【プロ野球 坂本勇人選手】
11月8日に東京ドームで行われた、巨人 対 東京ヤクルト戦。坂本選手は、今シーズンホーム最終戦に詰めかけたファンの前で、通算2000安打を鮮やかに決めてみせました。プロ野球史上53人目、31歳10か月での達成は、史上2番目の若さというスピード記録。右打者では最年少記録です。
高卒2年目の2008年、19歳でレギュラーに定着した坂本選手。15年から、戦後最年少の26歳で巨人軍キャプテンに就任しました。それまでは自分が打つことだけを考えていたという坂本選手ですが、キャプテン就任後は試合の流れを考えたチームバッティングを優先。ホームラン40本を放ち、MVPに輝いた昨年は、キャプテンになって初のリーグ優勝を体験しました。そんな中で積み重ねていった2000安打。次は2500安打、その先には、張本勲選手の日本記録・3085安打の更新が待っています。
【プロ野球 大野雄大投手】
10月22日にナゴヤドームで行われた、中日 対 DeNA。中日の先発は、エースの大野投手でした。大野投手は直前の4試合で3度の完封勝利を記録。この試合を迎えるまで、36イニング連続で得点を許していませんでした。しかもAクラス入りを確実にするためにも、ライバルのDeNAには負けられないゲーム。その上、抑えのライデル・マルティネス投手が故障でいなくなり、中継ぎ投手が連投して野手も疲れ果てていました。
チームがしんどい時に踏ん張って、勝利に導くのがエースの務め。大野投手は途中苦しみながらも、今シーズン6度目の完封勝利を飾りました。連続無失点記録は45イニングに伸び、球団記録を64年ぶりに更新。自身5年ぶりの10勝目を挙げました。この気迫がチームメイトたちにも伝わり、レギュラーシーズン終盤に快進撃を続けた中日は、3位を確保。8年ぶりにAクラスへ復帰したのです。
【プロ野球 周東佑京選手】
昨年は主に代走として試合に出場し、チームトップの25盗塁を記録した、福岡ソフトバンクホークスの周東選手。野球日本代表・侍ジャパンに“足のスペシャリスト”として招集され、国際大会・プレミア12で驚異的な速さを見せ付け話題になりました。ただし注目された分、今年は他球団のマークも厳しくなり、走塁にも迷いが生じました。7月が終わった時点で、盗塁数はわずか2つだけ。思い切ったリードが取れなくなった周東選手に、「思いきって行け」とアドバイスしてくれたのは工藤公康監督でした。以後は盗塁数も増え、周東選手はレギュラーに定着。10月16日から毎試合、塁に出ては盗塁を積み重ね、10月28日に「11試合連続盗塁」を達成。“世界の盗塁王”と呼ばれたレジェンド・元阪急ブレーブスの福本豊選手が作った日本記録に、46年ぶりに並びました。
そして記録更新が懸かった翌29日の千葉ロッテ戦。周東選手は初回に内野安打で出塁するとすかさず盗塁を決め、日本新記録をあっさりと樹立。さらにその翌日の埼玉西武戦でも盗塁を決め、メジャーリーグ記録を上回る「13試合連続盗塁」を達成。最終戦ではシーズン50盗塁の大台に乗せて盗塁王のタイトルを獲得し、育成入団の選手として初めて、打撃部門のタイトル獲得という快挙を成し遂げました。
【女子テニス 大坂なおみ選手】
今年9月、新型コロナウイルスによる混乱の中、無観客での開催にこぎつけた全米オープンテニス。この大会で世界を釘付けにしたのが、大坂選手でした。2018年の全米オープンで4大大会初優勝を果たし、続く全豪オープンも制して一躍、世界のトップに躍り出た大坂選手。ただ、その後はプレッシャーに苦しみ、昨年のウィンブルドンはまさかの初戦敗退。前回の全米オープンは4回戦止まり。今年1月の全豪オープンでは15歳の選手にストレート負けを喫して3回戦敗退と、一度はトップに立った世界ランクも2ケタ順位へと後退してしまいます。
そんな大坂選手にとって新型コロナによる活動自粛期間は、自身のテニスを立て直す貴重な期間となりました。6月に専属トレーナーに就任した日本人コーチとともに、地道なトレーニングで下半身や体幹を徹底強化。その成果もあって守備範囲が広くなり、強いショットが打ち返せるようになりました。また、自分と向き合う時間が増えたことで、精神面の成長にもつながりました。そして迎えた、今年の全米オープン決勝。大坂選手は、元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ選手と対戦しますが、第1セットを1ゲームしか奪えずに、落としてしまいます。過去25年間、全米オープン決勝で第1セットを落とした選手が逆転勝ちした例は、一度もありませんでした。しかし気持ちを切り替え、第2セットを奪い返した大坂選手。勢いに乗って最終セットも制し、逆転で2年ぶりの全米優勝と、3度目のグランドスラム制覇を果たしました。
【MLB ダルビッシュ有選手】
メジャー挑戦の際に「世界中の誰もが『ナンバーワンのピッチャーは、ダルビッシュだ』と言ってもらえるようなピッチャーになりたい」と述べたダルビッシュ投手。2012年に入団したテキサス・レンジャーズでは3年連続で2ケタ勝利を飾り、その実力を発揮しました。しかし15年に右ヒジの靱帯を再建するトミー・ジョン手術を受けてからは、なかなか納得のいく投球ができず、成績も急降下を辿ります。ドジャースへのトレードを挟んで18年、6年の大型契約でFA移籍したシカゴ・カブスでも昨シーズンの前半戦は制球難に悩み、防御率5点台と苦しい状況に陥りました。
しかし、オールスターゲーム明けの後半からは別人のように変身。自分の体の使い方をもう一度見直したことで、前半戦で49個もあった四死球は後半戦ではわずか7個に減り、先発5試合連続無四球も記録。制球難が解消し復活への兆しを見せました。今年34歳を迎えたダルビッシュ投手ですが、ストレートの平均球速は154キロにまでアップ。切れ味を増したカットボールなど10種類以上の変化球を自在に操り、開幕から先発7試合で6勝をマーク。自身初の月間MVPを獲得しました。60試合に短縮された今シーズンは、12試合に先発し8勝3敗。メジャー9年目で、日本人ピッチャー初となる最多勝のタイトルに輝いたのです。
来週のスポーツ伝説は……
12/21(月) プロ野球 五十嵐亮太投手
12/22(火) プロ野球 岩隈久志投手
12/23(水) プロ野球 高橋朋己投手
12/24(木) アイスダンス クリス・リード選手
12/25(金) プロ野球 石原慶幸選手
お楽しみに!!