【MLB グレッグ・マダックス投手】
グレッグ・マダックス投手は1986年、シカゴ・カブスでメジャーデビュー。23年のメジャー生活で4球団を渡り歩き、17年連続15勝以上を挙げるなど通算355勝。年間最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞を92年から95年まで4年連続で受賞し、殿堂入りも果たしました。
抜群のコントロールで“精密機械”と呼ばれたマダックス投手は、球数100球未満の完封勝利を通算13回も達成しています。そんなマダックス投手に敬意を表して、アメリカのスポーツマスコミは、100球未満の完封勝利のことを“マダックス”と呼ぶようになりました。力に頼らず、技と制球力でバッターを打ち取ったマダックス投手の投球術は、今なお、メジャーリーグファンの間で語り継がれています。
【MLB ランディ・ジョンソン投手】
2m8㎝の長身でマウンドに立ち、通称“ビッグ・ユニット(大いなる物体)”と呼ばれた左腕、ジョンソン投手。長い腕から横手投げに近いスリークォータースローで繰り出される150キロ台後半のストレートは迫力満点で、左打者の背中から大きく曲がると言われた高速スライダーはバッターを震え上がらせました。但し、制球力に難があるノーコンピッチャーだったジョンソン投手。1989年のシーズン途中に移籍したシアトル・マリナーズでも、92年まで3年連続でリーグ最多となる120個以上のフォアボールを与えていました。しかしこの年、レンジャーズに所属していたノーラン・ライアン投手と、レンジャーズのコーチにメンタルトレーニングの指導を受けて制球難を見事に克服したのです。
その後、ジョンソン投手は1999年から2002年までサイ・ヤング賞を4年連続で受賞。しかし40歳で迎えた04年、そのサイ・ヤング投手を超える偉大な記録を作りました。5月に行われたアトランタ・ブレーブス戦で完全試合を達成。40歳8ヵ月でのパーフェクトは、サイ・ヤング投手の37歳1ヵ月を100年ぶりに塗り替える最年長記録で、「アメリカン・ナショナル両リーグでノーヒット・ノーラン達成」というおまけも付きました。
【MLB ペドロ・マルティネス投手】
身長170㎝台と、メジャーリーガーとしては小柄で華奢な体型から160キロ近いストレートと多彩な変化球を繰り出し、バッターを手玉に取ったマルティネス投手。中でも代名詞になったのが、スピードが落ちないまま急激に曲がり落ちる、通称“パワーカーブ”です。マルティネス投手がこのボールを身に付けたのは、メジャー6年目の1997年、モントリオール・エクスポズ時代のことでした。
このパワーカーブを効果的に使ってバッターを打ち取り、マルティネス投手はこの年17勝をマーク。防御率1.90で最優秀防御率のタイトルを獲得し、年間最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞を初めて受賞しました。98年からは、名門ボストン・レッドソックスへ移籍。99年は、23勝・防御率2・07・313奪三振をマークして投手三冠を達成。2000年も防御率・最多奪三振の二冠に輝き、2年連続サイ・ヤング賞に輝きました。
【MLB トム・グラビン投手】
グラビン投手は、1987年にアトランタ・ブレーブスでメジャーデビュー。ブレーブスとニューヨック・メッツの2球団に在籍し、22年間も第一線で活躍を続けました。この間、最多勝のタイトルを5回も獲得。シーズン20勝を5回も達成した、メジャーの歴史に残るサウスポーです。
通算305勝の原動力になったのは、ストレートとチェンジアップの使い分けでした。「どんな球種を投げるかではなく、どこに投げるかが重要」と、コントロールを重視し、狙ったところへ正確に投げ続けたグラビン投手は、“世界最高の技巧派左腕”の異名を取りました。
【MLB マイク・ムッシーナ投手】
ムッシーナ投手は、1991年にボルティモア・オリオールズでメジャーデビュー。翌92年に18勝を挙げると、以降引退するまで17年連続で2けた勝利をマーク。圧倒的かつ安定感のある投球術で、オリオールズに在籍した10年間で147勝を挙げ、その後、ニューヨーク・ヤンキースに移籍して、8年間で123勝をマーク。2チームで100勝投手になったのは、メジャー史上9人目の快挙でした。
偉大な記録を残したムッシーナ投手ですが、“悲運の男”とも呼ばれています。ムッシーナ投手は、相手にヒットを1本だけ許し、ノーヒット・ノーランを逃した「ワンヒッター・ピッチング」を4度も経験しているのです。完全試合やワールドシリーズ制覇にこそ縁がありませんでしたが、晩年になっても、力が衰えなかったムッシーナ投手。39歳となった2008年には、自身初の20勝をマークしますが、その年限りで引退。通算300勝の大台まで、あと30勝でした。
来週のスポーツ伝説は……
7/ 6(月) サッカー ロベルト・バッジョ選手
7/ 7(火) サッカー ティエリ・アンリ選手
7/ 8(水) サッカー デル・ピエロ選手
7/ 9(木) サッカー スティーブン・ジェラード選手
7/10(金) サッカー カカ選手
お楽しみに!!