが、4年生の一色恭志選手。3年連続でレース序盤の重要ポイントである2区を走り、毎年1時間7分台の安定した走りを見せたからです。「一色がいるから、メンバー選びのパズルがガチっとはまる。プレッシャーがかかる中でよく走った」という原監督。一色選手が卒業した今年は、誰が“花の2区”の後継者を務めるのかも注目です。
【プロ野球 背番号列伝30番】
30番の選手といえば、まず思い浮かべるのが右ピッチャー。その代表格が、プロ9年間で通算135勝を挙げ、80年代の巨人軍を支えた右腕エース・江川卓投手です。その後、巨人で30番をつけた選手は、西村健太朗投手や、現在つけている宮國椋丞投手など、右投手が多いのは江川投手のイメージがあるからかもしれません。現在活躍していて昨シーズンまで背番号30をつけていたピッチャーというと、2015年・16年と2年連続で2ケタ勝利を挙げ、去年の日本一にも貢献した福岡ソフトバンクホークスの武田翔太投手ですが、こちらもやはり右ピッチャーでした。
近年、30番は右のリリーフ投手がつける番号、という印象があります。そのイメージを定着させたのが、07年に90試合に登板し、シーズン最多登板のプロ野球記録を作った阪神タイガース・久保田智之投手と、千葉ロッテマリーンズの守護神として05年の日本一に貢献した小林雅英投手です。小林投手はその後メジャーリーグを経て、10年に巨人に移籍しましたが、その際も30番をつけています。
野手で30番をつけている選手は意外と少ないですが、この番号を入団から引退まで13年間つけ続けたのが、阪神タイガースの平田勝男選手です。それからもう一人忘れてはならないのが、中日ドラゴンズに1992年から97年まで6年間在籍した外国人アロンゾ・パウエル選手。確実性のあるバッティングで94年から3年連続でセ・リーグ首位打者に輝きましたが、これは外国人選手として初めての快挙でした。
【バスケットボール 辻直人選手】
現在、創設から2シーズン目が展開中のバスケットボールのプロリーグ・Bリーグ。去年の9月に開幕し、今年5月まで行われるレギュラーシーズン60試合と、チャンピオンシップによってリーグ年間王座を争いますが、もう一つのビッグタイトルが天皇杯です。今年で93回目を迎える歴史ある大会・天皇杯は、通称・オールジャパンと呼ばれるトーナメント戦で、Bリーグ1部のチームだけでなく、2部や3部、さらには大学生や社会人クラブも出場する国内最大の大会です。ここまで勝ち上がり、4日からのファイナルラウンドに出場できるのは8チーム。中でも並々ならぬ決意で臨むのは、川崎ブレイブサンダースです。昨年のオールジャパンでは決勝戦に進みながら、千葉ジェッツに破れ準優勝。その後、Bリーグのレギュラーシーズンでは最高勝率をマークしながら、チャンピオンシップファイナルで栃木ブレックスに敗れ、これまた準優勝。初代王者の座もあと一歩で逃してしまいました。
悲願のビッグタイトルに向け、川崎を牽引するのが背番号14、エースの辻選手。スリーポイントを得意とするシューターで、その得点感覚を武器に日本代表としても活躍しています。シュート成功後のパフォーマンスも、今や名物の一つ。今年の天皇杯では“バスケ界のお祭り男”の華麗なプレーとパフォーマンスから目が離せません。
【高校サッカー 東福岡vs帝京】
今からちょうど20年前の1998年1月8日。東京の国立競技場で、第76回・全国高校サッカー選手権の決勝戦が行われました。ファイナルの舞台に勝ち上がったのは、夏のインターハイと全日本ユースを制し、史上初の高校三冠がかかっていた東福岡高校と、高校サッカー通算6度の優勝回数を誇る名門・帝京高校。インターハイ決勝戦でも相まみえた両校による因縁の対決はサッカーファンが待ち望んだものでしたが、この試合は世間的にも注目を浴びることになりました。決勝当日、東京は記録的な大雪に見舞われ、国立競技場のピッチは降りしきる雪で真っ白に覆われていたからです。延期になってもおかしくない状況ではありましたが、試合前にスタッフ総出で雪かきを行い、雪の上でも見えやすいよう黄色いボールを使用することでなんとか開催にこぎつけたのです。
試合のカギを握る注目選手は、のちに日本代表となった両チームのエース、東福岡の10番・本山雅志選手と、帝京のキャプテン・中田浩二選手。結果は、1点のリードを守りきった東福岡が史上初の高校サッカー三冠を達成しました。
【高校サッカー 野州vs帝京】
これまで、数多くのJリーガーや日本代表選手を輩出してきた全国高校サッカー選手権。今年開催されるロシアワールドカップにおいて、日本代表の切り札として活躍が期待されている乾貴士選手も、高校サッカー選手権決勝戦での活躍から注目されるようになった選手です。乾選手が決勝戦を戦ったのは、2006年1月9日に行われた第84回大会。決勝に進んだのは、大会連覇を目指す名門・鹿児島実業高校と、2回目の出場で初の決勝進出を果たした滋賀県立野州高校。野州の2年生エースとしてチームを牽引していたのが乾選手でした。この大会で野州高校は、サッカー界に衝撃を与えていました。選手全員が高いスキルを持ち、高校生とは思えない華麗なパスサッカーを展開。時にトリッキーなドリブルやヒールパスなども駆使する、創造性豊かなサッカーで快進撃を続け、ついに高校サッカー決勝戦の舞台へとたどりついたのです。
迎えた鹿児島実業との決勝戦。試合は延長戦に突入し、延長後半7分。高校サッカー史に残るゴールが生まれます。右サイドでボールを受けた乾選手がドリブルで切れ込み、ピッチ中央へ。するとここで、乾選手はヒールパスを選択し、味方選手をフリーに。乾選手のヒールパスが起点となって決めたこのゴールは「高校サッカー史上最も美しいゴール」と評されました。
今年の決勝戦は来週8日(月)、14時5分にキックオフです。
来週のスポーツ伝説は……
1月8日(月) 卓 球 丹羽孝希選手
1月9日(火) 卓 球 吉村真晴選手
1月10日(水) 卓 球 張本智和選手
1月11日(木) 大相撲 隠岐の海歩関
1月12日(金) 大相撲 安美錦竜児関
お楽しみに!!