スポーツ伝説

9月7日~11日の放送内容

【プロ野球 工藤公康監督】

 現在、パ・リーグはソフトバンク・ホークスが8月にマジックを点灯させて独走状態。工藤監督は開幕前から、「勝負はオールスターの後」と語っていましたが、予想以上の展開です。『福岡の鉄人といえば、昔・稲尾で今・工藤』と言われているほど、工藤監督はほとんど休みをとりません。チームが完全休養になる日はあっても、先発が近い投手は調整を行います。それがほんの数人だけでも、工藤監督は必ずその場に立ち合うのです。監督が休まなければ、担当記者も休むわけにはいきません。先日、チーム勝利の後、担当記者が一様に元気のない表情を浮かべていると、監督から逆にエールが。星野仙一さんは阪神の監督時代、「担当記者も戦力」という名言を残しましたが、工藤監督も現役時代から、担当記者を大事にすることで有名です。
 工藤監督は、明るく、厳しく、相手には実にイヤだと感じさせる采配が特長。「どのチームもホークスとやりたくなくなるようなプレッシャーをかけたい」と、常々語っています。勝負どころでは一気呵成。まるでベテランのような試合運びで、優勝が目前に迫っています。



【サッカー 武藤雄樹選手】

 サッカー日本代表武藤選手といえば、今シーズンからドイツ・ブンデスリーガに移籍した武藤嘉紀選手がまず思い浮かびます。でも今、「じゃない方」として一気に全国区の知名度を得ているのが、浦和レッズの武藤雄樹選手。8月の東アジアカップ第1戦、北朝鮮戦に初出場。開始3分で初ゴール。これは、日本代表デビューゴールの最速記録となりました。しかも、「トップ下で先発したのは、ほぼ初めて」という武藤選手。ハリルホジッチ監督も「ここまでできるとは思わなかった」と、大満足の様子でした。
 大学卒業後の2011年、ベガルタ仙台に入団。それまではユース世代でも代表歴はなく、目立った記録もありませんでした。ガッツが目覚めたのは、入団直後に経験した東日本大震災がきっかけ。「しばらくはチームスタッフや寮の人と、明日のご飯をどうしよう、と真剣に考えました。あの体験からです。今をどう生きるか、人生と真剣に向き合ったのは……」と、振り返ります。更に人生を変えたのは、去年暮れに届いた浦和レッズからのオファー。一か八かの賭けだと腹をくくり、移籍を決意。すると、第1ステージ第6節の横浜Fマリノス戦で移籍後初ゴールを奪い、レギュラーに定着。5月16日のFC東京戦から4試合連続ゴールを記録するなど、チームの優勝に大貢献しました。東アジアカップでも、2ゴールで大会得点王に輝いています。
 

 
【大相撲  栃煌山関】

 9月13日、東京・両国国技館では大相撲9月場所が初日を迎えます。2006年1月場所の大関・栃東関以来、日本出身力士の優勝がない相撲界。今場所は、関脇・栃煌山関に注目が集まっています。
 猛暑が続いた7月場所で、白鵬・鶴竜の両横綱を破り、殊勲賞を獲得。しかし終盤で4敗を喫しています。実は、栃煌山関が狙っていたのは全勝優勝。仮に7月場所で全勝すれば、3場所計33勝という大関昇進の目安に届いたからです。結果は10勝となりましたが、昇進の可能性は9月場所に繋げることができました。とはいえ、9月場所も必要なのは15勝。先場所に続き、全勝を狙います。
 


【プロ野球 安仁屋宗八投手】
 
 1964年、アメリカ占領下の沖縄から、初のプロ野球選手が誕生しました。広島・阪神で活躍した安仁屋投手は、ストレートと切れ味鋭いシュートを武器に通算119勝。特に巨人戦で無類の強さを発揮しました。
 広島に入団した安仁屋投手の登板試合となると、沖縄の電器店の街頭テレビには人が群がり、タクシーも走らなくなるなど、島全体がフィーバーに包まれました。プロ入りした60年代は、広島の低迷期。しかしそれが幸いし、ルーキーでも登板のチャンスが巡ってきました。オープン戦で好投を見せ、64年6月14日の巨人戦で初先発。この日、故郷の沖縄で初めてプロ野球がテレビで生中継されました。沖縄を代表してプロでプレーするという強い気持ちがあったという安仁屋投手。この試合、わずか4安打の完投劇で、見事プロ初勝利を収めています。



【メジャーリーグ カル・リプケン・ジュニア選手】

 ボルチモア・オリオールズ一筋に活躍したリプケン選手の代名詞といえば、2632試合の連続出場記録。1994年に232日間の長期ストライキが行われた際は、記録が途絶える危機もありました。しかしそれを防ごうと立ち上がったのは、オリオールズの地元・ボルチモア議会。『リプケン法案』と呼ばれる法案を通し、記録を後押し。これにより、リプケン選手は95年9月6日、元ニューヨーク・ヤンキースのルー・ゲーリックさんが持っていたメジャー記録、2130試合連続出場を56年ぶりに塗り替えたのです。
 伝説のスタートは、82年5月30日。3塁手からショートへコンバートされると、新人王を獲得。後にヤンキースで活躍するデレク・ジーター選手など、大型遊撃手の先駆けとなりました。87年シーズンには、お父さんのリプケン・シニアさんがオリオールズの監督に就任し、弟のビリー選手もメジャー昇格してチームメイトに。メジャーリーグ史上初めて、親子3人が同一チームでプレーするという伝説を作りました。91年には、遊撃手としてアメリカン・リーグ初の打率3割、30本塁打、100打点を記録。オールスター前日に行われたホームランダービーで優勝し、本番でもMVPを獲得。現役通算3184安打、431本塁打を記録した、歴史に残る内野手となりました。
 


来週のスポーツ伝説は……

 9月14日(月) プロ野球 山中浩史投手
 9月15日(火) プロ野球 ダリル・スペンサー選手
 9月16日(水) プロ野球 ウィリー・カークランド選手
 9月17日(木) 競  泳 瀬戸大也選手
 9月18日(金) 競  泳 星奈津美選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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