スポーツ伝説

2月29日~3月4日の放送内容

今週は、申年生まれの年男の選手たちをご紹介しました。


【プロ野球 森唯斗投手】

 1992年生まれの24歳、プロ3年目の福岡ソフトバンクホークス・森投手は、伊勢えび漁師の息子。森投手も高校生の時までは一緒に船に乗り、漁を手伝っていました。揺れる船の上で重い網を引く作業が太い首回りと二の腕の強さを生み、足腰の粘りとバランス感覚もその時に自然と身に付いたそうです。社会人野球を経て、2013年にドラフト2位でソフトバンクに入団。ルーキーイヤーの14年は、5月に1軍初登板すると、強気のピッチングで7月にはプロ初勝利。夏以降は主に7回に登板し、8・9回の五十嵐投手・サファテ投手につなぐ勝利の方程式の1人として活躍しました。結局58試合に登板し、4勝20ホールドをあげ、リーグ優勝と日本一にも貢献します。
 しかし工藤新監督を迎えた去年は、2年目のジンクスか春先に不調に陥ってしまいました。それでも「プロは結果を残し続けるしかない」と、腐らずに投げ続けた森投手。6月の阪神との交流戦で、球団タイ記録の7者連続三振をすべて空振りで奪うと、6月から8月まで18試合連続無失点をマーク。再び勝ちパターンの中継ぎに復帰し、55試合に登板。5勝16ホールドをあげ、2年連続日本一に貢献しました。年男となる今年は、3年連続の50試合登板と、日本シリーズ3連覇、1億円プレーヤーを目指します。



【プロ野球 有原航平投手】

 北海道日本ハムファイターズの有原投手も、1992年の申年生まれ。早稲田大学のエースとして活躍した有原投手は、最速156キロのストレートに多彩な変化球を駆使する即戦力ピッチャーとして、2014年秋のドラフトで最大の目玉候補となり、この年最多の4球団が1位指名で競合しました。当たりくじを引いたのは、早稲田の先輩・斎藤祐樹投手が所属する日本ハム。ただし有原投手は大学4年の秋に右ひじを痛めており、去年の春キャンプでは焦らず2軍スタートとなりました。自分のペースで調整を続けた結果、5月についに1軍デビュー。札幌ドームで行われたオリックス戦に先発で登板すると、6回を4安打2失点に抑え、先発としては合格点のピッチングを披露。その後の打線の援護もあり、初登板・初先発・初勝利を飾りました。この日、将来のエースの初勝利を目撃しファンには、球団から観戦証明書が配られました。
 その後も、有原投手はローテーションの一角を担って8勝6敗。パ・リーグ新人王に輝きました。2年目の今シーズンは、「防御率をもっと良くして、2ケタ勝利を目指す」と宣言しています。
 

 
【プロ野球 山崎康晃投手】

 去年のパ・リーグの新人王が年男なら、セ・リーグの新人王・横浜DeNAベイスターズの山崎投手も年男。山崎投手は、日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれたハーフ。帝京高校時代に甲子園に出場し、亜細亜大学を経て、14年のドラフトでDeNAの1位指名を受けて入団しました。
 一昨年はルーキーの三上投手に抑えを任せて成功したDeNAでしたが、去年の春季キャンプ中に三上投手が肘に張りを訴えて離脱。その代役として、山崎投手がクローザーに指名されました。すると5月8日の巨人戦で、早くもプロ野球新人記録の9試合連続セーブを達成。5月27日のオリックスとの交流戦では、これまた新人最多記録となる月間10セーブを挙げ、かつて“ハマの大魔神”と呼ばれた佐々木主浩投手にあやかり、“小さな大魔神”というニックネームがつきました。1年目からオールスターゲームにも出場し、8月20日のヤクルト戦で32セーブ目を挙げると、亜細亜大学の先輩・与田剛さんの持っていたプロ野球新人最多セーブ記録を25年ぶりに更新。結局、シーズン終了までストッパーを務めて37セーブと記録を大幅に伸ばし、新人王にも輝きました。年男となる今年の目標は、「40セーブと言わず、もっとセーブを挙げて優勝に貢献したい」と、更なる飛躍を目指します。
 
 

【プロ野球 細川亨捕手】

 今年36歳を迎えた福岡ソフトバンクホークスの細川捕手は、1980年生まれのベテラン選手。西武ライオンズに入団して2年目の2003年、正捕手の座を勝ち取ると、同じ80年生まれのエース・松坂投手と初めてバッテリーを組み、以後、全盛期の松坂投手の女房役を務めました。04年にはサイクルヒットを達成。この年に中日との日本シリーズ第7戦で、チーム12年ぶりとなる日本一決定の瞬間にマスクをかぶっていたのも細川捕手でした。08年には、自身2度目の日本一を経験。10年にFA権を取得すると、それまでライバルとして戦ってきた福岡ソフトバンクホークスへの移籍を決めました。
 細川捕手の持ち味は、ボールをキャッチする時にミットがほとんど動かないというキャッチングのうまさ、そしてバントのうまさ。去年までのプロ14年間で、実に10回もシーズン20個以上の犠打を記録しています。去年はキャンプ中に右手親指を骨折するなど故障に泣き、わずか59試合の出場にとどまった細川捕手。今年はどうしても成し遂げたい仕事があるといいます。それは、同じ年男で西武時代からのチームメイト・松坂投手の完全復活のアシスト。06年以来、10年ぶりの名バッテリー復活が今から楽しみです。
 
 

【プロ野球 後藤 G 武敏選手】

 後藤選手も1980年生まれのベテラン。名門・横浜高校では、98年に松坂大輔投手・小池正晃選手らと甲子園・春夏連覇を達成。卒業後は法政大学に進み、2年生の時に東京六大学野球・春季リーグ三冠王に輝きました。2002年に自由獲得枠で西武ライオンズに入団し、松坂投手とチームメイトに。そのパワーを買われ、1年目から開幕一軍入り。しかも当時の主砲・カブレラ選手の故障により、開幕戦でいきなり4番で先発出場するという、ルーキーでは異例の快挙を成し遂げました。その後もクリーンアップを務め、101試合に出場。ホームランも11本打つなど活躍をみせましたが、2年目以降はなかなかレギュラーに定着できず、1軍と2軍を往復する日々が続きます。ところがプロ6年目の08年、2軍スタートから6月中旬に1軍に昇格すると、29日のロッテ戦でバックスクリーン右に2発のホームランを叩き込み、ルーキーイヤー以来5年ぶりのアーチを記録。この年わずか49試合の出場でしたが、自己最多12本のホームランを放ち、クライマックスシリーズ・日本シリーズでも勝負どころでアーチを記録。4年ぶりの日本一に貢献しました。
 その後は再び低迷し、11年オフにトレードで横浜DeNAベイスターズに移籍。「野球生命を懸けて代打で勝負したい」と、今シーズンは2度目の登録名変更で心機一転を図ります。
 


 来週のスポーツ伝説は……

  3月 7日 プロ野球 藤川球児投手
  3月 8日 プロ野球 小谷野栄一選手
  3月 9日 プロ野球 村田修一選手
  3月10日 バレーボール 全日本女子チーム
  3月11日 ボクシング  桜井孝雄選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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