スポーツ伝説

3月1日~5日の放送内容

【プロ野球 田中将大投手】

 田中投手の東北楽天復帰は、球界だけでなく世間も驚かせました。田中投手は、昨年でヤンキースとの7年契約が終了し、オフに再契約交渉が行われましたが、新型コロナの影響で球団の収入が激減したこともあり難航。そこへラブコールを送ったのが古巣・楽天でした。楽天復帰を決断した理由について、「東日本大震災から10年。この10年という数字は何か自分にとって意味のあるタイミングと思った」とコメント。2014年からヤンキースに移籍した後も、田中投手は東北のファンのことを決して忘れませんでした。毎年オフには被災地を激励。楽天の練習施設を借りて自主トレを行うなど、良好な関係を保っていたのです。
 田中投手が今年目指しているのはもちろん、自分が去った13年以来遠ざかっている日本一。あの年「レギュラーシーズン24勝無敗」という空前絶後の記録も打ち立て、楽天を初の栄冠に導いた田中投手が、再び仙台のスタンドを沸かせます。



【プロ野球 吉田正尚選手】

 プロ5年目の昨シーズン120試合すべてに出場し、3割5分ちょうどの高打率で首位打者に輝いた、オリックス・バファローズの吉田選手。福岡ソフトバンクホークス・柳田悠岐選手とシーズン終盤までしのぎを削り、8厘差で競り勝ちました。オリックスの生え抜き選手が首位打者になったのは、2000年のイチロー選手以来、実に20年ぶりのことです。
 吉田選手がタイトルを獲得できた理由の一つが「好球必打」です。ベンチやネクスト・サークルからピッチャーの配球や決め球を研究し、相手がどんな攻め方をしてくるのか、狙い球を考えてから打席に向かっていました。その結果、昨シーズンの初球の打率は3割9分5厘。2ストライクになっても打率3割超を記録します。またボールを長く見極めることで三振数が大幅に減り、わずか29個。これは、規定打席に達したバッターの中で一番少ない三振数でした。今年はホームランをもっと増やして、全タイトル制覇を狙います。


  
【ハンドボール 土井レミイ杏利選手】

 “彗星ジャパン”の愛称で呼ばれる、ハンドボール男子日本代表。ただしこれまで世界の舞台では、彗星のような勢いある活躍とは無縁でした。オリンピックには1988年のソウル大会以降出場なし。2019年の世界選手権には出場できたものの、7戦全敗で最下位という厳しい結果に終わります。そんな低迷期に日本代表のキャプテンに就任したのが、大崎電気所属の土井選手です。
 フランス人の父と日本人の母を持つ土井選手は、日本体育大学入学後フランスへ留学。ハンドボールの世界トップレベルを誇るフランスリーグで、6シーズンプレーした逸材です。日本代表キャプテンに就任した土井選手は「メンタル面の強化」を課題に掲げ、選手たちの闘争心を引き出します。その効果もあって、20年のアジア選手権で、日本は銅メダルを獲得。土井選手も大会ベストセブンに輝く活躍を見せました。今年1月には、エジプトで開催された世界選手権に出場し、日本は24年ぶりの世界選手権・予選リーグ突破を果たしています。



【卓球 石川佳純選手】
 
 石川佳純選手が初めて全日本選手権を制覇したのは、ちょうど10年前の2011年1月。当時17歳の高校生でした。高校生の日本一は22大会ぶりとあって、“スーパー高校生”として話題を集めます。その後の2大会は、福原愛選手に決勝で敗れ優勝を逃しましたが、14年に2度目の優勝を果たすとそこから3連覇。名実ともに、日本卓球界の新たな顔として女王の座に君臨しました。
 しかしその後、平野美宇選手。伊藤美誠選手・早田ひな選手ら、2000年生まれの黄金世代が全日本を制覇。攻撃的な高速ラリーが持ち味の後輩たちに、女王の座を譲ってしまいます。限界説がささやかれる中、昨年は新型コロナウイルスの影響で、国内外の試合が軒並み延期や中止に。この期間に苦手のバックハンドを集中的に鍛え、受けて立つスタイルから攻めの姿勢に立ち返った石川選手。この意識改革が実を結び、今年1月の全日本選手権決勝に進出し、伊藤美誠選手を下して5年ぶりの全日本制覇を遂げました。



【卓球 及川瑞基選手】 

 及川選手は5歳の時、男子卓球のエース・張本智和選手の両親が監督を務める仙台ジュニアで卓球を始めました。中学3年生で、卓球の登竜門と言われるドイツ・ブンデスリーガに挑戦し、その後も度々武者修行に訪れています。
 ドイツでは様々なタイプの選手達と戦いながら、“思考する卓球”を身に付けた及川選手。昨年の全日本選手権・男子ダブルスで初優勝すると、ダブルスが開催中止になった今年の大会ではシングルスに出場し、準々決勝で優勝候補筆頭の張本選手と対決します。及川選手はサーブ時のポイントを確実に物にして、ラリーでは張本選手の得意技・チキータを封じて終始試合をリード。ゲームカウント4対1で快勝しました。及川選手は続く準決勝も制し、ついに決勝戦へ進出。追い込まれてからの大逆転で、初の全日本王者に輝きました。



来週のスポーツ伝説は……

3/8(月) 大相撲 大栄翔勇人関
3/9(火) 大相撲 明瀬山光彦関
3/10(水) プロ野球 嶋基宏選手
3/11(木) サッカー ベガルタ仙台
3/12(金) サッカー 内田篤人・長友佑都選手
                       
お楽しみに!!
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