【サッカー 川島永嗣選手】
6大会連続のW杯出場をかけ、過酷なアジア最終予選を戦うサッカー日本代表。グループリーグ2位以内に入ると、ワールドカップ出場が決定します。ここまで7試合戦い、日本は5勝1敗1分。勝ち点16でグループリーグ首位につけています。ただし振り返ってみると、最終予選の初戦は黒星発進と苦しいスタートでした。3月に行われた2試合で連勝し、ようやく首位に立つことができた日本。そして、この大事な3月の連戦で勝利の立役者となったのが、久しぶりに代表に復帰し、2試合連続完封。PKも止めてみせた頼れる守護神・川島選手でした。
川島選手は現在34歳。2010年の南アフリカW杯、そして14年のブラジルW杯でも日本のゴールマウスを守りました。ワールドカップ日本代表において、2大会連続で正ゴールキーパーを務めたのは、実は川島選手が初めて。そんな川島選手が代表招集から遠ざかっていたのは、ひとえに夢のためでした。その夢とは、日本人ゴールキーパーとして初の「ヨーロッパ5大リーグでのプレー」。5大リーグとは、ワールドカップでの優勝経験があるスペイン・イングランド・ドイツ・イタリア・フランスのトップリーグのこと。南アフリカW杯の後、それまで所属していた川崎フロンターレから、ベルギーリーグに移籍した川島選手。その後、ベルギー国内での移籍を経て、スコットランドリーグでのプレーも経験しました。昨年8月には、フランス一部、リーグ・アンのクラブ・FCメスと2年契約を締結。しかし用意されていた席は第三ゴールキーパー。試合には出られない日々が続き、日本代表にも選ばれなくなってしまいました。それでも、「人がしたことがないことに挑戦したい」と、フランスでのプレー続行を決意。結果的に日本代表・ハリルホジッチ監督は、そのハートの強さに期待して、川島選手の代表復帰と試合抜擢を決めたのです。
【プロ野球 ホームラン記録】
80年以上の歴史を有する、日本のプロ野球。この長い歴史において初めてのホームランは、初めてリーグ戦が開催された1936年5月4日、甲子園球場で行われた大阪タイガース対東京セネタース戦で生まれました。大阪の2番打者・藤井勇選手が放った打球は、センターの横を抜けて外野フェンスまで転がります。その間に、藤井選手はダイヤモンドを一周してホームイン。つまり、プロ野球第一号はランニングホームランだったのです。実は今年、この第1号から数えてプロ野球通算10万号目のホームランが出るのではないか、といわれています。昨シーズン終了時点での通算ホームラン数は、9万8554本。この10年間、年間に出るホームランの数はだいたい1500本前後ですから、今シーズン終盤にも、通算10万号ホームランが出る可能性があるのです。
過去の節目のホームランをさかのぼると、2014年に通算9万5000号を放ったのは、福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩選手。松田選手は、同じ年の9月に、南海ホークスの時代から数えて、球団通算8000号ホームランも記録。さすがは“鷹のお祭り男”です。しかしホークスには、松田選手のさらに上を行くメモリアル男がいました。ダイエーホークス時代に活躍した広永益隆選手は、1989年の開幕戦で、プロ初打席初ホームランで華々しくデビュー。実はこの一発、前年オフに南海から球団を買収したダイエーホークスの記念すべきチーム第1号であり、平成のパ・リーグ第1号というオマケ付きでした。この一発でその名を広めた広永選手は、翌90年には日本プロ野球通算6万号ホームランも記録。さらに92年には、パ・リーグ通算3万号ホームランと、まさにメモリアルアーチばかりを打ち続けました。もし今年、記念すべき10万号ホームランが生まれるとしたら、それを打つのは一体誰か? 予想するのも楽しみです。
【プロ野球 カルロス・ペゲーロ選手】
