【プロ野球 田川賢吾選手】
プロ入りから苦節7年……今シーズン、大きな飛躍を遂げたのが、東京ヤクルトスワローズ・田川投手・25歳です。8月に本拠地・神宮球場での阪神戦でプロ初先発を果たすと、9月には、プロ7年目にして待望のプロ初勝利を飾りました。
ようやく、プロとしての実績を作った田川投手。最下位に沈んだチームを立て直すため就任した高津臣吾新監督は、これまで二軍監督として、田川投手のピッチングをずっと見守ってきました。来シーズンは、監督が掲げる投手陣再編戦力として、田川投手の勝負の年になりそうです。
【プロ野球 勝野昌慶投手】
今シーズン、開幕投手を務めた笠原祥太郎投手が突然不整脈を発症するなど、ローテーション投手が相次いで戦線を離脱。一時は、深刻な先発の駒不足に陥った中日ドラゴンズ。与田監督は、若手投手をどんどん先発に抜擢して、この危機を乗り切ろうと考えました。その一人が、ルーキーの勝野投手です。
今シーズンの勝野投手は、開幕一軍こそ逃しましたが、二軍で経験を積み、5月17日の巨人戦で、晴れてプロ初登板・初先発を果たしました。強力巨人打線に物怖じせず、5回までわずか1安打に封じますが、悔しいプロ初黒星を。しかし1週間後の5月24日、東京ヤクルト戦で再び先発のマウンドに立った勝野投手は、ヤクルトの強力打線を翻弄し、6回2/3を投げて3安打1失点。堂々のピッチングで、プロ初勝利をつかみました。結局、今シーズンは初勝利のみの1勝で終わりましたが、持ち前の強気のピッチングで、来年はローテーション定着を目指します。
【プロ野球 小島和哉選手】
今シーズン、千葉ロッテマリーンズで、プレーだけでなく人気面でも注目されたルーキーが、ドラフト3位のサウスポー・小島投手です。プロ入り後はキャンプでのアピールも実り、見事、開幕ローテーション入り。ところが、4月4日のプロ初登板では、リーグ屈指の攻撃力を誇る西武打線に2回8失点と大炎上。試合後、二軍落ちを告げられるほろ苦いデビューになりました。
その悔しさを乗り越え、小島投手がプロとして結果を残したのが8月14日の北海道日本ハム戦でした。切れのあるストレートを中心に6回を投げ、4安打1失点と堂々のピッチングを披露。念願のプロ初勝利を果たしたのです。
【プロ野球 梅津晃大投手】
昨年のドラフトで「3人とも即戦力。すぐ一軍で通用する」と注目されたのが、東洋大学の上茶谷大河投手・甲斐野央投手・梅津投手の“東洋大三羽烏”です。ドラフトの結果、上茶谷投手はDeNA、甲斐野投手はソフトバンクへ入団。そして梅津投手は、中日でプロ生活をスタートさせました。ところが梅津投手は1月、右肩にインピンジメント症候群を発症。4月末にようやく二軍で投げられるようになりましたが、先にプロ初勝利を挙げた同級生2人に対し、1人だけ出遅れる形になってしまいました。
8月12日、梅津投手はナゴヤドームで行われた阪神戦でついに一軍デビュー。タイガース打線を6回1失点に抑え、初登板・初先発・初勝利を飾ると、その後も白星を重ねて、デビューから3戦3勝。中日のルーキーでは、1987年の近藤真一投手と並ぶ、実に32年ぶりの快挙でした。残念ながら、4連勝はなりませんでしたが、9月25日、チームの本拠地最終戦に登板し、6回を無失点に抑え4勝目。デビューからわずか2ヵ月で、抜群の安定感を示してみせました。
【プロ野球 望月惇志選手】
今シーズン、セ・リーグ新人最多安打記録を更新し、盗塁王に輝いた近本光司選手をはじめ、若手選手の活躍が目立った阪神タイガース。来シーズン、さらなる飛躍に向けて投手陣で期待されているのが、身長190㎝の大型右腕、22歳の望月投手です。
望月投手は2015年、ドラフト4位で阪神に入団。ルーキーイヤーの16年、チーム最終戦の本拠地・甲子園で一軍デビュー。先頭打者に対して、いきなり自己最速の153キロをマークし、鮮烈な甲子園デビューを果たしました。しかし、シーズン終了後の秋季キャンプ中に右ヒジを負傷。このケガがようやく完治したかと思えば、翌17年の春には腰を負傷。シーズンオフには、腰痛ヘルニアの手術に踏み切らざるを得ませんでした。望月投手が一軍のマウンドに復帰したのは、昨年の後半戦。37試合に登板しましたが、初勝利や初セーブを挙げるまでには至りませんでした。しかし磨きを加えたストレートを武器に、今年8月22日のDeNA戦で、6回3安打無失点の好投。プロ4年目で待望の初勝利を挙げたのです。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!