スポーツ伝説

11月30日~12月4日の放送内容

【プロ野球 佐藤輝明選手】

 今年のドラフトで4球団から1位指名を受け、阪神が交渉権を引き当てた近畿大学の佐藤選手。関西学生野球リーグの通算最多ホームラン記録を22年ぶりに更新した、期待のスラッガーです。身長187㎝、体重94㎏の立派な体格を誇り、アマチュア最強打者と呼ばれる佐藤選手ですが、高校時代に野球を始めたのは、友人に誘われて何となくでした。ところが初めて硬式ボールで練習したことで、野球への情熱が目覚めます。転機が訪れたのは、2年生の冬のことでした。野球部に誘ってくれた友人の勧めで、ジムでのウエイトトレーニングに加え、自宅にもベンチプレス置いて筋トレを続けたことで一気にパワーアップ。長距離打者の片鱗を見せ始めたのです。
 近畿大学に入学した佐藤選手は、スラッガーとしての資質もどんどん伸びていきます。フリー打撃では右中間のフェンスを軽々と越えてしまうため、佐藤選手だけ別のグラウンドで打撃練習を行うように。またバッティングだけでなく、50m走は6秒0、遠投は100mを誇り、走攻守・3拍子揃った規格外の大砲へと成長を遂げたのです。プロでの目標は、ホームラン王。40発から50発を当たり前に打てるような選手になりたいとも宣言しており、目標も規格外です。



【プロ野球 伊藤大海投手】

 ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズからの単独1位指名を受けたのは、生まれも育ちも北海道の道産子、苫小牧駒澤大学の伊藤投手です。日本ハムにとっても球団移転後、北海道出身選手の1位指名は初めてのことでした。駒大苫小牧高校ではセンバツ甲子園にも出場し、初戦で完封勝利も経験。卒業後は上京して駒沢大学に進学します。しかし未来が見えないという理由で1年秋に大学を辞め、故郷の北海道に戻りました。
 翌2017年、苫小牧駒澤大学に再入学し、野球を始めた伊藤投手。規定により1年間は公式戦に出場できませんでしたが、その期間に肉体改造と投球フォームの見直し、さまざまな変化球の習得に費やしました。すると、出場解禁となった2年春にリーグ戦で6勝をマーク。チームを大学選手権出場に導くと共に、大学日本代表にも選ばれたのです。大学3年になった19年には、大学日本代表の守護神を務めるなど、剛腕ぶりをますます発揮。今年は新型コロナウイルスの影響で目指していた大学日本一は幻に終わりましたが、リーグ戦では最速155キロのストレートに加え、多彩な変化球でも相手バッターを翻弄。防御率0.55という圧倒的な内容でチームを優勝に導き、自身も最高殊勲選手に選ばれました。



【プロ野球 渡部健人選手】

 身長176cm、体重110kgの大きな体でホームランを量産する、桐蔭横浜大学の渡部選手。少年時代から体格が良く、中学時代は地元・横浜のシニアチームで活躍しました。その後、横浜商科大学高校に進学。1年生の夏からレギュラーとして出場していましたが、2年生の時、家庭の事情により、東京の通信制・日本ウェルネス高校に転校。高野連の規定により、1年間は公式戦に出場できなくなりました。試合に出られなかった間は、ベンチで記録員を務めながら、自分を改めて見つめ直した渡部選手。これが大きなプラスとなり、試合に復帰した3年生の春から四番に定着すると、高校通算25本のホームランをマーク。西武の中村選手になぞらえ“東東京のおかわり君”と呼ばれ注目されました。
 卒業後は桐蔭横浜大学に進学。今年秋の神奈川大学リーグでは10試合で8本のホームランを量産し、シーズンホームランのタイ記録を樹立。優勝に貢献してMVPに輝きました。一躍注目された渡部選手のもとには、今年、社会人野球の10チームから入社のオファーが届きました。でも渡部選手の心は、プロ一本。その覚悟が実って、晴れて西武ライオンズの1位指名を勝ち取ったのです。



【プロ野球 高橋宏斗投手】
 
 中日ドラゴンズが今年のドラフトで単独1位指名して交渉権を獲得した、地元・愛知県出身、中京大中京高校の高橋投手。183㎝・84㎏の堂々とした体格で、ストレートの威力は松坂大輔投手以上とも言われる剛腕タイプの右投手です。2年生だった昨年秋、新チームが結成されると高橋投手の快進撃が始まります。まずは県大会・東海大会を制すと、明治神宮大会ではチームを大会初優勝に。3年生になった今年は、春・夏とも甲子園大会が行われませんでしたが、愛知県の独自大会で8試合を勝ち上がり頂点に導きました。さらに夏に行われた甲子園交流試合では、智弁学園高校を相手に剛速球を連発。延長戦に入っても150キロ台のスピードを記録するなど、強豪を力でねじ伏せ、公式戦28連勝で高校生活を締めくくりました。
 高橋投手は当初、卒業後は大学に進学する予定でした。志望校は、5歳上の兄と同じ慶應義塾大学。しかし受験の結果、合格の報せは届きませんでした。この時、すぐに気持ちを切り替えてプロ志望届を提出すると表明した高橋投手。中日の与田剛監督も「最多勝・沢村賞も狙える。早い段階で、一軍に上がってくると思う」と期待する逸材です。



【プロ野球  山下舜平大投手】 
 
 新型コロナウイルスの影響で、春のセンバツも夏の甲子園もなかった2020年。高校生の才能を埋もれさせまいと、高野連とプロ野球側が連携して「プロ志望高校生・合同練習会」が初めて開催されました。このチャンスで実力を発揮したのが、150キロを超えるストレートと鋭く縦に曲がるカーブが武器の、山下投手でした。憧れの甲子園のマウンドに立った山下投手は、シート打撃でただ一人150キロを計測するなど、打者5人に対して3三振を奪い、スカウトの目を釘付けにしました。
 体重93㎏の立派な体格で、ストレートの最高球速は153キロを誇る山下投手ですが、実は球速は2年生の秋に記録した146キロ止まりでしばらく伸び悩んでいました。転機が訪れたのは、新型コロナウイルスの感染拡大によるチームの活動自粛。この自粛期間に、山下投手は基礎体力作りに励むと共に、股割りや下半身を意識したシャドーピッチングで股関節の可動域を広げ、体重移動をスムーズにするといったトレーニングを黙々と積み重ねました。その甲斐あって、活動再開後はじめてとなる練習試合で、ストレートは153キロを計測。カーブにもより一層磨きがかかり、一気にドラフト上位候補へと名乗りを上げたのです。
  


来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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