スポーツ伝説

1月31日~2月3日の放送内容

【カーリング ロコ・ソラーレ】

 冬季オリンピックの団体競技の中でも、特にチームワークと戦略が要求され、“氷上のチェス”とも呼ばれるカーリング。競技の特性から、日本代表は個人単位ではなくチーム単位で選ばれます。平昌大会に日本代表として出場し、銅メダルを獲得。「もぐもぐタイム」や「そだね〜」という流行語まで生みだしたのが、北海道北見市・常呂町のチーム「ロコ・ソラーレ」です。ロコ・ソラーレは、昨年2月に行われた日本選手権で連覇を果たせば北京オリンピック最終予選に日本代表として出場することができました。ところがライバルの北海道銀行に敗れたため、決着は9月の代表決定戦に持ち越されます。再び両チームが5試合を行い、先に3勝した方が日本代表となる最終決戦で、ロコ・ソラーレは第1戦・第2戦と連敗。次負けたら北京行きが絶たれる、崖っ縁に追いつめられてしまいます。
 出場メンバー4人は、司令塔の藤沢五月選手をはじめ、平昌オリンピックのときとまったく同じ。藤沢選手は第2戦の最終エンドで最後の1投をミスショットしてしまい、チームは逆転負けを喫しました。悔しさのあまり、1人で泣いたという藤沢選手。でもこれで吹っ切れると2連勝。決着を最終戦に持ち込みました。運命の第5戦、ロコ・ソラーレはリードを保ったまま最終エンドに突入。もし藤沢選手の最終ショットが外れると逆転負けという場面で、藤沢選手が放った最後のストーンは円の中心付近にピタリと止まり、ロコ・ソラーレが勝利。崖っ縁からの大逆転で、日本代表権を獲得したのです。


  
【フィギュア 鍵山優真選手】

 これからの日本フィギュアスケート界を背負って立つ存在と期待される、18歳の鍵山選手。同じフィギュアスケートでオリンピックに2度出場した父親・鍵山正和コーチの指導を受け、5歳から本格的に競技を始めました。父親から受け継いだ確かなスケーティング技術と、質の高いジャンプを武器にジュニア時代から頭角を現します。2019年12月の全日本選手権では、ジュニアの選手でありながら、宇野昌磨選手・羽生結弦選手に続き、総合3位となりました。20年1月、18歳以下の選手で競う冬季ユースオリンピックではショートプログラム3位でしたが、終滑走のフリーで自己最高得点をマーク。会心の演技で大逆転優勝を果たし、金メダルを獲得しました。
 その後も、鍵山選手の快進撃は続きます。20年2月、シニアの大会初出場となった四大陸選手権で銅メダルに輝くと、その翌月の世界ジュニア選手権では銀メダルを獲得。20年11月のグランプリシリーズ最終戦・NHK杯では、4回転サルコー・4回転トゥループと、難易度の高い2種類の4回転も交えて優勝。グランプリシリーズ初出場・初優勝は、日本人男子初の快挙でした。
 

 
【フィギュア 宇野昌磨選手】

 4年前の平昌オリンピック・男子フィギュアスケートで、金メダルを獲得した羽生結弦選手に次ぐ高得点をマーク。銀メダルに輝いた宇野選手。さらなる飛躍を期待されましたが、そこからは波乱万丈の4年間でした。平昌の前後、“シルバーコレクター”と呼ばれてた宇野選手。2017年18年の世界選手権で、2年連続銀メダル。同じくグランプリファイナルも2年連続で2位と、主要国際大会で軒並み2位が続きました。そんな宇野選手が表彰台の頂点に立ったのが、19年2月の四大陸選手権。決して体調は万全ではない中、4回転ジャンプを次々と決めて悲願の初優勝を遂げたのです。
 そのシーズン終了後、宇野選手はさらなる飛躍を目指し、5歳の時から15年以上指導を受けてきたコーチ陣と離れる決断をします。ところが新シーズンは、メインコーチが決まらない明らかな準備不足のまま始まってしまい、グランプリシリーズでシニア転向後、最低順位の8位と低迷。グランプリファイナル進出も初めて逃し、一度は引退も真剣に考えました。しかしトリノオリンピック銀メダリストのステファン・ランビエールコーチとタッグを組むと、19年12月に行われた全日本選手権で、羽生選手を抑えてみごと大会4連覇。ランビエールコーチのおかげで、スケートの楽しさを思い出したという宇野選手は、北京オリンピックで今度こそ、表彰台の頂点を目指します。



【フィギュア 坂本花織選手】

 2017年12月に行われた、フィギュアスケートの全日本選手権。この大会で2位となり、たった2枠しかない平昌オリンピック代表の座をつかんだのが、当時17歳でシニア転向1年目だった坂本選手です。坂本選手は、平昌オリンピック直前に開催された四大陸選手権で初優勝。勢いに乗って臨んだオリンピック本番でも、6位入賞を果たしました。シニア1年目としては立派な成績ですが、坂本選手は4年後、北京での雪辱を誓います。18年12月の全日本選手権、坂本選手はショート・フリーともに2位につける安定した演技を披露すると、大会4連覇中だった宮原知子選手、グランプリファイナルを制した紀平梨花選手らを抑え、新全日本女王の座に輝きました。
 ジャンプ全盛の時代にあって、坂本選手はトリプルアクセルや4回転といった大技は飛べません。その代わりに磨きをかけたのが、スケーティングのスピードです。その速さは、時に男子トップの羽生結弦選手を上回ることも。そのスピードを生かし、3m以上の飛距離でダブルアクセルを飛ぶなど、ダイナミックなジャンプでファンを魅了しています。そしてもう一つ、磨きをかけたのは、スケート技術や芸術性などを示す演技構成点を地道に積み上げること。4回転の大技に頼らずとも高得点を生む完成度は群を抜きます。日本のエースとしての期待がかかる北京大会では、パーフェクトな演技を目指します。



【スピードスケート 菊池悠希・純礼選手】

 北京オリンピックのスピードスケート、ショートトラック女子代表に選ばれた菊池姉妹。菊池家は5人姉妹で、次女の彩花さんは、前回の平昌オリンピックの団体パシュートで金メダルを獲得して引退。平昌にも出場した三女の悠希選手と、五女の純礼選手が今回も2大会連続で代表に選ばれました。姉の悠希選手は、平昌で思うような結果を残せませんでした。金メダルを獲った日本代表のチームメイトを見て、感動すると同時に、自分がそういう立場にいない情けなさや悔しさを感じたと言います。北京での雪辱を誓った悠希選手は4年間練習を積み重ね、31歳で再び大舞台に戻って来ました。
 妹の純礼選手は26歳。今回は女子のエースとして期待されていて、練習量も悠希選手に負けていません。菊池姉妹は個人種目にも出場しますが、注目は北京から採用された新種目の「混合2000mリレー」。男子と女子がチームを組み、交代で滑ります。メダルの期待も高いこの新種目で、日本は第1走を純礼選手、第2走を悠希選手が走る見込み。交代の瞬間に背中を押す「タッチ」は、日本の得意とするところ。姉妹の息の合ったリレーシーンが見られそうです。



来週のスポーツ伝説は……

2/7(月) プロ野球 又吉克樹投手
2/8(火) プロ野球 西川遥輝選手  
2/9(水) プロ野球 栗林良吏投手
2/10(木) プロ野球 伊藤大海投手
2/11(金) プロ野球 宗佑磨選手

お楽しみに!!
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