スポーツ伝説

12月20日~24日の放送内容

【体操 村上茉愛選手】

 長年、日本女子体操界のエースとして活躍し、東京オリンピックでは「ゆか」で念願の銅メダルを獲得した村上選手。日本女子史上初めて、個人種目でオリンピックの表彰台に立ちました。東京オリンピックを集大成と位置付けていた村上選手。10月の世界選手権も日本での開催でしたが、出場するか悩んだそうです。それを出場に踏み切った大きな理由が、観客ありの開催になったことでした。
 元々応援を励みに競技を続けてきた村上選手とって、オリンピックの大舞台を観客の前で演技ができなかったこと、そして誰よりも支えてくれた母親に最後のパフォーマンスを見せられなかったことで、やり残した思いがありました。大会直前に左足首を負傷し、まともに練習ができないまま本番を迎えましたが、まずは平均台で銅メダルを獲得し、会場のファンを沸かせます。村上選手の代名詞といえば、東京オリンピックで銅メダルを獲得、過去にも世界選手権で金メダルに輝いたことのある種目「ゆか」です。この得意種目が競技人生最後の“ラストダンス”となり、みごと金メダルに輝きました。


  
【卓球 水谷隼選手】

 オリンピックや全日本選手権など、大一番になるほど勝負強さを発揮し、男子卓球界を長年リードしてきた水谷選手。オリンピックには2008年の北京大会から4大会連続で出場し前回リオ大会では団体で銀メダル、オリンピックシングルス日本人初となるメダルとなった銅メダルを獲得するなど、輝かしい成績を収めてきました。しかし18年頃から目の不調でボールが見えにくくなった水谷選手は、東京オリンピックを集大成にしようと心に決め本番を迎えます。
 この特別な舞台で、水谷選手はとんでもない偉業をやってのけました。同じ静岡県磐田市出身で、小さな頃から妹のように面倒を見てきた伊藤美誠選手と混合ダブルスでペアを組み、卓球王国・中国ペアを撃破。大番狂わせで日本卓球界初のオリンピック金メダルという快挙を成し遂げたのです。その後団体でも、張本智和選手ら若手メンバーを引っ張り、2大会連続メダルとなる銅メダルを獲得。有終の美を飾りました。


 
【競泳 萩野公介選手】

 10月24日、晴れ晴れとした表情で引退会見に臨んだ萩野選手。2012年、高校3年生の時にロンドンオリンピックに初出場し、最も過酷と言われ、勝者は“キング・オブ・スイマー”と呼ばれる種目、男子400m個人メドレーで日本人初の銅メダルを獲得します。その後も力を伸ばし、16年リオ大会ではリレー種目も含めて、金・銀・銅3つのメダルを獲得。中でも400m個人メドレーでの金メダルは日本競泳史に輝く快挙で、東京オリンピックでの連覇が期待されました。しかしその直後、古傷の右ヒジの手術をきっかけに本来の泳ぎを見失うスランプに陥ります。19年には休養を申し出て、東京オリンピック出場にも黄色信号が灯りました。
 東京オリンピック出場に向けて、萩野選手は今年、大きな決断をしました。リオで金メダルを獲得した400m個人メドレーを諦め、200m個人メドレーと800mリレーにエントリーを絞ったのです。この決断が功を奏し、2種目の代表として迎えた3度目の大舞台・東京オリンピック。200m個人メドレーでは決勝進出を果たします。実は、オリンピック後に引退すると決めていた萩野選手。結果は6位に終わり、3大会連続メダルこそ逃しましたが、萩野選手は「かっこいい競泳人生だった」と締めくくりました。



【体操 白井健三選手】
 
 “ひねり王子”の愛称で知られた、体操の白井選手。2013年17歳の時、日本男子では史上初めて、高校生で世界選手権代表入りを果たして種目別ゆかで金メダルを獲得。衝撃の世界デビューを果たしました。白井選手の最大の武器は「ひねり技」。この大会のゆかと跳馬の予選で、新技の「ひねり技」を3つも成功させると、その新技全てに「シライ」の名が付いて一躍、世界のトップ選手へと駆け上がります。16年のリオ オリンピックでは男子団体で金メダル、種目別の跳馬で銅メダルに輝くと、その後は、6種目で競うオールラウンダーにも挑戦。17年の世界選手権・個人総合で銅メダルに輝き、東京オリンピックではエースとして期待されていました。
 でもリオオリンピック後から、演技の出来栄え点の採点が厳格になり、得点が伸び悩むようになります。19年、足首を痛めた影響もあって、5大会連続で出場していた世界選手権の代表から落選。その後もケガに泣かされ、思い通りの演技が出来なくなったことで、白井選手の胸に新たな決意が芽生えました。現役最後の大会となった、今年6月の全日本種目別選手権。腰痛が再発し状態は万全ではありませんでしたが、ゆかの予選で、長らく封印していた大技・後方伸身宙返り4回ひねり「シライ」を披露すると、決勝はミスのない演技で2位。大会終了後、白井選手は6月16日に会見を開き、引退を発表します。早すぎる引退は、指導者としての第一歩を一刻も早く踏み出したいからこそでした。



【バレーボール 荒木絵里香選手】 
 
 身長186㎝の恵まれた体格を生かし、ミドルブロッカーとして活躍した女子バレーボールの荒木選手。成徳学園時代は、春の高校バレー・インターハイ・国体で優勝し、高校3冠を達成。東レ・アローズに入団後、2007-2008 Vプレミアリーグの初優勝に貢献して最高殊勲選手賞に輝くなど、日本のトップ選手となります。オリンピックには、08年の北京から今年の東京まで4大会連続で出場し、12年のロンドン大会では全日本女子28年ぶりの銅メダル獲得に貢献。東京大会では、代表メンバーの最年長キャプテンとしてチームを牽引しました。
 今年9月、荒木選手はオリンピックを花道に現役を引退すると発表。荒木選手が残した大きな功績は、結婚・出産を機に、競技を引退する女性アスリートが多い中、再びコートに戻りトッププレーヤーとして活躍したことです。夫で元ラグビー日本代表の四宮洋平さんや、母親の後押しも受けながら燃えつきるまでバレーを続けました。これからは結婚出産後も継続できた経験を、バレーボール、スポーツ界に限らず、女性の社会参画においても伝えていけたらと考えているそうです。



来週のスポーツ伝説は……

12/27(月) プロ野球 高津臣吾監督
12/28(火) プロ野球 中嶋聡監督  
12/29(水) プロ野球 村上宗隆選手
12/30(木) メジャーリーグ大谷翔平選手
12/31(金) メジャーリーグ大谷翔平投手

お楽しみに!!
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