スポーツ伝説

1月14日~18日の放送内容

【サッカー 三浦知良選手】

 1956年に始まり、今年で17回目を数えるサッカー・アジアカップ。この大会が日本のファンにも広く認識されたのは、自国開催だった92年です。この年、日本のサッカー界は、翌年にふたつの大きなイベントを控えていました。国内初のプロリーグ・Jリーグの開幕と、ワールドカップ・アジア予選です。当時の日本サッカーは、ワールドカップに出場したこともなければ、アジアの頂点に立ったこともない時代。そんな代表チームを強化すべく、アジアカップの半年前に就任したのが、初の外国人監督ハンス・オフトでした。
 アジアカップでは自国開催の地の利を生かし、初優勝を目指していた日本。一時はグループリーグ突破も危ぶまれましたが、決勝トーナメント進出を決めたのは、“カズ”こと三浦選手でした。強豪・サウジアラビアとの決勝戦でも、三浦選手のパスから決勝ゴールが生まれ、1対0で勝利。結果、みごと初優勝の栄冠を手にしたのです。大会MVPに選ばれた三浦選手は、のちにこの大会の意義をこう語っています。
「日本サッカーが変わった大会だと思います。あの時、優勝していなかったら、もうちょっと日本サッカーの成長速度は遅かったかもしれません」

   

【サッカー 中村俊輔選手】

 2000年のアジアカップを圧倒的な強さで制した、サッカー日本代表。連覇を目指して臨んだのが、04年に中国で開催されたアジアカップです。ところが、中田英寿選手・小野伸二選手・稲本潤一選手といった、ジーコ・ジャパンの目玉“黄金の中盤”の選手たちがケガで相次いで代表を辞退。そんな中、背番号10をつけて大活躍をみせたのが、当時イタリア・セリエAでプレーしていた中村選手です。
 中村選手は全ゴールに絡む活躍をみせ、見事に日本を大会連覇へと導きました。大会MVPはもちろん、中村選手。今でもこの時のアジアカップは、サッカーファンの間で「中村俊輔のための大会だった」と語り継がれています。

   
【サッカー アルベルト・ザッケローニ監督】

 中東・カタールの首都ドーハは、日本サッカーにとって長らく“悲劇の場所”として語られてきました。1993年10月、初のワールドカップ出場をかけたアジア地区最終予選。試合終了間際のロスタイムに失点し、ワールドカップの切符を逃した“ドーハの悲劇”が起こった場所だからです。それから18年後の2011年、史上初の4度目のアジア制覇をかけ、日本代表が乗りこんだのが、ドーハを中心に開催されたアジアカップ・カタール大会でした。
 当時の指揮官は、10年のワールドカップ後に就任したばかりのザッケローニ監督。アジアカップ前のテストマッチはわずか2試合。準備不足、連携不足を心配する声も少なくありませんでした。実際、大会初戦から格下のヨルダン相手に大苦戦。薄氷を踏むような戦いの末、なんとかグループリーグを首位で通過した日本。決勝リーグに進んでも苦しい戦いは続きますが、結果は2大会ぶりの優勝。日本代表は6試合中、ドーハで5試合を戦い、4勝1引き分け。ザック采配はことごとく的中し、史上最多4度目のアジア王者に輝いたのでした。
  
  
【テニス ロジャー・フェデラー選手】
 
 2018年のテニスの全豪オープンは、世界ランク2位、当時36歳のフェデラー選手が優勝し、大会2連覇を達成しました。この優勝で、4大大会で自身が持つ男子の最多優勝記録を更新する20個目のタイトルを手にしたフェデラー選手。全豪は男子最多タイとなる、6度目の制覇となりました。
 全豪連覇の結果、昨年2月に36歳にして、世界ランク1位に返り咲いたフェデラー選手。アンドレ・アガシ選手の33歳を抜く、史上最年長の返り咲き記録となりました。世界ランク1位に返り咲いたのは、5年4か月ぶり。「今回の1位は、僕のキャリアの中で最も大きな意味を持つものかもしれない」と、特別な思いを語りました。

 
 
【車いすテニス 上地結衣選手】
 
 昨年の全豪オープン、車いすの部・女子ダブルス。オランダのマジョレーン・バイス選手とペアを組んで決勝に進出したのが、日本が誇る車いすテニスプレーヤー・上地選手です。相手はオランダ人同士のペアで、上地選手以外はすべてオランダ人選手という組み合わせになりましたが、第1セット・第2セットとも上地・バイス組が制し、このコンビでは2年ぶり2度目の全豪制覇を果たしました。
 上地選手が今一番の目標にしているのは、来年開催される東京パラリンピックで金メダルを獲ること。3年前のリオデジャネイロ パラリンピックでは、開会式で日本選手団の旗手を務め、金メダルを期待されましたが、銅メダルに終わりました。「これまでと同じことをしていては、東京で勝てない」と考えている上地選手。一昨年から座面を3㎝高く調整した車いすで戦い、タイヤのサイズも変えています。同時に、新たなウィニングショットも追求。まずは全豪オープンでの「進化した上地選手」に注目です。

   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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