スポーツ伝説

2月21日~25日の放送内容

【プロ野球 隅田知一郎投手】

 埼玉西武ライオンズのルーキー・隅田投手が最初に注目されたのは、高校3年生の2017年夏。長崎の波佐見高校を夏の甲子園に導き、開幕戦に登場した時のことです。試合には敗れましたが、最速143キロのストレートを武器に好投を演じ注目を浴びました。西日本工業大学進学後、ストレートの球速が最速150キロに伸びた隅田投手は、チェンジアップとスライダーを軸に、ツーシーム、カットボール、スプリットなど多彩な変化球を操るまでに成長を遂げます。大学4年生の春季リーグ戦で3勝。投球イニングの42回を上回る51個の奪三振と防御率1.71の安定した投球で、リーグMVPに輝く活躍を見せました。またこの春のリーグ戦では、14試合中12試合に登板するタフネスぶりも発揮。一躍、ドラフト上位候補として注目を集める存在になったのです。
 昨年のドラフト会議では、4球団が1位指名。抽選の結果、西武が交渉権を引き当てました。背番号は、同じ左の元エース・菊池雄星投手も背負った16番に。隅田投手が見据えるのは将来の大エースです。



【プロ野球 椋木蓮投手】

 入団会見で「目標は100勝100セーブ」と意気込みを語ったのは、オリックス・バファローズのドラフト1位・椋木投手です。普通は先発としての勝ち星か抑えとしてのセーブ数か、どちらかを目標に掲げるものですが、両方で数字を残したいと語った背景には、東北福祉大学時代に先発・中継ぎ・抑えと様々な場面で結果を残してきた実績があるからです。椋木投手は、大学1年生の春季リーグ戦で、主に抑えとして16イニング以上を無失点に抑える安定感を発揮しリーグ優勝に貢献すると、全日本大学選手権でも決勝のマウンドに上がり、1年生で日本一のマウンドを経験します。その後、秋のリーグ戦でも先発・中継ぎ・抑えと大車輪の活躍で4勝を挙げ、防御率は圧巻の0.92。注目度は一気に増しましたが、ここから苦難の道が始まります。2年生は右肩とヒジのケガもあって長期離脱を強いられ、3年生の春はコロナ禍でリーグ戦が中止と、投げられない日々が続きました。それでも、地道なトレーニングを続けて下半身を徹底強化した椋木投手。その成果が発揮されたのが、秋のリーグ戦でした。
 2020年、3年生の秋季リーグ戦で実戦復帰を果たした椋木投手は、1年以上投げられなかったうっぷんを晴らすかのように、リリーフとして5試合に投げストレートは150キロ前後を連発。斜めに鋭く落ちるスライダーも組み合わせて次々に三振を奪い、8イニングでなんと15奪三振。無失点ピッチングでMVPに選ばれ、完全復活を遂げました。4年生になると、主に先発のマウンドに立ち、ストレートは自己最速の154キロを計測。秋季リーグ初戦ではプロのスカウト陣の前で5者連続三振を奪うなど、5回ノーヒットピッチングを演じ、先発での適性も示した椋木投手。昨年のドラフト会議で、みごとオリックスの1位指名を勝ち取りました。


