スポーツ伝説

12月6日~10日の放送内容

【プロ野球 髙橋光成投手】

 プロ7年目の今シーズン、初めて開幕投手に指名された埼玉西武ライオンズ・髙橋投手。前橋育英高校から2014年のドラフト1位で入団すると、1年目から5勝を挙げます。しかしその後は伸び悩み、5年目の19年にようやく初の10勝をマーク。昨年は8勝に終わり、更なる飛躍が期待されていました。そして今年、オリックスとの開幕戦では8回途中まで3失点の内容で白星を挙げると、そこから連勝街道がスタート。勝つたびに伸びていったのは、連勝記録だけではありませんでした。それは“髪の毛”。シーズン中も負けるまで、伸ばし続けることになったのです。このゲンかつぎが効いたのか、開幕5連勝を飾った髙橋投手。帽子からあふれるほどに髪の毛は伸びていましたが、6月4日の東京ヤクルト戦でついに連勝がストップ。その2日後、約1年半ぶりにバッサリカットしました。
 8月17日の千葉ロッテ戦で9勝目を挙げ、2ケタに王手を掛けた髙橋投手。そこから3試合足踏みが続きましたが、9月14日の北海道日本ハム戦で、2年ぶり2度目の10勝目を挙げました。続く9月20日のオリックス戦にも勝って、自己最多の11勝を挙げた髙橋投手。その後4連敗を喫してしまったのを反省点として、来年はさらに上を目指します。


  
【プロ野球 瀧中瞭太投手】

 今年の東北楽天ゴールデンイーグルスの先発陣は、メジャーから復帰した田中将大投手を始め、則本昂大投手・涌井秀章投手・岸孝之投手。ドラフト1位ルーキー・早川隆久投手の5人が当確。そして最後の1枠に滑り込んだのが、今年2年目の瀧中投手です、社会人野球のホンダ鈴鹿から、2019年のドラフト6位で入団した瀧中投手。1年目の昨シーズンは、8試合に先発登板して2勝でした。直球は140キロに届かないことも多いピッチャーですが、多彩な変化球と緩急を使った巧みなピッチングで、打たれても大崩れすることがありません。石井一久監督は「6回3失点くらいで帰ってくる力はある」とその抜群の安定感を買って「6人目の先発投手」に指名したのです。  
 しかし瀧中投手の今シーズン初登板は、悪夢のようなスタートになりました。4月1日の千葉ロッテ戦。2回途中までに10点を取られノックアウト。二軍落ちもあり得る内容でしたが、石井監督はもう一度チャンスを与えます。すると1週間後の4月8日、埼玉西武打線を7回1安打無失点に抑え、今シーズン初勝利を挙げたのです。以後は順調に勝ち星を積み重ねて初の10勝を挙げ、則本投手の11勝に次ぐチーム2番目の勝ち星で、クライマックスシリーズ進出に貢献した瀧中投手。来年は6番手ではなく、先発の柱を目指します。


 
【プロ野球 上沢直之投手】

 専大松戸高校から、2011年のドラフト6位で北海道日本ハムファイターズに入団した上沢投手。プロ7年目の18年に初のふたケタ、11勝をマークすると、オフには野球日本代表・侍ジャパンにも選ばれました。翌19年には初の開幕投手を務め、エースとしての道を歩み始めた6月、横浜DeNAとの交流戦で、打球が左ヒザを直撃。左ヒザの皿が割れる大ケガに見舞われます。その後はキャッチボールですら、足の踏み込みに違和感が出る状況でしたが、懸命のリハビリと、左ヒザを深く曲げなくてもいい新フォームに挑戦。手術からおよそ1年後の20年6月、ついに一軍のマウンドに戻ってきたのです。復帰3戦目には、413日ぶりに勝利を飾った上沢投手。9月には復帰後初の完投勝利を記録し、チームトップタイの8勝を挙げました。
 今年は2年ぶりに開幕投手を務めましたが、東北楽天・辰己涼介選手に先頭打者初球ホームランを許すなど、9安打6失点で黒星スタート。次の試合も5失点で連敗を喫します。決め球のフォークが高めに抜けがちで、今ひとつ落ちなかったのが大きな課題でした。その課題を逆転の発想でクリア。するとフォークの精度がグッと上がり、コントロールができるようになったことで、前半戦だけで6勝を挙げたのです。後半戦でも勝利を重ね、今年は自己最多の12勝をマーク。エースとしての存在感を示しました。



【プロ野球 小島和哉投手】
 
 千葉ロッテマリーンズ・小島投手は、浦和学院高校時代の2013年、センバツ高校野球で優勝を経験。早稲田大学でもエースとして活躍し、18年のドラフト3位で千葉ロッテに入団、即戦力左腕として期待されました。しかしプロ1年目は3勝5敗。2年目も7勝8敗と負け越し。3年目の今シーズンも、開幕から5試合は白星をつかむことができず、なかなか殻を破れませんでした。
 そんな小島投手が確かな自信をつかんだ試合が、9月11日の東北楽天戦です。小島投手は9回を無四球で投げきり、プロ初完投勝利を挙げました。さらに次の北海道日本ハム戦では、プロ初完封。10月3日の東北楽天戦では、再び無四球で2度目の完封勝ちを飾り、ペナントレース終盤に4連勝。勝ち星をついに10勝に乗せました。今シーズン、チームで10勝したのは小島投手だけ。さらに、マリーンズの左投手でふたケタ勝利をマークしたのは、成瀬喜久投手以来9年ぶりの快挙で、大きく飛躍を遂げたシーズンになりました。



【プロ野球 松本航投手】 
 
 日本体育大学時代は、最速155キロのストレートを武器に“大学最強右腕”と呼ばれた松本投手。2018年のドラフト1位で埼玉西武ライオンズに入団し、即戦力として期待された1年目は、7勝を挙げてリーグ優勝に貢献しました。ところが2年目は6勝7敗と負け越し。リーグワーストタイ19本のホームランを浴び、課題ばかりが残りました。そしてプロ3年目の今年は、先発ローテーション入りを果たしましたが、最初の3試合計14イニングで14四死球と制球難が露呈。中継ぎへの転向を言い渡されてしまいます。しかし、中継ぎを経験したことで「1イニング、1人ずつをしっかり意識しながら投げる」ことを学んだ松本投手。5月上旬、再び先発に戻ると6連勝を飾り、オールスターゲームにも初めて選出されました。
 オールスターでは、15球連続ストレート勝負を挑み、東京ヤクルト・村上宗隆選手、巨人・岡本和真選手、阪神の怪物ルーキー・佐藤輝明選手から、3者連続空振り三振を奪った松本投手。後半戦はいいピッチングをしても打線の援護に恵まれず、8試合勝ち星に見放されます。そこで辻発彦監督は、直球の力強さを取り戻すことを松本投手に要求。求めました。このアドバイスで、10月7日のソフトバンク戦では自己最多の135球を投げ、プロ初完投・初完封を達成。これで8勝目を挙げ、その後の2試合も連勝。プロ初のふたケタ10勝に到達しました。



来週のスポーツ伝説は……

12/13(月) プロ野球 松坂大輔投手
12/14(火) プロ野球 亀井善行選手  
12/15(水) プロ野球 長谷川勇也選手
12/16(木) プロ野球 大竹寛投手
12/17(金) プロ野球 鳥谷敬選手

お楽しみに!!
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