【フィギュアスケート 浅田真央選手】
今シーズンから完全復帰を目指すと宣言した浅田選手。休養を発表したのは昨年5月のことでした。その間にスキューバダイビングのライセンスを取得するなど、充実した日々を。しかし「自然と試合が恋しくなった。いい演技ができた時の達成感を得たいと思い始めた」と、リンクへの気持ちが全身に湧き上がってきたそうです。10月中旬には、アイスショーのために練習を再開。休養前まで指導を受けていた佐藤コーチには、今年1月に現役続行の意思を伝え、3月に指導を依頼。5月から共に練習を始めました。
この先はまず、暮れの全日本選手権出場が目標。この大会に出場するには、6月20日までの選手登録が必要です。続いて、秋からスタートするグランプリシリーズで実績をあげるか、地区予選を勝ち抜くという2つの選択肢が。いずれにせよ、「昨年の世界選手権のレベルまで持っていかないと、試合に復帰できない」と語っており、第1人者のプライドをかけての戦いが始まりました。
【プロ野球 田代富雄選手】
今季好調の横浜DeNA。本拠地の横浜スタジアムは、1998年の日本一以来の優勝に向け、大いに盛り上がっています。そのハマスタで初めてホームランを放った選手といえば、大洋ホエールズで活躍した田代選手です。
1991年10月10日の阪神戦は既に5位が確定した消化試合ながら、「4番サード、田代、背番号26」とアナウンスされると、スタンドから歓声が上がりました。打率0割0分0厘と、シーズンではここまで1本のヒットもないまま2軍落ち。しかしこの引退試合では、フル出場の予定でした。3回裏、2死満塁のチャンスで田代選手に打席が回ると、マウンド上の葛西投手の2球目を強振。打球は左中間スタンドに飛び込む満塁ホームランとなりました。これには、須藤監督もビックリ。サヨナラホームラン以外はベンチの外で出迎えないという誓いを破り、ヒーローと熱い抱擁を。「有終の美を飾れたな」と、フル出場のプランを変更。この打席でベンチに退きました。最終打席で満塁ホームランという最高のエンディングでピリオドを打ったのです。
【プロ野球 山崎康晃投手】
今季の横浜DeNAは、セ・パ両リーグ最速の20勝を達成したかと思えば、1964年以来、51年ぶりの7カード連続の勝ち越しなど、弱小ムードを一変。快進撃を支える象徴は、ルーキーの山崎投手です。“ハマの小さな大魔神”と、人気も急上昇中。4月22日の阪神戦から9試合連続セーブをマーク。1990年、中日の与田剛投手が記録した8試合連続セーブを超え、25年ぶりにプロ野球新人記録を更新しました。巨人の原監督も「山崎をもっと研究しなければいけない」と語るなど、その新守護神の存在は、ライバル球団の脅威となっています。
大学時代は、エースとして先発完投型。その山崎選手が抑えに転向したのは、昨シーズン、新人として21セーブの球団新記録を達成した三上朋也投手の怪我が関係していました。中畑監督は、三上投手の代わりとしてオープン戦で山崎投手をテスト起用。「先発させるとパッとしないのに、抑えではマウンドで輝く」と評価。「抑えをやりたい」という本人の希望もあり、守護神に抜擢したのです。
【プロ野球 清水隆行選手】
監督によって起用法が変わった選手の一人が、巨人の清水選手。熱狂的なジャイアンツファンの間では、いまだに「どうすればもっと活躍できたか」と、激論が飛び交うほどの天才バッターでした。1995年のドラフト3位で巨人に入団。積極的な打撃が買われてプロ1年目からレギュラーに定着し、長嶋監督の伝説・96年のメークドラマに貢献しました。翌年には打率3割をマーク。3年目には同期入団の仁志敏久選手との1・2番で話題を集めました。『バントと併殺が少ない攻撃型の2番打者』として、2年連続で打率3割をマークするなど、更なる飛躍を期待されます。しかし長嶋監督は、清水選手は左投手に弱いという固定観念を捨てようとせず、サウスポーが登板するとベンチへ。監督が勇退する2001年シーズンも、126試合に出場して、打率3割2分4厘をマーク。打撃好調にもかかわらず、規定打席には達していません。これには、多くの評論家が「他のチームなら不動の4番」と気の毒がりました。
ところが2001年オフ、清水選手に一大転機が到来。原コーチが監督に就任したのです。それと同時に背番号も35から9に変更。「1番を任せる」とハッキリ言われ、清水選手は一念発起。翌年には早速、191安打で最多安打のタイトルを獲得しました。リーグ優勝・日本一に貢献したのは、打撃だけではありません。難があると言われてきた守備でも、レフトでの刺殺数最多を記録。「監督の期待に応えたい」との一心で戦った結果でした。
【プロ野球 秋山翔吾選手】
西武ライオンズの秋山選手は、リーグトップの打率3割7分4厘で、3・4月の月間MVPを獲得。このペースが続けば、過去5人しかマークしていない年間200安打を軽く超える計算です。秋山選手といえば、走攻守が揃ったオールラウンダー。ファンからは、センターの守備を見るだけでも「お金を払う価値がある」と言われています。その守備のベースとなるのは、努力。研究に余念がなく、試合前には各選手のフリーバッティングで志願して外野守備につくという、1軍選手では異例の行動も。その積み重ねで、今があるのです。
2010年にドラフト3位で入団。翌11年、新人外野手では球団史上30年ぶりとなる開幕スタメンを勝ち取りました。そんな秋山選手は、孝行息子としても知られています。自身が母子家庭で育ったことから、今年、『1人親家庭への支援活動』をスタート。埼玉県内に住む1人親家庭の親子を西武プリンスドームに招待しました。試合前にはサイン会や記念撮影もするなど、最高のプレゼントを。この試みは、8月まで月1回のペースで継続される予定だそうです。
来週のスポーツ伝説は……
6月22日(月) プロ野球 工藤公康監督
6月23日(火) プロ野球 田辺徳雄監督
6月24日(水) プロ野球 川崎徳次投手
6月25日(木) 男子柔道 松岡義之選手
6月26日(金) 大 相 撲 照ノ富士関
以上の5名をご紹介します。