 
【プロ野球 廣畑敦也投手】

 昨年のドラフトで“社会人ナンバーワン右腕”と呼ばれたのが、千葉ロッテマリーンズの廣畑投手です。父親が大のヤクルトファンで、名捕手として活躍した古田敦也選手にあやかって、敦也と名付けられました。高校、大学と無名だった廣畑投手の才能が開花したのは、社会人になってから。地元・岡山を拠点とする三菱自動車倉敷オーシャンズに入団すると、1年目から先発の軸として大活躍。都市対抗野球の中国地区2次予選の1回戦で12回を一人で投げ抜き、無失点勝利。その後も好投を続けて、チームを16年ぶりの都市対抗へと導きます。本大会初戦では、前年優勝チームJFE東日本を相手に、自己最速の154キロを計測するなど1失点の完投勝利。敗れた2回戦では5回途中からのロングリリーフで、ノーヒット無失点ピッチングを披露しました。この活躍が認められ、大会新人王にあたる「若獅子賞」が贈られ、ドラフト注目株に踊り出たのです。
 昨年3月、社会人野球シーズン最初の公式戦、東京スポニチ大会で廣畑投手は抑えとして躍動。150キロ台のストレートと磨き上げた高速スライダーを武器に、準決勝・決勝のマウンドで連続セーブを記録し、チームを初優勝に導きました。廣畑投手はこの大会でMVPに選ばれ、ロッテ入団を果たしたのです。



【プロ野球 ブライト健太選手】

 ガーナ人の父親と日本人の母親を持つ、中日ドラゴンズのドラフト1位ルーキー・ブライト選手は、身長184cm、88kgの恵まれた体格を持ち、50mを5秒9で駆け抜ける俊足が売りです。ブライト選手は都立高校から、野球の強豪校・群馬の上武大学に進学。壁にぶつかってなかなか結果が出ない時期もありましたが、4年生でレギュラーの座をつかむと、春のリーグ戦で打撃が開花。MVPに輝き、全日本大学選手権では2本のホームランを放つなどの活躍をみせ、みごとドラフト1位で中日入りを決めました。
 そんなブライト選手が憧れるプレーヤーは、近代野球で初の黒人メジャーリーガーになった、ジャッキー・ロビンソン選手です。差別と戦って結果を残し、黒人選手に道を開いたロビンソン選手。その偉業を称え、メジャーでは全チームが永久欠番にしている背番号「42」を、ブライト選手は希望して背負いました。目標のひとつとして、立浪和義監督の持つ二塁打記録487本を抜くことを宣言。プロでどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

  

【プロ野球 黒原拓未投手】

 広島カープのドラフト1位ルーキー・黒原投手。最速151キロのストレートと、多彩な変化球が武器の即戦力サウスポーです。智辯和歌山高校から4年後のプロ入りを目指し、関西学院大学に進学。しかし調子の波が大きく、思うように勝ち星を挙げられず。その不安定さは、チームが下位に低迷する一因になってしまいます。そんな黒原投手の意識を変えたのが、本荘雅章監督が口にした「勝てる投手になろう」という言葉です。黒原投手はその言葉を常に考えながら練習に取り組むようになりました。昨年から投げる時の細かい動作を見直すと、コントロールや変化球の精度が一気に向上。黒原投手が勝てるようになると、連動するようにチームも快進撃を続けました。
 2021年の春季リーグ優勝に王手を掛けた関西学院大学。勝てば優勝が決まる京都大学戦で、黒原投手は2点リードの9回、二アウト一塁から最後のマウンドに上がります。いきなりヒットを打たれたものの、続くバッターを磨き上げたチェンジアップで空振り三振に仕留め、チームを14シーズンぶりの関西リーグ優勝へと導きました。晴れて胴上げ投手になった黒原投手は、5勝1敗、防御率0.70の好成績で最優秀投手・ベストナイン・MVPの3冠に輝きます。この成長ぶりが評価され、広島の1位指名を勝ち取り、念願のプロ入りを果たした黒原投手。背番号はカープのレジェンド左腕・大野豊投手の24を継承することになりました。広島では一昨年の森下暢仁投手、昨年の栗林良吏投手と新人王が続いており、黒原投手が受賞すれば、3年連続となります。

  

来週のスポーツ伝説は……

2/28(月) パラアルペンスキー   狩野亮選手
3/1(火) パラアルペンスキー   鈴木猛史選手  
3/2(水) パラノルディックスキー 新田佳浩選手
3/3(木) パラノルディックスキー 阿部友里香選手
3/4(金) パラノルディックスキー 川除大輝選手

お楽しみに!!
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