今シーズン、開幕から快進撃を続け、パ・リーグの台風の目になっている東北楽天ゴールデンイーグルス。今年は強力な打線がチームを支えていますが、その中で、二番打者として活躍しているのがペゲーロ選手です。
楽天は今シーズン、3人の外国人スラッガーを一軍で起用していますが、普通はクリーンナップの三・四・五番を打たせるところ、開幕戦の先発オーダーは「二番・ペゲーロ、三番・ウィーラー、四番・アマダー」。池山打撃コーチによると「オープン戦で二番打者のバントがうまく行かず、それならいっそ打たせてみようと試してみたらハマった。二番の方が、打順が多く回るからね」とのこと。ケガの功名が、見事にチーム躍進につながったというわけです。加えて、開幕から一番を打ち大活躍している2年目・茂木栄五郎選手は、「二番にペゲーロがいるから、相手は僕をフォアボールで塁に出したくない。だから、ストライクゾーンで勝負してくれる」とその効果を語っています。ともに一発のある茂木・ペゲーロの一・二番コンビに、相手ピッチャーが初回から神経を使わされるのも、後を打つバッターにとっては大きなメリット。下位を打つ岡島豪郎選手、銀次選手が打撃好調なのも、二番・ペゲーロ効果なのかもしれません。
【プロ野球 川崎宗則選手】
今年の開幕直後、6年ぶりに日本球界へ電撃復帰して話題になった、福岡ソフトバンクホークスの“ムネリン”こと川崎選手。今シーズンは当初、シカゴ・カブスとマイナー契約を結んでいましたが、3月末に自由契約となり、古巣・ソフトバンクへの復帰を決めました。
とはいえ、川崎選手がいなかったこの5年間で、チーム構成は大きく変わりました。柳田悠岐選手ら若手も成長し、野手ではチーム最年長となる川崎選手には居場所がないのではという懸念もありましたが、ファームでじっくり調整を続けた後、満を持して一軍に昇格した川崎選手。4月28日のオリックス戦に一番・セカンドで先発、久々の出場を果たしました。ムードメーカーとして川崎選手の存在は大きく、復帰前は12勝11敗だったホークスは、川崎選手の復帰後、4カードをすべて勝ち越し。10勝2敗と一気に貯金を殖やします。川崎選手自身も、5月11日のオリックス戦で日米通算1500安打を達成し、ファンの喝采を浴びました。この試合では、3安打の猛打賞も記録。川崎選手の存在は、V奪回を目指すホークスの大きな原動力になりそうです。
【カヌー 羽根田卓也選手】
今週末、チェコのプラハにおいて、カヌースラローム・ワールドカップの第1戦が開催されます。カヌーはヨーロッパでは人気のスポーツですが、日本においてはあまり馴染みのない競技でした。そんなカヌー競技の知名度を一気に高めたのが、昨年のリオデジャネイロオリンピックで、アジア初のメダリストになった羽根田選手です。
来月30歳の誕生日を迎える羽根田選手は、カヌー選手だった父の影響で小学生の時に競技を開始。高校3年生にして全日本選手権で優勝し、国内に敵なしの存在になりました。しかし、同じ年に臨んだジュニア世界大会では6位。このまま日本にいては世界で戦えないと痛感した羽根田選手は、高校を卒業した2006年、カヌー大国・スロバキアに渡ります。すると、その夏に行われたワールドカップで8位入賞。世界の舞台で日本人選手がひと桁の順位を獲得したのはまさに快挙であり、羽根田選手としても、海外挑戦に大きな手応えを感じた瞬間でした。オリンピック初挑戦は08年の北京大会。この時は14位でしたが、4年後のロンドンオリンピックでは7位入賞と、着実に成長を遂げてきました。そして海外挑戦を始めて丸10年の昨年、ついにオリンピックでのメダル獲得。羽根田選手の次なる目標は、20年の東京オリンピックでメダルを獲得し、カヌー競技の認知度をさらに高めること。そのためにも、ワールドカップでの好成績を期待しましょう。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!