スポーツ伝説

9月3日~7日の放送内容

【プロ野球 伊藤光選手】

 7月9日、横浜DeNAベイスターズとオリックス・バファローズとの間で、2対2の交換トレードは突然発表されました。DeNAからは髙城俊人選手と白崎浩之選手がオリックスへ。一方のオリックスが赤間謙投手と共に交換要員に選んだのは、かつて正捕手を務めた伊藤光選手でした。バッテリーの強化を図るDeNAと、得点力のある内野手を狙っていたオリックスの思惑が一致して成立しましたが、今シーズンも開幕スタメンマスクをかぶった伊藤選手の移籍劇には驚きの声が挙がりました。
 リーグを代表するキャッチャーへと登りつめた伊藤選手ですが、チーム方針などもあって、ここ数年は内野手としての出場が増えていました。しかし「キャッチャーでもうひと勝負したい」という思いは常にあり、そんな時にトレードが実現。移籍発表からわずか1週間後、後半戦初戦から即スタメンに抜擢され、DeNAの先発マスクをかぶりました。防具には「バファローズ」のロゴが入ったままでしたが、その試合で相手の盗塁を刺し、初打席初ヒットを放つなど、いきなり存在感を示しました。
   

     
【プロ野球 岡大海選手】

 背番号『18』同士のトレード……千葉ロッテマリーンズは、2011年のドラフト1位で、エースナンバー18番を背負った藤岡貴裕投手を放出。一方、北海道日本ハムファイターズが交換相手として送り出したのは、普通は野手がつけない18番を背負ってきた岡大海選手でした。入団2年目の15年には持ち前の俊足を活かし、18盗塁をマーク。翌16年は開幕直前のケガで出遅れたものの、6月中旬に一軍に昇格すると、シーズンわずか41試合の出場ながら、3割7分4厘という高打率をマークして逆転でのリーグ優勝と日本一にも貢献。この年のオフ、チームから打診されたのが「背番号18」への変更でした。
 「背番号18」といえば、日本球界ではエースナンバーとして定着している番号。その証拠に、日本人野手が18番を付けてプレーするのは53年ぶりのことでした。その理由は――往年の人気テニスマンガ『エースをねらえ!』の主人公“岡ひろみ”と名前の読み方が、まったく同じだったから。本拠地・札幌ドームで打席に入る際の登場曲も『エースをねらえ!』。ところが、期待された昨シーズンは打率が1割台に低迷。今シーズンも、日本ハムでの前半戦は打率1割台と絶不調で、出場機会は減る一方。そんな時、レギュラー外野手の荻野貴司選手が骨折してしまい、外野陣が手薄になったロッテから白羽の矢を立てられたのです。ロッテでの新たな背番号は「39」。登場曲も洋楽の『Good Time』に変更し、新天地での活躍を誓っています。


   
【サッカー 森保一日本代表監督】

 フランスの優勝で幕を閉じた、サッカー・FIFAワールドカップ・ロシア大会。日本代表は、大会前の下馬評は低かったにもかかわらず、見事にベスト16入りを果たしました。その功労者でもある西野朗前監督のあとを受け、新たに代表を率いることになったのが、森新監督です。現役時代は、サンフレッチェ広島を中心に、京都、仙台でもプレー。日本に「ボランチ」というサッカー用語を定着させた選手とも言われています。また日本代表としても、通算35試合に出場。ワールドカップ・アメリカ大会への出場を懸けた1993年のアジア最終予選では、レギュラーとしてボランチでプレー。最終戦のイラク戦で、試合終了間際に同点に追いつかれ、本大会初出場を目前で逃した“ドーハの悲劇”も経験しました。
 引退後の2012年、広島の監督に就任すると、就任1年目にクラブ初となるJ1リーグ優勝を達成。翌年も連覇を達成し、15年にもリーグ制覇を成し遂げるなど、4年間で3度もJ1優勝という手腕を発揮しました。今回のワールドカップでは、西野監督を支えるコーチとしてチームに帯同。ロシアで得た手応え、そして日本サッカーが克服すべき課題を継承して次につなげるためには、これ以上ない人選といえるかもしれません。

   
    
【大相撲 御嶽海久司関】
 
 3横綱全員と、新大関・栃ノ心関が休場した今年7月の大相撲名古屋場所。目玉不在の中で大いに土俵を盛り上げたのが、関脇・御嶽海関です。初日から無傷の11連勝。12日目に大関・高安関に敗れて初黒星を喫したものの、14日目、栃煌山関を寄り切り13勝1敗。この時点で2敗力士がいなかったため、御嶽海関の初優勝が決定。30代の上位陣が休場する中、25歳・御嶽海関の優勝は世代交代を印象づけました。
 初土俵から21場所目での優勝は、年6場所制になった1958年以降では、史上3位のスピード記録。また長野県出身の力士が優勝するのも、優勝制度ができてから初めてのことで、長らく賜杯から遠ざかっていた名門・出羽海部屋にとっても、38年ぶりの優勝力士誕生となりました。 

 
 
【大相撲 豊山亮太関】
 
 若手の活躍が目立った7月の大相撲・名古屋場所。優勝した関脇・御嶽海関を千秋楽で破り12勝3敗。みごと準優勝の星を残したのが、豊山関です。気迫あふれる相撲で最後まで土俵を沸かせ、満場一致で敢闘賞を獲得しました。
 はじめは本名の「小柳」をシコ名にしていた豊山関。横綱・鶴竜関から稽古相手に指名されるなど周囲の注目度も高く、持ち前の馬力を武器に番付を駆け上がっていきました。幕内昇進と共に、時津風部屋の代表的なシコ名「三代目・豊山」を襲名。シコ名の重圧を乗り越え、その迫力ある相撲で、初代・豊山がたどり着けなかった「横綱」という目標へ向けて、秋場所でのさらなる飛躍に期待です。


   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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